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2013年03月09日 (土) | Edit |
通常のステレオソースはリスナの前方に置かれた2本のスピーカを使って再生する事を前提に制作されています。この場合、L(R)側SPの音は右(左)耳にも届きます(つまりクロストークが生じる)。そのような状態で一応自然に聞こえるように作られているという事です。

そのように制作されたソースをヘッドフォンで再生すると、左右耳のクロストークが一切発生しないため、ソースによっては聴きにくくなる事があります。例えば60、50年代のジャズの録音では、各奏者をほぼ完全に左右どちらかのチャンネルに振り分けてしまっている場合があり、僕には少し聴き辛く感じられます。

例えばマイルスのアルバムMiles Smiles(1966)に納められているFootprintsという僕の大好きな曲(ショタさん作曲)では、ロンさん(b)、ハビさん(p)、ショタさん(sax)は殆ど左のSPからしか聞こえず、トニさん(Dr)は殆ど右のSPからしか聞こえません。そして御大マイルス様が中央に陣取っています。ジャズでは個々の奏者の演奏をよく聴き取って楽しみたいので、中途半端に振り分ける事を嫌った結果このような配置になったのかも知れません。

余談になりますが、帝王マイルス様が左右合成のゴースト(錯覚)というのもモッタイナイハナシですよね。僕には2chスッテレオという方式が単に2倍売り上げるためのエーカゲンで中途半端な方式に思えて仕方アリマセン。こんな中途半端なコトするくらいならモノラルにするか、オンジョーとやらがそんなに欲しいなら、あくまでも主役をセンターSPに割り振る事ができるフロント3ch方式(モノラル+オマケのオンジョー用サテライト)にすべきだと思います。

ハナシは戻って、
ヘッドフォン再生では左右音源間で干渉は一切生じず、また音源と耳の位置関係は完全に固定されるため、スピカによる2chステレオ再生とは事情が異なります。しかし、スピカ再生を前提として録音された通常の2chソースをヘッドフォンで再生すると、バンドメンバーが殆ど180°左右に広がるため散漫に聞こえる事があります。ベースのロンさんが左の真横に居てドラムスのトニさんが右の真横に居るワケですからね。ベースとドラムス(特にベース)に他の楽器が乗っかるという感じでジャズを聴く癖がある僕にはあまり聴きやすい状態とは言えません。人間というのは興味のあるものに正対しようとする習性がありますから、バンドがあまり左右に拡がり過ぎるのはどう考えてもヨロシクアリマセン。

なので、以前にも紹介したように、FrieveAudioでヘッドフォン再生する場合はマトリクスで左右チャンネルをミクスするか、ステレオ効果を調整するエフェクタを使って殆どモノラルに近い状態にしていました(参考記事:ステレオソースのバイノーラル化その他のエフェクタのまとめ)。

最近はアルバムアートワークが嬉しくてiTuneをよく使いますが、iTuneは上記のようなエフェクタを備えていません。さてどうするか。。。

1) サウンドブラスタDACソフトウェアのSurround効果を使う
このソフトウェアはTHX TruStudio Proという高機能なエフェクタを備えており、その中の「Surround」という機能を利用できます。この機能は2chソースとステレオ再生装置(ステレオスピーカまたはヘッドフォン)を使って擬似的なサラウンド効果を生成します。ZAPではスピーカ間距離が極端に狭いため、このエフェクタの効果は殆ど感じられません。

しかしヘッドフォン再生ではなかなか有効に使えます。別段サラウンド(囲まれた)ようには感じませんが、調整スライダを50%くらいにしておくと各奏者が少し中央に寄ってくれて具合がヨロシイ。別段不自然な感じもなく全体的な周波数バランスも殆ど変化しません。なかなかの優れものだと思います。あ、テーイの明瞭さは全く気にしない(というか嫌う)ので、そのへんの影響についてはコメントできません。

また、このDACが内蔵しているヘッドフォンアンプの音質自体にも特に不満を感じません。ただヘッドフォンで聴くときにDACの設定をイチイチ変更するのが面倒臭いという理由でDAC内蔵ポタアンを導入したまでです。
Surround.jpg

2) Windowsの「ヘッドホンによる立体音響化」を使う
せっかく買ったSONYのポタアンで内蔵DACを介して再生する場合、当然ですがサウンドブラスタのエフェクタは使えません。この場合、Windows(Vista以降のバージョン)が標準で備えるサウンド機能を利用できます。この機能にはスクリーンの右下隅にあるタスクバー内のスピーカアイコン(ボリューム調整に使うアイコン)経由で簡単にアクセスできます(コントロールパネルからアクセスする事も可能)。

「音の明瞭化」タブ内の「ヘッドホンによる立体音響化」を有効にします。
Surround Win

サウンドブラスタのように効果の強度をスライダで調整する事はできませんが、「設定」ボタンをクリックすると「スタジオ」「ジャズクラブ」「コンサートホール」のいずれかを選択できます。
Surround Win 2
これらによって残響効果が多少異なるようですが、お察しの通り僕は残響効果が最も少ないと思われる「スタジオ」を選択しています。音源の空間的配置に関する効果はサウンドブラスタの「Surround」(50%)と似たようなものだと思います。効果を有効にすると少し音量が上がり周波数特性も少し変化するように感じられますが、そのまま聴き続けていれば特に不自然さも感じません。僕としては残響効果と空間効果を別々に設定できるようにして欲しいですね。

と、以上のようにPCでヘッドフォン再生する場合は必要に応じてステレオ効果を調整できます。しかーーーーし、iPod Classicにはそのような機能はアリマセン。ちなみにiPod TouchやiPadでは音声出力をモノラルに設定できるようになっています。このような機能は片耳の聴力に問題があるユーザ向けに追加されたものと思われますが、モノラル好きの僕としてはファームウェアの更新でiPod Classicにも是非追加して欲しい機能です。贅沢を言えば、擬似サラウンドまでは不要としても左右音声のミキシング度合を調整できるようにして欲しいトコロです。

しかしナイモンは仕方ありません。1つの方法としてiTuneライブラリ内のソースをモノラルにしてしまう事が考えられます。ZAPで聴いている時も殆どモノラルに近い状態ですから、この方法でも良いかもしれません。それに、ソースをモノラルにすればファイルサイズも半分になるので、WAVのままでも全てのコレクションをiPod Classicに格納できます。でも、いまさら面倒クサイしなぁ。。。

もう1つの方法は、iPodのR/Lの出力を短絡してしまう事が考えられます。イヤフォン用の短い延長コードがあるので、途中で左右のラインを短絡してしまえば簡単にデキアガリ。あるいは、単純に短絡せずに適当な抵抗を介して左右のラインを接続すると適度なステレオ効果を残せるかもしれません。。。どうなんでしょうか? ものは試しです。今週末はそのへんでチョット遊んでみたいと思います。

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2011年06月07日 (火) | Edit |
Alpar 6Mを右側に2段重ねにしてモノラルで聴き始めて1週間が経ちましたが、基本的にステレオよりこちらの方が聴きやすいように思えます。なので、そろそろ前方正面にSPを設置できるようにスタンドを検討してみようかと考え中。

最初は右側SP1本だけで聴いていたのですが、せっかく2本あるのだからと、右側に縦2段重ねにして2つのSPでモノラル化した信号(両方で全く同じモノラル信号)を再生してみたところ、1本だけに比べて微妙に違和感を覚えました。微妙なんですが、1本だけの方がホンノリ良い感じがします。音源は干渉が生じないシンプルな方が聴きやすいという事でしょう。

しかし、馬鹿ブーストした場合の低域の振動板振幅を考えると2本にしたいところです(同一音量であれば、SP1本あたりの負担を半減できるため)。そこで、Frieve Audioのイコライザで片方のSPに-6dB/Oct (Fc=200Hz)のローパスを適用し、もう片方の低域を少し減衰させてトータルでほぼフラットになるように設定してみました。これにより高域音は1本のSPだけから出力され、低域音は両方のSPから出力されます。コイツがなかなか具合が良いので、以後ずっとこの状態で聴いています。

「臨場感」というヤツを重視しないのであれば、モノラルの方がエーンチャウ、ホンマニ。という感じ。フルオーケストラでも、左右に拡がらずに一方向から高密度でズドーンと来る感じがかえって良いような気もしないでもない(こっちの方がある意味リンジョーカンというか音に「実体感」あるんちゃう?)。正面に置いて聴いてみるのがタノシミ。

以前、馬鹿ブーストした時にマドンナのNothing Failsという曲で違和感を覚えるという事を書きました(コチラ)。実はこの時に、モノラルで聴くと違和感がなくなる事に気付いたのが、モノラルを真剣に試して見ようと思ったキッカケです。

追記
ステレオ ソースを単純にミックスしてモノラル化する場合、比較的距離を置いて設置された2本のマイクロフォンで収録されたソースでは問題が生じるとされます。これはマイクロフォン間で位相差が生じるためです(例: 右寄りの楽器音は右側マイクに先に到達する)。これに対し2本のマイクを近接して設置するピンポイントステレオ録音や、ミキサで左右に人口的に振り分ける録音方式では問題ないとされます。しかし、それを言い出すと、例えばオーケストラの各所に多数のマイクを設置して2チャンネルにミクスダウンする場合にも同様の事が問題となるような気もするし。どうなんでしょうかねぇ。これについてはまたの機会に考察してみたいと思います。

追記2
やっぱり、お部屋でスピーカーで聴くならモノラル。自然な(似非リアリティではない)ホールの反響感を求めるならヘッドフォンでバイノーラル。というのが落としどころのような気がするなぁ。。きっと、バイノーラルで聴いても、今のステレオ再生のようにはハッキリとは定位しないと思う。実際にホールで聴いている時ってソンナモンだと思うよ。だからバイノーラルにバーチャルなエンターテインメント性を求めるのではなく、ホールで聴く自然な聞こえ方を「音楽の一部として」楽しみたい場合には良いと思う。あくまでも「音楽」をより楽しむのが目的。そこに視覚的な似非リアリティあるいは聴覚による空間認識を追い求めても無駄だと思うなぁ。口のカタチやオーキサがドータラコータラや楽器の定位がアーシタコーシタなんちゅう聴き方をするとバイノーラルでは物足りなく聞こえるかもよ。だってさぁ。。ライブで聴いている時って、お姉さんの口の大きさを耳で聞きわけたり、楽器の定位がアータラなんて全く思いも浮かばないよねぇ。それとオンナジヨーに素直に聴けば良いのよ。スナオニ。


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