FC2ブログ
2010年11月11日 (木) | Edit |
今回は馬鹿ブースト時の低音再生能力について比較してみました。

以前にも度々書きましたが、Alpair5で馬鹿ブーストして聴いていると、大きな低音信号を含む極一部の楽曲で振動板の異常振動が起こって「ブリブリ」と変な音がします。例えばストラビンスキーの「春の祭典」のバスドラ、マドンナの一部のズンドコ(打ち込み?)、ロンカーターの最近録音された盤のソロベース音等で、そのような現象が発生します(参考記事)。で、それを解消すべく100Hz以下だけを受け持たせたバイアンプ駆動のウーハーを導入したというのが今までの経緯です(いわゆる新システム)。

ただ、フルレンジ1発で極低音まで再生してしまう馬鹿ブースト方式の自然な聴感は捨てがたく、Xmaxの大きなAlpair6を導入して「ブリブリ」の発生しない馬鹿ブーストの実現を目指したのが今回のトライアルです。で、目論見通り、Alpair6 MでもPでも上記の問題楽曲を全く「ブリブリ」発生なしで再生できるという事は、既に聴感で確認できました。今回は波形の測定によって、この事実を検証してみます。

下図は、普段聴いている標準的アンプ ボリューム設定で、16ビットの最大振幅40Hz正弦波信号を再生した時の出力音波波形です(SP前方10cmで測定)。一般的に、このような低域でこのような大振幅信号が記録されている事は極めて稀です(参考記事)。
620.jpg
黒がA5です。「ブリブリ」が発生し始めた状態です。波形が正弦波から大きく崩れています。水色は新システムの13cmウーハー、赤がAlpari6 M(メタル)、青がAlpair6 P(紙)です。これら3者は綺麗な正弦波を描いています。なお、各波形間の時間方向の位置関係(位相関係)は不明であるため、波形立ち上がり部で適当に揃えています。

以上から、標準的なボリューム位置では、A6PもA6Mも40Hzフル信号を問題無く再生できる事が分かります。

さらに、ちょっと危険なのですが、
勇気を持ってボリュームを思い切って上げてみました(標準状態からパワーで約2倍強、振幅で約1.5倍)。
621.jpg
13cmウーハーは、全く問題無く正弦波を維持していますが、2つのA6の波形はかなり崩れます。波形の崩れ方はアナログ式のフィルタまたはトーンコントロールを使用した時の崩れ方に似ています。この状態でもA5のように「ブリブリ」と鳴るには至っていません。A6M(赤)とA6P(青)を比較すると、Mの方が若干波形の崩れ方が少ないようです。

最後に、この大ボリューム状態で、以前にも使用したマイルス/Foot Prints冒頭のベースソロ音の再生波形を比較してみました(参考記事)。ポポポポーン4音のうちの最も周波数の低い1音目の波形を下図に示します(中心周波数=約64Hz)。
622.jpg
水色はここではCDの原信号波形です。13cmウーハーの波形はアナログチャンデバによってかなり崩れるので、今回は掲載していません(チャンデバ外して測定するのが面倒だったのよ)。A6M(赤)とA6P(青)は非常に忠実に原信号をトレースしています。このボリュームだとA5の波形は少し崩れていますが、バスレフポートやアナログフィルタによる崩れに比べれば全く大した事はなく(参考記事)、聴感上も問題を感じません。

以上のように、A6MもA6Pも、僕の普段聴く音量であれば余裕を持って馬鹿ブーストに対応できる事が分かりました。これで時々「ブリブリ」に悩まされる事もなくなり、メデタシメデタシというところです。A5は4Lのウーハー箱に組み込んでバイアンプ駆動専用の2Wayスピーカーにする予定です。これだとイコライザなしでも40HzまでほとんどフラットなのでiTuneやDVD再生用に最適ですし(参考記事)、真空管アンプで聴きたい場合にも重宝します(馬鹿ブーでは真空管がすぐに駄目になるのよ)。

さて、馬鹿ブー用にメタルと紙のどちらのA6を選ぶかですが、はやい話、イコライザでフラット化すればドッチデモOK。現在L側/紙、R側/メタルでステレオ再生していますが別に違和感なく聴けます。メンドクサイので当分このママかもしれません(R/Lのレベル差もFrieveAudioは自動調整してくれる)。切り換えながら集中して聞き分けようと努力すれば、前の記事に書いたような多少の違いはあるようですが、音楽を聴いてる時は全く忘れてしまうレベルの差ですし、ブラインドで聞き分けられるかどうかも自信ありません。また、それが聞き分けられたとしても、音楽を聴く上ではあまり重要な違いとは思えません。どちらも長時間試聴しましたが、無意識に気に障るような不自然な癖がなく、必要十分以上のナチュラルでクリアで正確な音楽再生を確保できていると思います。

で、
結論-2: イコライザ使用が前提の馬鹿ブー用にはA6Mを選択し、A6Pは素の鳴りの良さを楽しめるようにと、あるプランを検討中
です。どんなプランかはまだヒミツ。。

次回は、吸音材を少なくした場合の比較結果をご報告する予定です。紙コーンは箱内部の定在波の透過量が大きいと予測しており、これが紙コーンの音キャラクタに大きく影響しているのではないかという仮説を立てています。で、そのへんを検証してみますのでオタノシミニ。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してますにほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2010年10月11日 (月) | Edit |
ご存じのように、僕のスピーカーは吸音材をたっぷりと詰め込んだ密閉型を基本とします。これによってバスレフポートによる位相の乱れやポートからの内部音の放射、コーンを透過して聞こえる箱内部の定在波の音、密閉型に特有の機械的共振によるダンピングの不足した音を抑え込んでいます。オーヂオイヂリを始めて以来、自分の嗜好が明確になるにつれてこの傾向もよりハッキリとしてきました。

一般的にスピーカー自作派(あるいはオーヂオを趣味とする方々)の間では、このような音は「ツマラナイ」音として毛嫌いされる傾向にあるようで、多くの場合吸音材は極力少なくするか全く入れなかったり、箱を適度に響かせたりする事が好まれるようです。そのようにして自分の好みの「音」を追求されるワケですが、これはスピーカーを半ば楽器のように扱うという事かもしれません。

僕はあくまでも装置を「音楽を聴くためのトランスデューサ」として扱うため、そのような傾向のスピーカーを好みません。「音楽」が聴き取りづらくなるため、長時間聴いているとフラストレーションが溜まるためです。僕が求めるのは、「音」に意識を集中しなくても、あるいは半ば無意識でも、「音楽の全体と細部が自然に脳に流れ込む」ような音です。この場合、再生音に明確な「癖」があると、気に障ってフラストレーションを感じ始めます。で。。仕事の合間にデスクトップのスピーカのチューニングを少しイヂル(例えば吸音材を少し増やす)。。。を繰り返して現在に至っています。

つまり、基本的に再生音自体は「水」のように「無味無臭」であって欲しいワケです。しかし、お酒でもお茶でも、適度にミネラルを含んだ名水が珍重されるように、「味覚」としてはほとんど感じられないが酒なり茶なりの風味を引き立てる何らかの特性が重要であるのもまた確かだと思います。僕は「味」ではなくそのような「おいしい水」を求めてドライバーを各種試した上で最終的にAlpair5を選択し、時として多少ガス(炭酸)を含む水がおいしく感じられるように、状況に応じて真空管アンプを使用したりしています。

と、このような事を書いたのは、これから行うAlpair6のコーン比較でも、主にそのような観点から好みのコーンを選ぶ事になると思うからです。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してますにほんブログ村
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用