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2010年11月27日 (土) | Edit |
Alpair6 Mの馬鹿ブーストは相変わらず絶好調です。音量を上げても低音が破綻しないので、つい必要以上にボリュームを上げてしまいます。

で、音量を上げるとデスクの微妙な振動が手に伝わって気色悪く感じる事があります。音も微妙に濁り始めます。デスクに伝わる振動の原因には、スピーカー箱の振動による機械的起振と低周波音による音響的起振が考えられます。

音量を上げて音楽を聴いている時に箱に触ってみると、はっきりと振動している事が分かります。ケロの時にも経験したのですが、箱表面の振動が大きくなると明らかに低音が濁って違和感を覚えます。特にケロはスピーカーまでの距離が近いので敏感に感じたため、制振にいくつかの対策を施しました(参考記事)。ポチも何かやった方が良いかもしれません。イロイロ考え中。。。

箱の振動の原因には2つ考えられます。1つは内圧の変化(特に小容積密閉型では内圧の変動は大きくなる)、もう1つは振動板の反動です(質量を持つ振動板が前後に動くので、その反動が箱に伝わる)。前者に対しては箱の剛性を上げる(板厚を上げる、補強を入れる)、後者に対しては箱の質量を上げるか、アンカーシステムのようにドライバー自体にマスを付けてフロートする事が効果的であると考えられます。ポチもケロも容積の割には厚めの15mm合板を使用していますが、多少音量を上げたとてたかが知れたニアフィールド用の音量と小っちゃな箱でも結構振動します。振動するという事は音を出すという事です。しかも表面積は振動板より圧倒的に大きいし。。

もちろんインシュレータも床やスタンドへの振動の伝達を遮断する上では有効ですが、箱表面の振動そのものを取り除いてくれるわけではありません。ちなみにハチマルはAudioTechnica AT6099という結構しっかりと振動伝達を遮断してくれるタイプをデスクとウーハーBOX間、ウーハーとメインSP BOX間に3個ずつ、計12個使用しています。アホみたいに高価ではないし(6個入り4,200円、普通そんなもんでしょう。どう考えても)、理屈もしっかりしているし、測定データで効果を実証しているので超オススメです(実際に効果大)。

僕の場合は、音量を上げると言っても所詮はニアフィールドなので、小っちゃな箱とせいぜいデスク板(ディスプレイも?)の対策だけで済みますが、一般的家屋の部屋に大型システムを置いて「ライブと同等の音量」での再生を行う場合にはタイヘンだと思います。音響的起振と大型/大出力SPボックスの振動による機械的起振によって部屋中のあらゆる物体(壁、床、天井、ドア、建具、家具、額縁、等々)が振動して出すそれぞれに固有の振動数(周波数)の音が無視できなくなるのではないかと考えられます(ましてや微細な音質を追求する方々には。。)。通常の部屋のサイズだと50Hz以下(僕の小さな部屋だと60Hz以下)で定在波によるゲインが発生します(参考記事)。この領域までしっかりとしたレスポンスを持つ大径ウーハーを大音量で鳴らすと、この定在波はかなりのエネルギーを持つと思われ、それこそ部屋を揺るがしかねません。部屋が揺らぐという事は、その中のあらゆるモノも揺らぐワケですから、それらもそれぞれに固有のテンデ勝手な周波数の音を放出します。(締めきった部屋のスピーカーから出された音響エネルギーは部屋の壁や調度類の微小な振動によって熱に変換されて吸収されます。音響エネルギーが大きくなると、それらの振動も当然大きくなり耳に聞こえる程の音を発し始めます。例えば窓硝子がビリビリとか)。

従って音響的な対策が何も施されていない通常の部屋で大音量を出すというのはかなりのリスクを伴う行為であると思われます。そもそも普通の部屋では、内部でそのような大振幅・低周波の空気振動が発生する事なぞ全く配慮されていないはずですからね。大型の機器を入れてそれなりに大音量で再生したい場合には、吸音だけでなく壁面や床/天井およびドア等の建具の強度(制振)にもそれなりの配慮が必要なはずです。ホールとか映画館のドアってゴツイですよね。そんな場所とオンナヂくらいのデカイ音をチッチャナお部屋で出そうってんですから、尋常な事ではありません。いくら高級な装置を使用しても、部屋が何も対策されていないとイッタイ何をやっているのかワケがわからなくなります。音響波をナメタラアカンゼヨ。ってやつです。

と前置きが長くなりましたが、常々僕が不思議に思うのが「そもそも、それほど大音量で再生音楽を聴く必要があるのか?」という事です。

「ライブと同等の音量(耳での音圧)で聴くのが理想」というオーディオマニアの意見をよく聞くのですが、果たしてどうなのでしょうか? その根拠は恐らく「等ラウドネス曲線」(人間の耳は、音量が低いと低音と高音が聞こえにくくなるという特性)と「ダイナミックレンジ」(音量が小さいと記録されている微小な音が聞こえなくなる)あたりにあると思われます。

例えば2本のマイクだけでオーケストラの音を収録し、一切のイコライザー処理を施さずに録音されたソースであれば、この考え方にも納得できます。しかし実際の録音では、楽器に近接設置した多数のマイクロフォンで収録し、スタジオでモニターしながら慎重に各チャンネル(楽器)のレベル調整とイコライジングが行われます。何故このような手間のかかる方法で録音するのでしょうか? この際エンジニア/アーティストはどの程度の音量でモニタリングしながら調整するのでしょうか? さらに言えば、大切な顧客の平均的なオーディオ環境をどの程度に見積もっているのでしょうか?

例のごとくネットでいろいろと調べたのですが、確たる情報は得られませんでした。
断片的な情報ですが。。。。
● スタジオによってモニタ音量は異なるが、それほど大音量ではないらしい(ヨーロッパのスタジオはアメリカのスタジオに比べて音量が低いらしいという情報もあり)。
● ラジカセレベルでどのように聞こえるかも確認するらしい(そういえばSONYのSP一体型CDプレーヤーが多数のスタジオで愛用されていた(いる)という情報もある - 参考記事)

あまり正確な情報が得られませんでしたが、僕が思うに、そんなに高級な装置でなくても、そんなに大音量でなくても十分に音楽が楽しめるようにとのアリガタイ配慮の下に調整されているのではないかと思います。だって、凄いリスニングルームを持っていて「ライブと同等の音量」で再生する人なんか、世の中にそんなに居るわけないですもんね。。どう考えても。

で、そのように調整されたソースを「ライブと同等の音量」で聴くと、もの凄くよく聞こえすぎてキツク感じるのではないでしょうか。また、限られた空間内で聴くので精神的圧迫感も凄まじいと思います(僕にとっては拷問に近いかも)。オーディオマニアの多くが僕から見れば異常なまでに「響き」とか「音場感」に拘るのは、このヘンに原因があるのではないかと推測されます。

以前に、オーディオマニアと音楽家のオーディオ装置に対する嗜好の違いについて議論している板をご紹介しました(参考記事)。そこでは、音楽家は総じて「音場感」に頓着しないという点と、音楽家の装置の音は総じて「キツイ」という点が指摘されています。しかしこれは「音楽家 VS オーディオマニア」というよりは「オーディオマニアではない一般リスナー(ハチマル含む) VS オーディオマニア」の違いと言っても良いのではないかと思います。そして、このような嗜好の違いの主な原因の1つとして「再生音量」があるのではないかと僕は推測しています。

さらに、この「ライブと同等の音量」という考え方の大元には「再生音楽とは生演奏の再現である」という根強い考え方が見て取れます。しかし、多くの一般リスナーは(ハチマルも含めて)「再生音楽とはスピーカー(またはイヤフォン/ヘッドフォン)で好きな時に好きな場所で好きな音楽を聴くためのモノ」としか考えていないと思います(そのような態度が「音楽」を鑑賞する上で「低レベル」だとは全く思いませんし、ましてやマニアのように微細な事に拘る事が「音楽」を鑑賞する上で高レベルな行為だとも全く思いません)。また、上記したように、製作側も正確な「再現」というよりは「オウチで聴きやすく」にかなり配慮していると考えられます。

音量を上げれば上げるほど、装置側の機械的および電気的な面に加えて再生場の音響的な面でも音質低下のリスクが増加します(健康上のリスクもね)。録音されている「内容」がストレスや圧迫感を感じずに快適かつ必要十分に聞き取れるだけの適度な音量があれば、それで十分ではないでしょうか。また、媒体自体もそのように聴かれる事を意図して製作されているのではないでしょうか。

追記
スタジオのモニターシステムや、エンジニア/アーティストの嗜好によっても録音の傾向は結構異なります。ライブ盤(特にジャコの海賊盤)なんかは酷いのもあります。このため、快適音量に調整した上で、デジタルイコライザによる微調整が非常に有効です。

例:
- 60年代のマイルスとハンコックのリーダーアルバムでは、ハンコックの方が低音寄り、マイルスの方がシャープに聞こえるので、僕はイコライザでチョコッと補正する。
- クラシックではジャズに比べて高域をチョコッと落とす。

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テーマ:オーディオ
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2009年05月15日 (金) | Edit |
リスニングルームの音響特性に関しては、基本的にデッドな方が良いという意見と、ある程度ライブな方が良いという意見があるようです。今回はこれについてちょっと考えてみたいと思います。

僕の意見としては、重大な定在波が回避できているのであれば、部屋の反響特性はリスナーのお好みで調整すれば良いんじゃないかと思います。

イヤフォンによる再生では、部屋の反響を受けない全くデッドな状態で聴くことになりますし、ニアフィールドで聴く場合も部屋の影響は極端に少なくなります。僕は雰囲気とか臨場感よりも明瞭性を重視するのでデッドな状態を好む傾向にあると言え、従ってオーディオシステムはスタジオモニタのようになってしまいます。このような条件では音が味気ないといって嫌う方も多いのではないでしょうか。

そもそも録音がどの程度の残響時間のスタジオあるいはホールで行われたのか?マイクロフォンで収録された音に含まれる直接音と反射音の比率がどの程度あるのか?によって丁度良く感じられるリスニングルームの反響特性は変わってくると思います。

例えばピアノ、バイオリン、チェロのトリオ演奏の録音を考えてみます。

1) 3つの独立した録音ブースに各奏者を入れて、ヘッドフォンで互いの音をモニタしながら演奏してもらい、各楽器に対して1つのマイクロフォンを使用して録音した場合 (実際にクラシックでそんな録音方法が行われているかどうかは知りませんが)。
各奏者の定位は2chへのミクスダウンの時に人工的に作られることになります。前後方向の定位は位相の調整で行えると思われます。このような録音では実質的に直接音しか収録されていないので、デッドな部屋で聴くとまるで無響室内で演奏を聴いているように全く味気なく感じるのではないでしょうか。逆にコンサートホール並に音響特性が整えられたリスニングルームではとてもリアルに聞こえるかもしれません。

2) 貴族がかつてモーツアルトの演奏を聴いたであろうお城のとある部屋 (かなりライブ) の貴族達が座ったであろう場所に2本のマイクロフォンを置いてステレオ録音した場合 (このような録音方法も極めて稀らしい)。
この場合は石造りの部屋の反響音がそのまま収録されます。この録音をホールと同等の反響特性を持つリスニングルームで再生すると響き過ぎるのではないでしょうか。逆にデッドな方がその部屋の雰囲気をそのまま感じられるかもしれません(かな?)。

3) 音響特性に優れたとある小ホールで、複数の吊り下げマイクやスタンドマイクを使用して奏者近くの音を収録した場合(多分こういう録音が多いはず)。
この場合は2)よりも直接音の比率が高くなります。従って1)ほどではないにしろ各楽器の音がより明瞭に録音されるはずです。再生音は最前列のかぶりつきで聴いた状態に近いかもしれません。リスニングルームに適度な反響があった方が後方の普通の客席で聴いているのに近い感じを受けるかもしれません。
雰囲気よりも明瞭性を好む僕のは3)をデッドな状態(カブリツキ?)で聴くのを好みます。
ちなみに、このような録音では一般的な客席で聴くよりも直接音が強くなるので、再生すると高音がきつめに感じられる傾向にあるようです。というのは客席で受ける反響音は低音が主体で高音があまり含まれないためです。従って高域をイコライザで減衰させた方が自然に聞こえると一般に言われています。僕も交響曲では1000Hzから20kHにかけて9dB減衰させて聴いています。

いずれの録音方法にせよ、家庭でステレオ再生した時に快適に聴けるように様々なイコライジングや特定の楽器音の強調が行われるのが普通です。いたずらにリアリティにこだわらずに自分の部屋を好みに合わせてチューニングすれば良いんじゃないでしょうか。はなからステレオ再生と生演奏は違うものと考えるべきでしょう。

ウェザーリポート等のエレキ音楽は、スタジオで楽器別に録音した音源を複雑にオーバーダブしたりエフェクトをかけたりして最初からステレオ再生を前提に念入りに作り込まれており、もはや生演奏の代替ではなく全く独立したアートですから、生演奏の臨場感もへったくれもありません。自分の好みに合わせて如何様な状態で聴いても誰も文句を言う筋合いはありませんね。
僕はクラシック (ほとんどベトベン) を聴く場合でも再生音を生演奏の代替とは考えず、作曲者 (ベトベン) を聴くための単なるインターフェイスとして扱う傾向にあるようです。。。て、そんなヤツが書いているオーディオ ブログなので、その辺はさっ引いて読んでやってください。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2009年03月10日 (火) | Edit |
このブログではデジタル信号処理による音場補正の有効性を紹介していますが、長年普通のオーディオ装置を愛用されてきた方にはPC上でマウスとキーボードを使用して音楽を再生したりイコライジング処理を行うのには抵抗があるかもしれません。

そんな方でも一度はご自分のリスニング位置の音響特性を簡単に測定してみてはいかがでしょうか。
もし特性が激しく凸凹している場合は、測定しながらスピーカーを移動したり、リスニング位置を変えたり、絨毯やカーテンで部屋の音響特性を改善したりすると結構大きな効果が得られるかもしれません。

128.jpg
スピーカーからの距離による音響特性の変化(40cmと135cmの比較)
スピーカーから離れるにつれて部屋の音響特性の影響が強くなり特性は凸凹になります。


PCさえあれば測定はお金をかけずに簡単に行えます。
このブログをご自宅でご覧になっている方はコンピューターをお持ちだという事ですよね。であれば1000円くらいの安物のマイクを購入するだけで誰でも簡単に測定が行えます。

マイクはパソコン用の安物で十分です。
087.jpg
ELECOM MS-STM54
定格 20~16,000kHz
1,312 YEN
先端の穴あきキャップとスポンジ状のフィルタを外して
ユニットむき出しの状態で使用しています。
いろいろな条件で測定してみてわかりましたが
20kHzまでほぼフラットな特性を持っているようです。
音場補正の目的であればこれで十分だと思います。
いたずらに高級なマイクを使用する必要はありません。

.
コンピューターも高性能なものは必要ありません。
僕は性能的には現在最低クラスに相当するネットブック(EeePCとか)と同じAtomプロセッサを搭載したONKYO HDC-1Lという音楽用PCを使用していますが、問題無く測定も音場補正も行えます。

ソフトウェアも無料でダウンロードできます。
僕が愛用しているWAVファイル再生ソフトウェアFrieve Audioには音場補正ができないフリー(無料)版があります。フリー版は音場補正はできませんが、音響測定だけなら可能です。測定を行うにはASIOまたはASIO4ALLというサウンドドライバのインストールも必要となるので注意してください。
Frieve Audioのダウンロードサイトはコチラ

音響測定はPCに内蔵のサウンドデバイスを使用して行えます。
サウンドデバイスのフロントスピーカー出力(緑のジャック)またはヘッドフォン出力から「ステレオミニプラグ-RCAx2」ケーブルでアンプの入力へ接続します。もちろんマイクもPCのマイクロフォンジャック(ピンクのジャック)へ接続してください。

測定方法やASIO4ALLドライバの入手方法はこのブログのカテゴリ「Frieve Audioによる音場補正」内に詳しく記載していますのでそちらを見てください。
「補正結果の測定」以外はフリー版もシェアウェア版も操作方法は全く同じです。マイクロフォンについてもそこに書いてありますが、僕は1000円くらいの安物をちょっと改造して使っています。それで十分。

もしFrieve Audioを本格的に音楽再生に使用したいとお考えであれば、音場補正が可能なシェアウェア版(M-Class: 3,200円)を強く推奨します。それと外付けのDACも必要です。PC内蔵のサウンドデバイスは音質的にはかなり劣りますから。

Frieve Audioの本来の用途はWAVファイルの再生であり音響測定は補助的な機能ですが、スピーカーの音響測定用に専用設計された「MySpeaker」というソフトウェアも無料で入手可能です。
MySpeakerのダウンロードサイトはコチラ
MySpeakerはスピーカーの詳細な性能測定が行える多機能な測定ソフトウェアです。もちろんリスニング位置の測定にも使用可能です。僕は使った事がありませんが、なかなか良くできていそうです。興味のある方はどうぞ。

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