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2012年12月31日 (月) | Edit |
お待たせしました。やっと、GAMA君の評価結果をお見せできます。ZAP君に関しては来年までお待ちください。

GAMAの標準的なリスニング距離は約50cmを想定しています。このため、騒音計をバッフルから50cmの距離に設置し、ベト5第1楽章(ブロムシュテット盤)を全曲再生して最大音圧レベルを計測しました。ICアンプのボリュームは最大で固定し、サウンドブラスタのマスターボリュームで音量を調整しました。

ベリンガ製グライコは最終的に下図のように設定しました。
Ftoku copy
超ニアフィールドで聴く場合の高域のキツサを緩和するために最終的にこのような設定としました。特性図のピンクの線はDIATONEの30cm密閉型DS-2000の特性です。50Hzまでほぼ同等の低域特性が得られています。このような大型スピーカは、リスニング距離5m以上、最大瞬時音圧100dBレベルを想定して設計されています(参考記事)。しかし、より現実的な住環境に即したリスニング距離と再生音量を想定する事により、低域性能を犠牲にする事なく装置を大幅に小型化できます。KEROやGAMAはそのミニマムな実施例です。殆どの人々にとって巨大な装置は全く不要でしょう。

それでは、テスト結果をご覧ください。

まず、サウンドブラスタのマスターボリュームを70%に設定したところ、ベト5第1楽章の再生中に数カ所で80dBAを超え、最大で83.5dBA max(FASTフィルタ)が記録されました。これはエンディングではなく第1楽章の中ほどで発生しました。

次に、70%ボリュームで-12dBの正弦波を再生してスピーカの出力音響波形を観測しました。
gama -12dB
63Hzでの波形をFFTで解析したところ、5次までを含めた総高調波歪み(THD)は1.5%でした。まぁ許容できるレベルと言えるでしょう。その他の周波数でのTHDは1%を超えません。

下は同じボリュームで観測した-6dB正弦波の再生波形です。
gama -6dB
63Hzでは大きく歪み、音も明らかに異常(ブリブリ)です。この時のTHDは13.6%となりました。前の記事で書いたように、この時代の交響曲では低周波成分が強くないため、特に問題を感じる事はありませんが、他のジャンルの楽曲では問題を感じる事があるかもしれません。ただし、このボリュームでジャズやロックを再生すると、奥さんからレッドカードをくらいます。

下は各種マスターボリューム レベルでの63Hz/-6dB波形です。このボリュームは5%ステップでしか調整できず、1ステップで音量は約2.5dB変化します。
gama vol
ボリュームを70%から65%に1段絞るだけでTHDは6.5%まで改善されます。-6dBを超える大振幅の低周波信号は大概はドラムスによる瞬間的な現象であるため、この程度の歪みであればさして気にならないと思われます(春の祭典のドラム音での経験による)。65%ボリュームにおいてベト5第1楽章の最大音圧は80.9dBA(fastフィルタ)を記録しました。普段交響曲を聴く時は、このくらいのボリュームになると思います。ジャンルを問わず推奨できるGAMA君の最大ボリュームは65%、ジャンルをクラシックに限れば70%でも大丈夫というところでしょうか。

一般的なジャズ/ロックのソースであれば、55%ボリュームでmax80dBAに達する十分な音量が得られるため、再生中に問題が生じる事はまずありません。普段は50%ボリュームで聞いている事が多いと思います。マドンナであれば、さらにボリュームを下げられます。

なお、70%ボリュームで例の標準ピンクノイズ(-18dBFSrms)を再生したところ、50cmの距離で76.8dBA(SLOWフィルタによるMax値、スピーカ1本)を記録しました。これは以前の記事で紹介した国際規格の提案値(78dBA)に近い値であると言えます。参考にCフィルタで計測すると78.8dBCでした。ただし、再生装置の低域が十分に伸びていないため、特性がフラットなCフィルタでの値は余り正確ではないと思います。

以上から、リスニング距離50cm程度、80dBA以下の快適音量レンジで使う事を想定した場合、GAMA君は必要にして十分な音量で音楽を再生できると言えるでしょう。今回のデータから推測するに1m程度までは十分に使えそうです。

このように、リスニング距離と必要音量によってシステムの基本設計が決まります。日本の一般的家屋での実用性を考えた場合、それほど巨大な装置は必要ないと思われます。真に実用的で、真に再生クオリティの高い、真にリーズナブルな価格の、断じて趣味道楽のマニア用ではない、日常的に音楽を愛聴する人々向けの、本当に真面目なオーディオ装置を、根本から真面目に開発すれば、需要は十分にあるように思えます。

慌ただしく駆け込みのような投稿になってしまいました。それでは良いお年を!

m01_01_08_kadomatu.jpgお年玉クリックくださいなm01_01_08_kadomatu.jpg

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2012年12月24日 (月) | Edit |
ついつい先送りにしてきた約束事を年内に果たすべく、この三連休は大忙しです。その1つが大阪の姪に約束した黒い悪ケロ(ダースケロ)だったのですが、ミニアンプ用の電源をサブウーハ用アンプから取り出せないものかとゴニョゴニョしているうちに、全くウントモスントモ言わなくなってしまいました。ドシェー。。ですよ。暮れも押し迫ったというのに。。。

仕方なく、Alpair 5を使ったミニミニシステムを1日ででっち上げました。何とかお正月には持って行けそうで一安心。東京のオヂサンとしては約束を果たさねばね。。。

という事で、即席ミニガマ君のお披露目です。以前作った2.1ch方式の帝国軍TIEファイター風「黒ガマ君」(参考記事)の残骸からでっち上げました。ダースケロの代役として不足はないでしょう。
_1000246.jpg
このように机に置いて使うのが基本です。
_1000245.jpg

例のミニミニICアンプも新しいケースに入れました
_1000249.jpg
数年前に買ったソニーのイヤフォン用ケースに詰め込みました。ほぼギリギリ限界の大きさです。放熱用の穴も開けました。スピーカ出力には4ピンのPCパーツ用コネクタを使いました。アンプが壊れたら交換可能です。

_1000248.jpg
アンプはゴム紐で仮止め中

これに丁度使わなくなったベリンガの9バンドグライコをセットにして馬鹿ブースト方式で楽しんで頂きましょう(という事でグライコの読者プレゼントはなしね)。姪には出来るだけチッチャイの。。と頼まれています。また、築年数の経ったマンション暮らしなので防音性が余りヨロシクなく、自宅では専らiPod/iPhoneで聴いているとの事。チッチャイ音でもベースがよう聞こえるのがエーワー。。。そうなんです。そういうのが必要なんですよ。オヂオ業界のオヂサン達!

彼女はヘビメタ系の音楽業界で働いていて、大のベース好き。僕と同じで常にベースを基準にしてオンガクを聴く癖があるとの事。嬉しくなったオヂサンは今年の夏帰省した時にVictorのトップマウント型イヤフォンを彼女にプレゼントした事は以前にも書いた通りです。ベースがメッチャよう聞こえるわーー、黒ケロケロも楽しみにしてるでーー(大阪弁は語尾を延ばすのです)って凄く喜んでくれました。オヂサンとしては嬉しい。

バンド支配してるのはベースやでーーー、って全く僕と同じ事を言ってます。遺伝でしょうか。そんな彼女にもLEANAUDIOはピッタリですね。オッチャンの作った装置はベースの音がイヤフォン並によう聞こえるデーーー。グルーブでドライブやでーーー。

それではお馴染みのF特です。

その前にグライコの設定
_1000251.jpg
A6Mに比べて低音の出ないA5なので、±12dBのレンジをフルに使ってブーストしています。馬鹿ブーですね。

デスクの前端に置いて約20cmの距離で計測
F-1.jpg
-6dB/50Hzなので僕にはチョット物足りませんが、彼女はロックしか聴かないので十分でしょう。ロックって意外と低周波数信号は無いのですよ。

次に、上の写真のようにキーボード横に置いた状態でのF特。両耳のすぐ横にマイク先端を近付けて計測しました。
F 2
青がL、赤がR。距離はLが約45cm、Rが約57.5cmです。距離は近いですが、デスク面の影響でF特は結構凸凹になります。ZAP君のようにスピーカを高く持ち上げればこの影響は緩和されますが、使い勝手がヨロシクありません。やはり自動音場補正の内蔵が望まれるところです。彼女は音楽クリエータ関係の専門学校卒なのでグライコくらいお手の物(なはず)。後はヂブンの耳を頼りに微調整してもらいましょう。

一昨日からZAP君はお休みにしてミニガマ君をずっと試運転中です。60Hz以下を無理にブーストしていないため、マドンナをかなりの音量で再生してもズンドコビート(約45~50Hz/約-12dB)は全くOKですし、春の祭典のバスドラ(約40Hz/約-6dB)でもブリブリにはなりません。また、AccuRadioのエレクトリック ズンドコメニュー「My Bass Weighs a Ton」(君のスピーカをテストしちゃうぞ!というノリのチャンネル)でもOKでした。ただ、ZAP 2.1chに比べればズンドコ感が物足りないのは致し方アリマセン。音量的にも、机の上に置いた状態で椅子に座った時の耳位置でベト5/Max80dBAオーバーは超楽勝でクリアします。上に書いた事情により、彼女も爆音再生しないでしょうから、ブリブリ問題に対しては余裕十分と言えましょう。という事で製品として合格!

いやしかし、即席で作ったミニガマ君ですが、なかなかヨロシ。さすがAlpair 5。ケロよりも良いお品をプレゼント出来そうです。もうAlpair 5は手に入らないだろうし、手放すのはちょっと惜しいけど、東京のオヂサンとしてはグッと堪えましょう。

久々のAlpair 5ですが、やはり明瞭さではA6Mよりも一枚上手かもしれません。2つを合体する前に、両手に持って左右の距離を拡げたり縮めたりしながら聴いてみましたが、恐ろしく定位します。キッショクワルーーー!。僕はこのように明確なステレオ感を極端に嫌います。気が散って意識を音楽にフォーカスしにくいというか、アクセスしにくいというか。。なんか不自然で落ち着かない。。オヂサンとDNAの一部を共有する姪もスッテレオなんか全く意識せずに聴いているだろうから。。。と勝手に判断して例のごとく左右をガッタイしました。左右の中心間距離は135mmしかありません。殆どモノラル。机の上に置いたモノラルラジカセでビトルズやKind of Blueを聴きながらオベンキョしていた中学生の頃を思い出しました。懐かしい。。。

次回はA6 ZAP君と一緒に、低音波形の歪み具合から馬鹿ブー方式の実質的な音量限界について検討を加えたいと思います。そのデータがまとまったら、マークさんにお約束している英語版ブログの記事を書く予定です。これもなんとか年内に果たしたいものです。

今日はユザワヤにガマ君のお化粧用材料を買い出しに行く予定です。なにせヘビメタ屋さんですから、オッサンクサイ木のヌクモリなんざ全く無縁でしょう。黒のレザーとクローム、それにドクロと鋲と鎖?ワイルドだぜい!

追記
オヂサンとしてはヘビメタ = デーモン木暮閣下的イメージなんですけど、そのイメージで作っても良いのかな?
ロックには疎いのでちょと心配ではアリマス。。

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2012年12月22日 (土) | Edit |
マークさんに約束していた3"ドライバの低音性能に関する比較テストを行いました。本当は先月中にご報告する予定だったのですが、ぐずぐずしているうちに年末になってしまいました。この後、黒ケロも作らないといけないし、年内の予定を早めに終わらせて、年末はユックリ過ごしたいものです。。。

今回比較したドライバは以下の通りです
名称 : 有効面積 、 能率 、 Xmax(コイル長/ギャップ高)
MarkAudio Alpair 6M : 36.3cm2, 85.2dB, Xmax 1.6mm(7.2mm/4mm)
MarkAudio Alpair 6P : 36.3cm2, 86.7dB, Xmax ?mm(4.7mm/?mm)
MarkAudio Alpair 5 : 27.3cm2, 84.5dB, Xmax ? (?/?)
AuraSound NS3-193-8A: 31cm2, 80dB, Xmax 3.1mm (6.5mm/12.7mm)
Fostex FE83E : 28.3cm2, 88dB, Xmax 0.15mm (4mm/ ?)

これらはメーカ公表値(一部マークさん情報)に基づきます。Xmaxは公表値ではなくコイル長とギャップ高から計算したリニア片振幅です。FE83EのXmaxはメーカ公表値ですが定義は不明、コイル長は壊れたやつから僕が計った実寸です。

ケロ君のウーハに使っているAuraSound NS3-193のXmaxが3.1mm(A6Mのほぼ2倍)と非常に大きい事が分かります。メーカデータによるとコイル長よりもギャップ高の方が大きくなっています。これとは対称的にFEのXmaxは0.15mmしかありません。さて実力の程は???

全て2.5L密閉のポチ箱(吸音材タップリ)で計測しました。

まずはF特です。計測距離は30cm。クリックで拡大してご覧ください。
Ftoku-2 copy
赤がA6M、青がA6P、ピンクがA5、緑がAura、黒がFEです。絶対レベルは波形計測結果を基に推定しました。正確なデータではありませんのでご注意ください。大雑把に言えば、Aura以外のSPLはほぼ同等であり、Auraのみ他から6dB程度低めです(メーカ値80dB)。

下は200~500Hzでレベルを揃えたグラフです。
Ftoku-3 copy
FE83は低音が全然出てません。A5も低めです。Auraは2つのA6とほぼ同等であり、振動板面積の割に低音がよく出ていると言えます。能率を落として低音を稼いだという事でしょうか。他のTSパラメータメータを比べてみればナニか言えるかもしれませんが、メンドクサイので止めときます。今回は低音大振幅時の挙動についてのみ評価しますね。

以下、40Hzの正弦波を入力した時の波形です。信号のdBはフルスケールを0dBとした値です(dBFS)。10cmの距離で計測しました。Icon AMPのボリュームはFULLですが、サウンドブラスタのDACの出力レベルは今まで使っていたのより低いようです。
6M 40Hz copy copy

A6P 40Hz copy copy
マークさんはA6PはXmaxが小さいから。。。とおっしゃっていましたが、意外と頑張りますね。

A5  40Hz copy copy
以前はコイツで馬鹿ブーやっていたのですよ。。。。

aura 40Hz copy copy
A5よりは低音能力は高いですが、巨大なXmax値の割には期待外れです。-9dBあたりから異音が出始めて高調波歪みが増加します。ボビンがどこかに接触しているのかもしれません。

FE 40Hz copy copy
低音性能の評価にFE83を含めるのはチョット酷かもしれません。Xmaxはたったの0.15mmですから、いくらパワーをかけても振幅は増えません。

次に、Alpair 6MとAuraをほぼ同一音圧振幅で比較してみました。Auraは能率が低いので、振幅を揃えるには信号レベルを約6dB高くする必要があります。左がA6M、右がAuraです。
6M - Aura copy copy
Auraの方が振動板面積が小さいのでやや不利ではありますが(同一音圧振幅を得るには振動板振幅を増やす必要がある)、-9dBから異音が発生して高調波歪みが激増するのは頂けません。個体差もあるので全ての製品でこの現象が発生するかどうかは分かりません。今まで6.5セット(13ユニット)のAlpairを評価しましたが、極端なブリブリになっても(またはArrestorにヒットするまでは)そのような異音が発生した事はありません。

最後に、FE以外の4つのユニットを、ほぼ同一音圧振幅で比較しました。
Compare all copy
Alpair 6Mは優秀ですね。3次歪みを見る限り、Auraは異音さえ出なければA6Pと同等の実力と言って良いかもしれません。これも良く頑張っていると思います。さすがケロ君のウーハ。。。ちなみに、ケロ君で使っていて異音が出た事はありません。これらはかなり厳しい限界条件での評価である事をご理解くださいませ。

ブースト方式はコンパクトでコストも下げられる商品性の高い魅力的な方式であると思います。特に大音量を必要としないデスクトップまたはニアフィールド アプリケーションに適するでしょう。また、メカトロ化と機械的設計の最適化によってその可能性は飛躍的に広がるはずです。

次回はAlpair 6Mのブースト方式がどの程度の音量まで使えそうなのか? 検討を加えてみたいと思います。オッタノシミニ!

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2012年10月19日 (金) | Edit |
シリーズ2回目の今回は、Xmaxとはナニなのか? について書きます。計測データは次回の記事に掲載します。スミマセン。。。

下はドライバの断面図です。
Xmax 1
赤丸の部分を拡大したのが下図です。
Xmax2.jpg
この図には2つの重要な寸法を記載しています。1つはコイルの長さ(当ブログでは「Hc」とする)、もう1つはギャップを形成するワッシャの厚さ=ギャップ高(当ブログでは「Hg」とする)です。

下図は、ギャップに対するコイルの位置関係と、各状態で発生する力の大きさを示しています。
Xmax1.jpg
A: コイルの上端がギャップの下端に一致(コイルがギャップから完全に出てしまった状態)
B: コイルの上端がギャップの中心に一致
C: コイルの上端がギャップの上端に一致
D: コイルの下端がギャップの下端に一致
E: コイルの下端がギャップの中心に一致
F: コイルの下端がギャップの上端に一致(コイルがギャップから完全に出てしまった状態)

C~Dの範囲では、ギャップの全幅にコイルが存在するため、一定の入力から得られる力は一定です(線形領域)。コイルの運動がこの領域内に収まっていれば、概ね理想的やね?と言える領域です。ただし、実際にはギャップの外側のコイルもある程度の範囲で影響するため、実際に発生する力は細線で示したような形状になるはずです。

さて、Xmaxの値ですが、全く公表していないメーカもありますし、公表していても定義が異なる場合もあるため、なかなか厄介です。いろいろ調べてみましたが、上記の線形可動範囲の1/2(片振幅)をXmaxとする場合が多いようです。つまり、中心からCまたはDまでの距離をXmaxとするという事です。仕様表に「Maximum Linear Excursion」と書かれていれば、まずこの定義に従うと考えて良いと思います。片振幅で示される場合が多いのですが、両振幅(pp)で表記しているメーカーもあるので注意が必要です。コイル長とギャップ高の値が記載されている製品もあり、そのような場合はXmaxを簡単に計算できます。

以降、当ブログでXmaxという言う場合は、この定義に従い、「最大線形片振幅」と呼ぶ事にします。
Xmaxは下式により求まります。

Xmax = [コイル長(Hc) - ギャップ高(Hg)]/2

Mark Audioが公表しているXmax値は、この定義には従わず、概ねコイル長の半分(Hc/2)に一致します。上図で言えば、中心からBまたはEまでの距離に相当します。ちなみにB~Eの距離はコイル長に一致します。つまり、Mark Audioでは、コイルの端がギャップの中心に達するまでを有効可動範囲と考えているという事です。従って、上記の標準的なXmax値よりも1/2Hg大きな値となります。

例えば、Alpair 6M のコイル長は7.2mm、ギャップ高は4mmです(マークさんが教えてくれた)。これに従うと、最大線形片振幅 Xmax = 1.6mm となります。これに対しMarkAudioが公表しているXmax値は3.4mmです。随分大きいですね。なぜMarkAudioがこのような定義のXmax値を使うのか?は分からないでもありません。機械的運動性能に優れるMarkAudioドライバはXmax内で掛け値無しに動いてくれるのですが、そのへんの設計がエーカゲンなドライバでは、Xmax内でもかなり歪むようです。つまり、そのようなドライバの実質的なXmaxは公称値よりもずっと低いという事です。そのへんのデータは次回の記事でお見せします。

Alpair 6MのXmax = 1.6mmという値は、TangBand等のトラディッショナルな3"ドライバ(Xmax = 0.5~1mm)に比べると大きいですが、最新のかなりアグレッシブな設計の小径フルレンジ ドライバの中には同等以上のXmax値を持つ物もあります。例えばVifa NE95W-04のXmaxは1.75mmですからA6Mとほぼ同等です。

Alpair 10のコイル長は16mm、ギャップ高は5mmです。これに従うと、最大線形片振幅 Xmax = 5.5mmとなります(MarkAudio公表値は7.5mm)。市販されている13cmウーハのXmax値を調べてみましたが、僕が調べた範囲では最大で4mm、平均的には3mm前後でした。Xmax = 5.5mmというのは、同等サイズのウーハに比べて非常に大きな値です。しかも、Alpair10は、この線形範囲内で掛け値無しにガシガシ動いてくれます。凄まじいと言えるかもしれません。これについても次回または次々回の記事でデータお見せします。

実験君は振動板の振幅を簡単に計測する事ができました。次回は、振動板振幅と再生波形を照らし合わせながら、Xmaxがどのように波形に影響するのかを、お見せする予定です。オッタノシミニ!

追記
なお、Alpari 6Pのコイル長は6Mに比べて随分短く、低音ブーストのような使い方には適さないと、マークさんがおっしゃっていました。従って、6Pは今回の検討対象から除外します。ちなみに、TONO君に6Pを使っていますが、部屋がブーストしてくれるので、イコライザの63Hzバンドは-12dBです。つまり振幅をブーストするのではなく12dBも減衰させているという事です。従って低音苦手コンビである6P+TU-870でも特に問題を感じません。信号ブーストを必要としない「お部屋でブースト」は、ある意味理想的かもしれません。いやマジで理想的かも。よく考えてみましょう。。

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2012年10月16日 (火) | Edit |
密閉型ブースト方式についてシリーズで詳しく書く予定です。

今回は手始めにドライバの選択基準について。

ドライバを選択する際は、最大許容振幅(Xmax)とドライバの気密性(エア漏れしない事)が重要な選択基準となります。

1: 最大許容振幅(Xmax)
密閉型ブースト方式の欠点は、バスレフ型に比べて大幅に振動板振幅が増加する点にあります。従って限界振幅(Xmax)の大きなドライバを選択する事が重要です。今回は僕が愛用するマークオーディオ製Alpairドライバと他社製ドライバの低音再生波形の比較結果をお見せします。

8cmクラス ドライバの比較
Alpair6M、6P、5と、お馴染みFOSTEX製FE-87を比較しました。FE-87の振動板面積はAlpair5とほぼ同じです。Alpair6の振動板面積は少し大きめです。

まずはお馴染みのF特です。クリックで拡大してご覧ください。
8cm Ftoku copy
4Lの密閉箱(吸音材たっぷり)で計測しました。青がA6P、赤がA6M、黒がA5、緑がFE87です。200~500Hzの出力レベルがほぼ同じになるようにして重ね書きしています(FrieveAudioを使った計測では絶対レベルは不明です)。

50Hz/-6dB正弦波信号の再生波形を比較しました。
アンプはIconAMP、ボリュームは最大です。信号はブーストしていません。
各波形の振幅がほぼ同じになるように、パッシブプリのボリュームを微調整しています。
パッシブプリ: 約1/2ポジション (僕の普段のリスニングではこの音量を超える事は絶対にない)
50HZ MID copy
FE87(緑)は既にブリブリです。最も良好なのはA6M(赤)ですが、小さなA5(黒)が健闘しています。A6PはA6Mに比べると明らかに歪みが大きいですね。マークさんによると、MとPで磁気回路の設計が異なるそうです。振動板の剛性も関係しているかもしれません。

パッシブプリ: 約3/4ポジション
50HZ BIG copy
さすがのA6M(赤)も波形は尖ってきますが、他の3つに比べると明らかに優位です。

13cmクラス ドライバの比較
次に、Alpair 10フルレンジと2つの13cmウーハ(Dyanavox製LW5002PPR-S(PPコーン)とDayton製DA135-8(メタルコーン)を比較しました。

F特です。
13cm woofer Ftoku
青がA10、緑がDynabox(PP)、赤がDayton(メタル)です。Daytonのセンターキャップは気密性が無かったため、木工ボンドでコーティングしてエア漏れしないように改造しています(参考記事)。このグラフも上と同様に200~500Hzでレベルを合わせて重ね書きしています。

40Hz/0dB正弦波信号の再生波形を比較しました。8cmクラスの50Hz/-6dB信号よりもずっと厳しい条件です。IconAMPのボリュームは最大です。信号ブーストはしていません。
パッシブプリはは3/4ポジションです。さすがに、ちょっと恐ろしくて、各波形の振幅を揃えているる余裕はありませんでした。僕の普段の再生音量に比べるととんでもない大音量条件です。
13cm woofer 3_4
A10の波形(青)は他に比べて明らかに良好です。これで振幅を揃えるとA10の優位性はさらに際立つでしょう。ウーハーとして売られているドライバよりもフルレンジのA10の方が低周波の再生能力が高いというのも驚きです。

今回比較した中では、マークオーディオ製Alpairドライバの低音再生限界が高い事がわかります。これは最大許容振幅(Xmax)が一般的な他社製ドライバに比べると非常に大きく設計されているためです。Xmaxに関しては、次回の記事で詳しく書きたいと思います。なかなかオモシロイ実験結果もお見せできると思いますのでオタノシミに。

2.ドライバの気密性
密閉型ではスピーカシステムの気密性が非常に重要です。箱はもちろんの事、ドライバ自体にも気密性が必要です。このため、フェイズプラグ付きやコアキシャルタイプは適しません。このようなタイプのドライバでは、下図のようにギャップからエアが漏れてしまいます。エアが漏れると気流ノイズが発生するだけでなく、低周波領域の出力も明らかに低下します。
スピーカー断面 copy
従って、Alpairのように気密性のあるセンターキャップ型または、Auraのような逆ドーム型を選ぶ必要があります。また、上のDaytonウーハのようにセンターキャップに気密性のない素材(布等)を使っている場合もNGです。

フェイズプラグ型の大御所といえばB&Wですが、彼らもこのエア漏れ問題を認識しており、最近発売したPM1のウーハにはフェイズプラグを採用していません(参考記事: B&Wも言っているフェイズプラグの問題点)。その理由として、トールボーイ型のミッドバスとして使う場合はフェイズプラグ付きで問題ないが、小型モデルのウーハとして使う場合にはフェイズプラグ付きでは気流音が生じるため適さないと堂々と述べています。CM1とかドースンノヨ?

また、大概のドライバのフランジの気密性はあまり良好ではありません。バスレフ型ではさして問題にならないでしょうが、小容積の密閉型ブースト方式では箱への取付に細心の注意を払う必要があります。パッキンを自作したり、シール剤を併用するのも効果的です。A10のフランジ面にはビード付きのラバーパッキンが貼られているので、大概は問題無く取り付ける事ができますが、A6の場合、付属のパッキンだけではエア漏れしてしまった事が何度かあります。プラ製フランジなので、あまり強く締め付けるわけにも行きません。なので僕はエアコン配管の穴塞ぎ用パテを併用しています。

ドライバを箱に組み付けたら、必ず50Hz程度の正弦波をある程度大きめの音量で再生して音と再生波形を確認するようにしています。エア漏れがあると波形は歪んでいないのに変な音がするのですぐに分かります(慣れるまで分かりにくいかも。。。僕も最初はそういう音なのだと思っていた)。漏れていそうな箇所に手を近付けると、微かに風を感じる事もあります。エア漏れチェックは非常に重要です。ゆめゆめ疎かにしてはなりませぬぞ。。。

次回はXmaxについて、興味深い実験データをお見せする予定です。ではでは。。。

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2012年06月11日 (月) | Edit |
今回の本題に入る前に、とっても重要な事なので、もう一度シツコク繰り返します。イコライザ(equalizer)とは、読んで字のごとく、何らかの物理特性を「均一化」(フラット化)するための装置または機能です。ですから、計測しながらの設定が絶対的大前提である事をくれぐれも理解してください(自動補正ならOK)。我々は制作者ではなく、あくまでも鑑賞者であるという立場をヨクヨクわきまえないと、結局はイヂクリマーシーノのオヂオイヂリと同じ事になってしまい、富士の樹海を確実に彷徨う事になります。簡単にいくらでも変更でき、変更すると音もはっきりと変わるため、ある意味非常に危険な装置でもあり、使いようによっては簡単に「悪者」にもなってしまうでしょう。鑑賞者としての分をわきまえ、フラットにしたらその状態を基準として素直に受け入れ、なんか遊びたければデンセンなりインシュレータなりシンクーカンなりなんなりで遊べばヨロシかと思います。

さて、今回の本題の方ですが、これはLEANAUDIO初期の頃からのテーゼです。相変わらずシツコイですが今一度よーく考えてみてください。ハチマルには、今のオヂオの不思議フシギ摩訶不思議な状況を象徴しているように思えて仕方ありません。

それでは本題に入ります。
低域のブーストとは、低周波領域で減衰したスピーカのレスポンスを、特定の周波数まで「均一化」(フラット化)する事を指します。つまりイコライジングの適用範囲を、スピーカのロールオフ周波数よりも低い周波数領域まで延ばしたに過ぎません。すなわち、ハチマルの言うブーストとは、イコライジングの延長に他ならないという事です。別に低音を「強調」して「ズンドコ」にするわけではなく、本来聞こえるべき状態に修正するという事ですから、そのへんの勘違いなきよう、くれぐれもご注意ください。

問題のバスレフですが、現在、オーディオ用スピーカとして、大型から小型まで、高級品から普及品まで、すっかり主流となってしまっているバスレフ方式は、箱内部の空気とドライバの共振現象を利用して、特定周波数領域のレスポンスをブーストします。通常は、密閉型のロールオフよりも低い周波数までレスポンスを「均一に」(フラットに)延ばす事を目的に調整されています。つまり、これも一種の非電気的イコライザであると言えます。そして、電気的イコライザと同様に、音質にある程度のネガティブな影響を与えます。

そこで、「ほんならドッチの方が得ヤネン?????」と考えるのが普通です。。ですよね?考えない方がフシギです。

ハチマルの今までの実測とシミュレーションによる経験では、同一容積の密閉型と比べた場合のバスレフ型のブースト効果は、本当に最小限の吸音材を入れた状態で、最大でも8dB程度です。付帯音を嫌って吸音材を少し増やすと6dB程度まで効果は減少します。バスレフ型の場合、共鳴点から下は急激に位相が変化してレスポンスが減衰する(共鳴点以下の音はかなりデタラメ)のに対し、密閉型は位相もレスポンスもなだらかに変化するため、バスレフの効果が最大8dBあったとしても、密閉型では6dBもブーストすれば、バスレフ型と同等かそれ以上の良質な低音が得られます。

そのへんを実例でお見せします。
ZAP Alpair 6M/2.5L密閉をベリンガのグラフィックイコライザでブーストしてみました。
A6 eq
黒がブーストなし。赤が、一番下のバンド(63Hz)を+6dBした結果です。綺麗に+6dBの効果が出て、100Hz以下がフラットに伸びています。

シミュレーションでバスレフと密閉を比較してみました。容積は2.5Lです。
A6 eq simu
白が密閉です。吸音材はバスレフ効果が最も強く出る「なし」で計算しています。同調周波数(63Hz)におけるバスレフの効果はせいぜい7dBくらい。この程度のブースト効果であれば、密閉型+イコライザで簡単に出せてしまう事がおわかり頂けたかと思います。しかも、密閉型をブーストした方が、同調点以下の減衰がなだらかであるため、低音の量感と重みは明らかに密閉型ブーストの方が優れ、位相と過渡応答性の面でも密閉型ブーストの方が圧倒的に優れます。

ついでにAlpair 10/4L密閉でも+6dB(63Hz)してみました。
A10 eq
たった4Lの密閉箱に13cmドライバを入れて、イコライザで63Hzバンドを+6dBしただけで、40Hz~10kHz ±6dBを達成しています。音楽を鑑賞する上でほぼ十分な非常に素直な特性が得られたと言って良いでしょう。一家に一台ALpair 10たる所以です。このドライバの許容振幅(Xmax)は半端ではありません。グライコにもう1つ下のバンドがあれば、さらに下限を伸ばす事も可能でしょう。もちろんFrieveAudioでブーストするならば、30Hzまで位相遅れ皆無で何の問題もなくフラットにできますし、部屋の影響も同時に補正できます。なお、4Lの容積では、シミュレーションでまともなポートチューニングはできませんでした。最低10Lは必要そうです。このように、密閉型をブーストする場合、容積はさして重要ではないため、バスレフ型より遙かにコンパクトにできます。

さて、バスレフ方式のように共振現象を利用した場合、それが音響的であろうが機械的であろうが電気的であろうが、如何に巧妙に計らおうとも、ポジティブな効果が得られる周波数領域の外側で必ずネガティブな現象が発生します。ハチマルはエンジン屋さんでしたから、共振君にはソレハソレハお世話にもなる一方で、散々悩まされもしました。今まで再三述べてきたように、バスレフ方式もその例外ではありません。

シンプルな密閉型で低い周波までフラットにレスポンスを延ばせるのであれば、密閉型を使うに超した事はない、誰も好き好んでキワモノは使いたくはないという事は、昔ムカシ大ムカシから言われている事です。中高生の頃に読んだオーヂオ誌(スピーカ自作の入門書だったと思う)にもはっきりと書いてありましたし、バスレフ型を苦肉の策(あるいは必要悪)的に考えている著者のニュアンスが記事の端々からも読み取れました。それが当時の業界のバスレフ方式に対する認識であったように思えます。実際、当時は今よりも密閉型の製品が多かったようにも記憶しています。

昔ムカシ大ムカシは、真空管アンプの出力や駆動力も低いですし、スピーカのエッジやダンパの素材も限られていましたから、低周波の大きな振幅で振動板を良好に駆動する事は困難であったでしょう。そのような事情から、特に大音量を必要とするシステムでは、低域のブーストをバスレフ型のようなキワドイともいえる共振機構に頼らざるを得なかったという事情は十分に理解できます。

さてさて、しかし、今や21世紀であり、それは昔ムカシ大ムカシの事情に過ぎません。半導体によるアンプの大出力化高DF化はもとより、スピーカにも新しい素材がどんどん使われるようになり、さらには音源のデジタル化にともなってデジタル信号処理の可能性が開ける等、関連技術レベルは当時から飛躍的に進化しています。例えば新素材を駆使したハイテクAlpairドライバでは、驚くほどの大振幅でも極めて良好な挙動を確保できている事、FrieveAudioのDSPを使えば、密閉型ヘッドフォンに匹敵する位相的にも極めて正確な低音をリスナの耳に届けられる事を再三ご紹介しました。

ちょいと冷静に考えれば、現在のそのような技術的バックグラウンドの下、せいぜい6dB程度の低音ブーストのために、そのようなキワモノ的共振機構(バスレフ方式)に頼る必要があるのか???密閉型をアナログ式であろうがデジタル式であろうが単純に電気的にちょいとブーストした方が絶対お得だよね??という疑問が生じるのが当然でしょう。。ですよね??違う???

昔ムカシ大ムカシの技術的制約からやむを得ず採用されたような機構が、この21世紀においてもなんで未だに幅をきかせているのか???ハチマルにはものすごーーーーーーーーーく不思議でフシギで仕方ありません。

何もハチマルみたくアホみたいにブーストしなくとも、ちょいと6dBブーストすれば、バスレフ型と同程度までロールオフ周波数を下へ伸ばす事ができ、しかも、それ以下の周波数でもバスレフ型のように急激に位相が乱れてレスポンスが急落する事もなく、ダラダラと緩やかに減衰する特性が得られます。すなわち、ちょいと6dBブーストするだけで、明らかにバスレフ型よりも位相的に正確でダンピングの効いた自然で豊かな量感の低音が得られるという事です。ブーストしてロールオフ周波数を同じにした密閉型とバスレフ型を聴き比べれば、ズンと来る低音の重さ/実体感が全く違う事は、誰にでも容易に体感できるはずです(かたや、穴ンポコから噴出するオトですから)。もちろんデジタル信号ブーストを適用するのが理想的ですが、アナログイコライザやアンプのトーンコントローラでも効果は十分に体感できるでしょう。

一度お試しあれです。ホンマニ。

なお、このような方式においては、箱の気密性と剛性はもちろんのこと(容積は小さくてOK)、ドライバ自体の気密性が重要となります。気密性の高いセンターキャップ付きのドライバを使う必要があるという事です。フェイズプラグ付きやコアキシャル型ではエア漏れによる問題が生じて良好な結果は得られません。この条件を満たす限り、ビンテージ物ではない最新のドライバであれば、限界近くの大音量を求めない限り、6dB程度のブーストで問題が生じる事はないでしょう(アンプのトーンコントローラ レベルのブーストですからね)。

ハチマルのように、小径ドライバで限界近いブーストを求める場合は、できるだけ最大許容振幅(Xmax)の大きなドライバを使う事を推奨します。その点でMark AudioのAlpairシリーズは最適です。というか、他に適当そうなのは思い当たりません。アンプにはDFの高いアンプが適するでしょう。小出力の真空管アンプは当然適しません。今時の半導体アンプであれば基本的になんでもOKだとは思いますが、敢えて選ぶなら高DFの業務用アンプとか、NuForce IconAMPがヨロシイカト思います。

では、そのようなバスレフ型が未だに幅を効かせている理由は一体全体何なのか? と普通は考えるわけです。

ハチマルは、付帯音(内部の音が筒抜け、ポート自体の共鳴音(笛っぽの音)が出る)によって「ソーチそのもの」のコセーを出しやすいからではないかと考えています。最近のマニアの表層的/感覚的/微視的なナンチャラカンやオンジョーカンを追い求める傾向は、ムカシよりもかなりエスカレート気味なのではないかとハチマルには思えて仕方ありません(そんなにナンチャラカンやリンジョーカンとかが無いと音楽がツマライのか???そんなにツマラナイのだったら何も無理に音楽聴かんでもえーんとちゃうのんか?と)。しかし、ナンチャラカンをやたら求めず素直にそこに記録された「音楽」に耳を傾けようとする場合、付帯音の少ない吸音材をタップリぶち込んだ密閉型の方が、明らかに「音楽そのもの」が聴きやすくなります(要は音楽再生クオリティが高くなるという事)。

密閉型は音が「死んでいる」とか「沈んでいる」と勘違いされる傾向にあるようですが、それは決して内圧や吸音材によって振動板の運動が抑制されて「音が死ぬ」からではなく、不要な付帯音が減ったために、付帯音の多いバスレフ型やバックロード型のナンチャラカンに慣れた耳にはなんだか寂しく感じられるためです。これは、LEANAUDIO初期に散々バスレフと密閉を聴き比べた上で得たハチマルの結論です。地味な密閉型で、ナンチャラ感ではなく「音楽」を聴く事に慣れると、今度はバスレフ型の不自然さが耳に付くはずです。このへんは、自動音場補正でフラットにすると(音楽再生クオリティが向上すると)、癖のあるナンチャラカンが無くなって最初は耳寂しく感じるのと同じです。そのへんをよく理解した上で、密閉型の音を今一度じっくりと聴き直してみるのも良いと思いますよ。

追記2
密閉型がなんか地味に聞こえるのを嫌ってか、内圧を下げるために背面に圧抜き穴を開けたりする場合もあるようですが、これは疑問です。原理的に良い効果が得られるとは思えません。例えパイプを付けずに箱に穴を開けただけでもヘルムホルツの共鳴効果は発生します(いつものシミュレーションツールで計算すると分かります。このためハチマルは極端に長ーーーいパイプ「シッポ」をポチ君で試した事がある)。また、共鳴効果が出なかったとしても、小さな穴だと、空気の出入りに抵抗が生じて、それこそ振動板の運動が阻害されますし、気流音が出る恐れもあります(箱がエア漏れしているのと同じ状態)。大きな穴だと、背面解放に近付くだけであり、低域のレスポンスが低下します。効果があるように感じられたとすれば、それは穴から何らかの付帯音が出ているか、部屋の影響で低音過多になっていたために低域のレスポンスが下がった事が良い方向に感じられたためではないかと思われます。ハチマルもF80を使っていた頃、どうも音の明瞭感に欠けるような気がして、内圧を抜くためにポチ型に長い尻尾を付けたりしたっけなぁ。。。今から考えると笑い話です。。。Alpairを使い始めてからは、そのような事はなく、結局丸1年かけて吸音材タップリに辿り付きました。

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