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2012年05月08日 (火) | Edit |
今回は最終型ZAPシステムの計測結果と設定についてご紹介します。

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調整は「Gain」(音量レベル)、「Freq」(ローパス フィルタのカットオフ周波数)、「Phase」(正相/逆相の選択)の3箇所で行います。

Mode 1:  Frieve Audioを使わない場合
いわゆる一般的なアドオン式サブウーハとして使う場合の設定です。これはiTune、ネットラジオ、DVDやCDの直接再生等、Frieve Audioを介さない再生用に使います。マドンナを聴きながら聴感で良さそうな設定を探した後に測定してみました。
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青がAlpair 6Mのみ。赤がAlpair 10をアドオンした状態です。正相で接続しています。クロスオーバーは約100Hz。40Hzまで十分に再生してくれます。

Mode 2: Frieve Audioを使う場合
1本の小径ドライバで音楽のほぼ全帯域を位相遅れ皆無で再生してしまうという、他では得られない馬鹿ブースト方式の良さをできるだけスポイルしないように、50Hz以下の超低域だけをサブウーハで補うモードです。50Hzまでのブーストであれば、Alpair 6Mは十分な再生能力を持っており、大信号時に問題が生じる50Hz以下の超低域だけをサブウーハで補います。Alpair 10は、例の「春の祭典」の超絶バスドラ(35~40Hzのほぼフルスパン信号)も難なく再生してくれるので、矢でも鉄砲でも持ってきやがれです。
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青が50Hz~8kHzでフラットに補正した状態、赤がこれにサブウーハをアドオンした状態です。「Freq」(サブウーハーのカットオフ周波数)は最低位置(左に回しきった状態)です(実際のクロスオーバーは約50Hz)。「Gain」は上記の1)の場合と同じです。こちらも正相で接続しています。今までイロイロ試した中で間違いなくベストの結果が得られました。

小音量で聴く場合、人間の耳には低音が聞こえ難くなりますが、サブウーハを調整する事によって簡単に補正できます(ラウドネス補正)。プレートアンプの操作パネルを背面ではなく前面に向けて取り付けたおかげで、例えばベースラインが聞こえ難いなと感じた時に、仕事を中断する事なく左手をちょいと伸ばして調整できるので頗る具合がヨロシ。 基本的にMode 1では「Gain」を調整し、Mode 2では「Freq」を調整します。窓を開けて仕事する事が増えるこれからの季節、音量をあまり上げられないので重宝しそうです。

という事で、ZAPシステムの開発はここに完全終結しました。

今までの経験から、これ以上イヂッテも、ちょいとした気分や体調や環境騒音等の変化でグルグル同じところを周りそう(富士の樹海)なので、あくまでも「音楽」を聴くための「道具」として扱う場合、これ以上深入りせぬ方が賢明との判断です。

諸々の物理的および心理的な周辺条件の変化による音の感じ方の変動幅(耳の聞こえ具合だって血圧や気圧によっていつも同じではない)に埋もれてしまいそうな微小なオンシツのチガイに拘り始めるとキリがありません。例えば、二者を短時間で切り換えて直接比較すれば、微小なチガイを聞き分けられるのでしょうが、一部の楽曲のそのまた一部のパートを聴き比べて、その時の「好み」や「気分」でどちらかの方が「良い?」として選んだとしても、その差が極めて微小であり「良い?」の基準ももっぱら主観によるため、さらに、比較の条件が限られているため、周囲条件や体調や気分や楽曲が変われば、また違って感じられ、結局、何かを変えてはまた直接比較して「良い?」方を選ぶといった行為をひたすら繰り返すはめになり、「良い?」の拠(よりどころ)となる確たる基準もないため、どんどん高額商品に手を出し(値段だけは数値で表せる、「高価な方が良い?はず」という思い込み)、それでも少しずつ確実に「良い」方向に向かうならまだしも、所詮はその時々の「好み」や「気分」の問題なので、一周して元と同じような状態に戻っても気付かず(しかし装置は確実に高額になっている)、何周でも同じところをグルグル回る富士の樹海を彷徨う事になりがちではないかと思います。まぁ、それ自体を「趣味」とするならば、それが楽しいのであれば、それはそれで結構な事だと思いますが、あくまでも実用道具として扱う場合、その轍を踏む事は絶対に避けたいものです。

本システムはオーディオ自体を「趣味」とするヒトビトが求めるいわゆる主観的な「良い?音」(「ヒビキカン」「オンジョーカン」「リンジョーカン」「クーキカン」「オンガクセー」「ジョーカンノツタワル?」「ゲージツテキナ?」「イヤサレル?」等の嗜好的、趣味的、表層的、付帯的なナンタラ感やカンタラ感)は一切持ち合わせていません。媒体に記録されている音楽情報をできるだけ正確に、余計な事をせず素直に「耳」に届ける事を旨としています。手っ取り早く言えば、カナル型イヤフォンの聞こえ方に近付ける事を目標としたという事です。

装置ソノモノへの拘り、微細な表層的オンシツのチガイの聞き分け、「あたかも生演奏のような」リンジョーカンやオンジョーカンのツイキュー等に興味はなく、媒体に記録された「音楽」(表現者の表現の結果、音楽のホンシツ)を専ら興味の対象とする場合、そのように素直に再生するのが最も「音楽」を聴きやすく、従ってホンシツにアクセスしやすく、自然で違和感がなく、従って本来の「調和」を保って美しく聞こえ、長時間聴いても疲れず飽きないというのが、3年間イロイロやった上でのハチマルの結論です。基本的にオーディオ装置には、表現者と鑑賞者の間のコミュニケーションを媒介するためのインターフェイスとして、正確に機能する事を第一に求めます。

「良い?」オトとやらで鳴らすために、あるいはオンシツやリンジョーカンをツイキューとやらするためにオーディオ装置を使うのではなく、アーチストさんが遺してくれはった音楽表現に素直にアクセスするためにオーディオ装置を使うと言う事です。全くアタリマエですが。。。

ご覧のように、このような超小型の密閉型システムでも40Hzまで難なく再生できます。このような装置は、大多数のユーザの現実的な使用環境において、巨大で高額なハイエンド装置よりも、「真の意味」での高い再生クオリティで、「音楽」をリスナーの耳に届ける事ができるでしょう。すなわちリスナーは「表現者の行為の結果」をより容易により深く受け止める事ができるでしょう。

マンションの一般的な個室であれば、余程の大音量を求めない限り、このクラスのシステムで全く十分だと思われます。だいたい、ご近所や同居人の事を考えれば、また、一般家屋の構造を考えれば、100dB近い大音量を鳴らせる環境などめったにないはずですし、再生音楽をそのような大音量で鳴らす必然性についても甚だ疑問です。音楽演奏専用に入念に設計された広々としたホールとは音響的および心理的に全く異なる一般家屋の、平行面で囲まれた直方体の小さな閉鎖空間の内部で、そのような大音量を鳴らせば、真っ当な感覚を持った人間であれば苦痛に感じて音楽を楽しむどろこではないでしょう。ほとんど拷問です。もちろん健康にも良いわけがありません。

追記
あえて「音」で「遊ぶ」なら、直熱式の真空管アンプを使ったモノラルシステム(一体型のラヂオみたいなのも良いかも、iPod用)を一度試して見たいとは思いますが。。結局使わなくなりそうで。。。ガラクタ増えるの嫌だし。。。。とりあえずTU-870 (モノラル化)とAlpair 6P (タンデム)で試してみるかな? そのうち。。。

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2012年05月06日 (日) | Edit |
久々のオーディオねたです。今日は写真だけ。

重い腰を上げてZAP BAS君をお化粧直ししました。これで完成!

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final1.jpg
バッフルにZAP本体と同じ本革を貼りました。本体の方はグレーで塗装していますが、こちらは未塗装のチョコレート色のままです。

final99.jpg
アンプの筐体を合板で自作して側面に固定しました。もう少しコンパクトにまとめたかったのですが、これが限界です。後方は電源トランス。天井にはクッションシートを貼って、上に物を置けるようにしました。

final3.jpg
操作パネルはインクジェットで作成。

これが3年間やったLEANAUDIOトライアルの結論。「音楽」を聴くだけのための必要にして十分なミュージック マシーンの完成です。iTuneやネットラジオ等、ソースを選ばずに十分な低音まで再生できます。Frieve audioを使う時は、基本的に8kHz~50Hzの範囲でフラットに補正し、50Hz以下の領域でサブウーハーをほんのりと効かせるといった使い方に落ち着きそうです。通常のジャズやロックでは大した効果はありませんが、春の祭典やマドンナ等の超低域に強い信号を含む一部の楽曲では具合よろしく聞こえます。次回は計測結果を交えて、そのへんをご紹介します。

追記1
連休中に不要物を思いっきり処分しました。大量に保管していた写真プリントは、コンテスト受賞作品やギャラリー展示作品を残して全て廃棄(全て画像データで残してある)。すさまじい量があったので、部屋の収納スペースが一気に広がりました。3年間でたまったオーヂオ関連のガラクタも一気に処分。改造したプレートアンプが正常に作動する事を最終的に確認できたので、不要になったチャンデバと業務用アンプも読者プレゼント用に既に梱包しました。これに関しては近々お知らせします。オタノシミニ。

追記2
5本指シューズに薄い中敷きを入れたところ舗装路でも走れなくはない状態になりました。それで調子に乗って野川公園までの一般道も5本指を履いたまま走って行ったところ、帰り道で右足のふくらはぎ(内側上部)に軽い肉離れを起こし、バスで帰宅しました。普段の生活にたいして支障はないのですが、違和感が完全になくなるまで、おそらく1月かそれ以上はランニングを控えた方が良さそうです。ネットで調べたところ、5本指シューズを履き始めた頃にふくらはぎを痛める方が多いようです。今まで使っていなかった足指(特に親指)を積極的に使うようになるので、鍛えられていなかった部位に負担がかかるためだと思われます。ということで、先週からスイムを再開しました(ほとんど半年ぶりです)。2kmくらい泳ぐのですが、最近の筋トレのおかげで明らかに速度が上がっています。ライバル?のオバチャンにあおられる事ももうありません。

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2012年02月22日 (水) | Edit |
ゼンゼン気が乗らないので、なかなか作業が進まなかったZAP BASS君ですが、やっと音を出せるようになりました。

慣らし中です。実は、Alpair10をまたブリッバリ!とやってしまって、さらにシワシワに。ドシェー。。なんとか指で扱いてシワを目立たなくしましたが、やはり見るに堪えず、もう1個新品を購入しました。新品では、もう絶対に実験君はやらない!と誓ったのですが、以前から考えていたあるアイデアを試してみたくて、結局マタマタ危険な実験君です。この性分だけは抑えようがありません。。。。

superBass.jpg
上のAlpair10は置いてあるだけではありません。2次の高調波歪みを改善するためのヒミツメカです(たぶん既知の技術だと思う)。振動板面積がダブルになるので、2次だけでなく全体的に歪みが減るはずです。別に1発でも全く余裕でOKなのですが、シワシワ君を使わないのもモッタイナイという貧乏人根性と、効果を確認したいという実験君根性から、こういう事になってしまいました。たんなる技術的興味だけ。。

慣らし後、計測したらまたご報告します。オッタノシミニ!

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2012年01月26日 (木) | Edit |
ご無沙汰です。仕事の合間にゴニョゴニョとやってました。
で、現在こんな状態です。。というのが今回の内容。

テキトーに調整して聴いていますが、非常にヨロシかと思います。今まででベストかもしれません。これから計測しながら微調整します。

今回はとりあえず写真だけ貼っておきます。ご覧ください。

_1000129.jpg
リスニング位置からの眺め

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New ZAP君と仲良しのピジョン君。Icon AMP君は直結です。Alpair 6MのフランジとIcon AMPのケースの色もお揃いになりました。

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新しい仲間ZAP BAS君。Alpair 10のフランジの色もお揃いに。。

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左からヘッドフォンアンプ、おなじみパッシブプリ(トグルSWが2つ付いてますね)、真空管バッファ、お仕事PC用のDAC(5.1ch対応だよ、DenDAC壊れたので)。手前のは超小型のワイヤレス キーボードです。

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デスク左横。上から、USBディスプレイと音楽用PC、ウーハ駆動用パワーアンプ、チャンデバ、電源ユニット(買ったよ)。このへんはもっとリーン&コンパクトにしたいですね。

。。。。という状態です。

これから順次詳しくご紹介します。

オッタノシミニ!

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2011年12月04日 (日) | Edit |
Frieve Audioの自動音場補正は、「周波数特性」と「位相特性」の両方を補正してくれます。すなわち周波数ドメインと時間ドメインで補正してくれるという事です。これらの補正は別々にON/OFF可能です。「周波数特性」の補正効果はF特グラフを見れば直ぐに確認できますし、聴覚でも比較的容易に効果を実感できます。これに対し「位相特性」の補正効果は簡単には確認できません。

アナログチャンデバを介する2.1システムやバスレフ型では、位相の遅れによって特にピチカートベース音で違和感を覚え、波形でも簡単に確認できました。しかし、密閉型馬鹿ブー方式では位相特性の補正をOFFにしても違和感を殆ど感じません。今回の実験君レポートでは、馬鹿ブー方式で位相補正がどの程度影響しているのかを検証すると共に、比較のためにヘッドフォンで初の計測を試みました。

以前は、ベースソロの信号を使用して密閉、バスレフ、サブウーハー方式で位相遅れ補正効果を確認しましたが、今回は密閉型馬鹿ブー方式だけを対象に、高音楽器の音も混じった信号を使用して、より明確に補正効果を確認しました。

サンプルに使用したのはマイルスのMadnessという曲です。ロンさんのベースとマイルスのトランペットがうまく重なっている部分を抽出しました。下がその波形とスペクトルです。
波形
Madness.jpg
約55Hzのロンさんベース音に、約520Hzを基音として綺麗な倍音を含むマイルスのペット音が重なっています。

部屋の反射波の影響を小さくするために、マイクロフォンはスピーカ前方約10cmに設置しました。下はFrieve Audioが計測したAlpair 6Mの位相遅れ特性です。
位相遅れ
密閉形であっても、周波数が下がるほど位相が遅れます。バスレフ型の場合はもっと大きく遅れます。500Hz近辺の位相の乱れは主にデスクトップからの反射によるものです。

それでは、波形を比較してみます。グレーが信号波形、赤がスピーカ出力波形です。再生音量はハチマルの実用上限音量です。クリックで拡大してご覧ください。

● まずは全く補正していない波形です。
位相 OFF OFF
なんだかゼンゼン違いますね。


● 周波数特性と位相遅れの両方の補正をONにしました。補正範囲は20Hz~20kHzです。
位相 ON ON
嘘みたいにバッチリ合っています。ここまで一致するとは、ちょっと予想していませんでした。


● 位相遅れ補正だけをOFFにしてみました。
位相 ON OFF
低周波数のベース音がトランペット音に対して遅れている事がよくわかります。ペットの波形もなんだか変ですね。


● 今度は位相補正をONにして周波数特性補正をOFFにしてみました。
位相 OFF ON
ペットの波形はかなりソース波形に近付きましたが、低域がブーストされないのでベース音が弱まって、全体的に平らな波形となっています。


● 最後に、SONYの高級密閉形モニタ ヘッドフォンMDR-Z1000でも計測してみました。マイクロフォンは例のバイノーラル録音用です。初のヘッドフォン再生での計測です。
ヘッドフォン
さすがですね。もちろん全くの未補正です。何の苦労もありません。再三申しているように、ヘッドフォン/イヤフォン再生はスピーカ再生に比べて「圧倒的に高音質」であるという事をご理解いただけると思います。でも、波形を詳しく見るとベースが若干進み気味です。

下はFrieve Audioで測定したヘッドフォンの位相遅れ特性です。
HP位相遅れ copy
やはり低域で位相がわずかに進んでいます。こんな事ってあるのね?

下はヘッドフォンのF特です。
HP F
このバイノーラル用マイクの周波数特性はあまり信用できません。特に高域の特性は全く信用できません(マイクの表と裏の両方で音を拾う構造であるため、耳穴の気柱振動が影響している模様)。聴感では、カナル型イヤフォンや馬鹿ブーフラット再生よりも低音がブワッと出過ぎる気がしていたのですが、やはり低音が盛り上がり気味ですね。しかし、そのおかげで、40Hzまで中域と同等レベルのレスポンスが確保されています。Frieve audioで500Hz以下をフラットに補正すれば、馬鹿ブーやカナル型イヤフォンとと比べて違和感のない低音を聴けるかもしれません。

と言う事で、Frieve Audioの音場補正により、周波数ドメインだけでなく時間ドメインでも、密閉形モニタヘッドフォンに匹敵する非常にクオリティの高い音楽再生を実現できるという事を再確認できました。非接触型ヘッドフォンを標榜するLEANAUDIOニアフィールド方式の面目躍如ってとこですね。

Alpair5を使っていた頃は、アナログチャンデバを介してサブウーハーを使用すると、大幅にウーハーの位相が遅れたため、位相遅れ補正をOFFにすると時々違和感を覚える事がありました。しかし、密閉型の馬鹿ブー方式の場合、OFFにしても殆ど違和感を覚えた事がありません。ですので、OFFにするとこんなに波形が崩れてしまうという今回の結果には逆にちょっと驚きました。ONにした場合の弊害というのも特に感じませんし、CPU利用率もほとんど増えないめ、今後も位相遅れ補正ONを標準設定にしたいと思います。

オーディオを趣味とされる方々は、こんなのツマラナイと思われるかもしれませんが、このように「音楽再生クオリティ」を高める事によって、「音楽」(アーチストさんがやらはった事)を非常に聴き取りやすくなります。また、僕には「音」自体も癖や違和感のない素直で自然な、従って美しい、「響き」方に聞こえます。これはマイクで拾った波形が素直にそのまま耳に届くからだと思われます。例えば、録音されたストラディバリの響きを本当に味わいたいのであれば、倍音をタップリ含んだ精妙極まりない波形を出来るだけ正確に耳に届ける以外に方法はないはずです。

今回驚いたのは、密閉型スピーカであっても、位相を補正しないと、トランペットの各倍音成分の波形の時間的順番がソースとは異なっているよう見える事です(スペクトルは同じはずですが、波形が全然違って見える)。僕の耳では同じようなペットの音にしか聞こえませんが、電線の違いを聞き分けられるくらい耳の良い方には違いが分かるかもしれません。例えば、ストラディバリの微妙な響きを真剣に聞き分けようとする場合、このへんの波形の崩れはどの程度影響するのでしょうか? (僕にはそこまで聞きわけようという熱意はありませんが。。。)

スピーカとしては最もシンプルなフルレンジ1発でも、スピーカの位相特性によって、このように大きく波形が変形しているというのは驚きです。アナログフィルタを介したマルチウェイ方式の状態は「推して知るべし」ではないでしょうか。

対して、ヘッドフォンでは、何の苦労もなく非常に正確な波形を耳に届けられるという事が、今回の計測で実証されました。ヘッドフォン/イヤフォン再生は、テーイがドータラコータラを無視してしまえば、めっちゃ気持ち良いですよ。ホンマニ。特にベトベン交響曲はヘッドフォンで聴く方が好きだな、未だに。。。。真面目なバイノラル盤出ないかなぁ。。でも、長時間の装着が鬱陶しいのよね。。。

LEANAUDIOでは、常にカナル型イヤフォンの聞こえ方をリファレンスとしてきました。そこそこ上等のカナル型イヤフォンなり密閉型モニタヘッドフォンを真剣に聴いた事のない方には、一度じっくりと聴いてみる事をお薦めします(あんまりジョートーなやつはジョートー感を演出している可能性があるので、イヤフォンなら1マンエン前後のクラスが適当かと思います)。僕はジョートーすぎるヘッドフォンを買ってしまった事を少し後悔しています(超特価を見付けて衝動的にポチしてしまったのよ)。多くのスタジオで愛用されているMDR-CD900STくらいにしておけば良かったかもしれません。ハチマルはVictor製のダイアフラムがトップマウントされたタイプのカナル型イヤフォン(HA-FXC71、6K円くらい)をリファレンスとして使用しています。外出時およびジョギング中も、いつもこいつを愛用しているので、ボロボロになってきました。値段も手頃ですのでお薦めします。

ヘッドフォン/イヤフォンで定位に違和感を覚える方は、モノラルにして「オンジョー」とか「テーイ」を気にせずに「オンガク」を聴いてみてください。何か新しい発見があるかもしれませんよ。ハチマルもソースによってはモノラルで聴いています。

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2011年10月30日 (日) | Edit |
前の記事からの続きです。

「アーチストさんの言うてはるコト、やらはったコト」を漏らさずしっかりと聴き取って感じ取りたいというのがLEANAUDIOの最も基本的なモチベーションであると書きました。基本的にオンシツ?ではなく音楽再生クオリティを求めるという事です。

LEANAUDIOはそもそも、カナル型イヤフォンで音楽を聴いてショックを受けた事に端を発し、以来その聞こえ方をリファレンスとしてデスクトップシステムを開発してきたという事は、今まで再三述べました。また、マイクロフォンと同等あるいはそれ以下の極小ダイアフラムを使用し、ダイアフラムと鼓膜との間で密閉された極少量の空気だけをドライブするイヤフォンあるいはヘッドフォン方式は、ダイアフラムとリスナーの間に部屋という巨大な影響を持つ音響空間が介在し、その巨大な量の空気を駆動するためにマイクロフォンに比べて巨大な振動板を巨大なパワーで駆動せねばならないスピーカ方式に比べて、原理的に圧倒的に高音質である(音楽再生クオリティが高い)という事も述べました。ただ、仕事中に長時間イヤフォンやヘッドフォンを装着する事は耐えられないため、デスクトップシステムの開発に着手したという事です。結果として、従来のスピーカ方式とヘッドフォン方式の中間的存在である超ニアフィールドスタイルに帰結したのは当然の成り行きと言えるでしょう。

その経緯を振り返ってみたいと思います。

当時使用していたDENONのCD/MDコンポのスピーカは、結構立派に見える2way/13cmウーハー/6Lバスレフ型でした。しかし、カナル型イヤフォンの正確な再生を知った僕には、とても耐えられる代物ではありませんでした。メチャクチャ音が不明瞭(ブワブワのモゴモゴ)で音楽を聴くに堪えないため、こいつを破壊した時点からLEANAUDIOトライアルが始まります。

dmg33m.jpg
DENON ラビシアDMG-33というやつでした。口コミでは評判良かったのですが。。。

それまでに使った装置の中では、おそらく3"クラスのフルレンジを搭載していたであろうSONY製の高級な一体型CDプレーヤZS-F1が最も聴きやすかった事から、3"のフルレンジドライバが良かろうと判断し、これを破壊したスピーカボックスに取り付けてバスレフ型を作製しました。このスピーカボックスは低音再生時に不快極まりない振動を出す事が分かっていたため、徹底的に補強も加えました(このため容量は6Lから4Lに減少)。

zs-f1.jpg
名機とは知らず酷使したSONY ZS-F1。
多くのスタジオでモニタ用として使用されたらしい。いまだにエッジを貼り替えて使っている人もいるようだ。捨てるんじゃなかったなぁ。。。

各種3"ドライバを試聴した上でF80AMGメタルコーンドライバを選択し、バスレフのチューニングに手を尽くしました。しかし、カナル型イヤフォンで本当の低音ビートを知ってしまった僕には、どうチューニングしても低音(特にピチカートベース)の聞こえ方に満足できず、よく聞こえるようにしようとするとポートに吸音材を少しずつ詰める事になって、最終的に密閉型になってしまうというプロセスを何度も繰り返しました。容量が大きすぎるのかと想い、2.5Lのポチ型ボックスを作って、背面ポート、側面ポート、スリットダクト、超ロングダクトと手を尽くしましたが、結局徒労に終わりました。

という事で、バスレフ型はあきらめて密閉型とし、低音の不足を補うために小型のパワードサブウーハーを購入し、最初はblue skyの言うように床に置きましたが、デスクトップに置いた方が断然自然に聞こえたため、デスクトップサブウーハー方式でしばらく満足して聴いていました。この頃は計測しておらず、専ら聴感によるチューニングをしていました。

ただ、サブウーハーが正しく調整できているのか計測したくなり、ネットでいろいろ調べた結果、Frieve Audioという素晴らしいソフトウェアに出会うことができました。サブウーハと組み合わせた状態で音場補正を適用する事により、30Hzまでフラットなレスポンスおよび位相特性が得られ、目標としていたカナル型イヤフォンの聞こえ方に一気に近付く事ができ、LEANAUDIOの基礎が固まりました。

002b_20111030121834.jpg
なつかしいなぁ。サブウーハーのポートは最終的に粘土で塞ぎました。

その後、F80の明瞭さにやや不満を覚え、ツイータ等を追加してみたりした後に、Alpair5と出会い、そこから馬鹿ブースト+吸音材タップリという第2段階が始まった事は、最近の記事で述べた通りです。元々サブウーハーの使用を前提にAlpair5を選んだため、ブースト時の超低音のタフネスには限界がありましたが、逆に限界の低いAlpair5であったればこそ、ブースト方式に関する様々な知見を得る事ができました。

さて、Frieve Audioの音場補正とAlpair5の馬鹿ブーストにより、「音楽」の聞こえ方はますます目標とするカナル型イヤフォンに近づきましたが、僕自身、なんでこんな事が可能なのか、こんな極悪非道な方式で本当にまともに音楽を再生できているのか検証する必要性を感じたため、この頃からソース信号の解析や、スピーカからの音響波形の解析を試みるようになりました。

計測した物理特性ばかりに頼って開発したかのように思われがちなのかもしれませんが、最終的に馬鹿ブーストに辿り付くこの時点まで、計測と言えば、Frieve Audioの音場測定だけしか行っていません。これによって部屋の定在波の凄まじさを知ることができ、ニアフィールドリスニングの優位性を確信しましたが、それ以外は「聞こえ方」(主に違和感、不快感、不明瞭感を感じないかどうか)を頼りに開発を進めてきたという事です。ただ馬鹿ブーストが十分に実用に耐えると確信した時点で、それまでのLEANAUDIOアプローチの妥当性を後追いで確認しただけの事に過ぎません。

225_20111030122018.jpg
サブウーハーを撤去、F80はスタンドとして使用

なお、このような評価では、少なくともスピーカからの音響波形、理想的にはリスニング位置での音響波形(すなわちシステムの最終出力点)で評価する事が重要です。アンプでいくら矩形波が正確に再生されたとて、スピーカは絶対に矩形波の音響波形を出力できません。最も最初の入力である「ソース信号波形」と最も最後の出力である「リスニング位置の音響波形」を比較評価する事によって本当のシステム全体の再生クオリティを評価できるという事です。基本的に、電気信号を機械運動に変換してさらに音響現象に変換しなければならないスピーカがハードウェア システムのボトルネックとなり、さらに、スピーカとリスニング位置の間には、如何ともし難い厄介極まりない部屋という空間が介在し、特に低音の波形を大きく歪ませます。つまり、アンプ出力点(スピーカ入力点)からリスニング位置までの間の伝達関数が「音楽再生」に最も大きく影響するという事です。現代の技術で作られたアンプの歪みや周波数特性で究極を極めたとて、システム全体に対する影響は微々たるものでしょう。だからイチマンエンのアンプとサンビャクマンエンのアンプをブラインドで評価したらイチマンエンのが勝ってしまうてな事は条件次第でいくらでも有り得ます(でも真空管アンプはスピーカに次いで音の好みに合わせたセレクションを楽しめる因子だとは思う)。

Frieve Audioの自動音場補正は、ソースからリスニング位置までのシステム全体の伝達関数(ゲインと位相)を正確に補正(すなわちキャリブレート)してくれるという点で極めて理に適っており、真っ当に「音楽」を聴こうとする者にとって必須の機能であると言えます(オンシツ?ではなく音楽再生クオリティを飛躍的に高めてくれます)。

ちょっと脱線しました。話を元に戻します。

一連の追認試験の結果として下記を確認できました。

- バスレフポートによるピチカートベース波形の崩れ、位相遅れ
- アナログフィルタの位相遅れによるピチカートベースの波形の崩れ
- 吸音材を入れない場合の箱の定在波の発生(これは振動板を透過して前面に放射される)
- 吸音材を大量に入れる事により、ドライバの機械的共振が抑制されること(特に真空管アンプで顕著)
- Frieve Audioで補正したピチカートベース波形が位相も含めてソース信号波形に極めて正確に一致すること
- Frieve Audioの位相補正によってアナログフィルタやドライバ自身の影響で遅れた低音を極めて正確に補正できること

以上の結果は、「音楽を聴いている時に違和感を覚えた現象は波形で簡単に確認できる」という事、また、「音楽の聞こえ方を頼りに実施してきた各種方策によってそれらの問題が正しく解消された」という事を如実に示してくれました。また、これらの多くは、主に低音再生に関するものであり、この科学技術が進んだ現代においてすら、一般家庭用オーディオ装置が未だに抱える「音楽再生装置」として未解決の根幹的(カンセーがアーダコーダ言う以前のずーーーーと基本的な)かつ巨大な問題であると言えます。僕が最近オーヂオに手を染めて以来、未だに不思議なのは、アナログだ、デジタルだ、デンセンだ、ハイレゾだ、超高音だ、ナンチャラ感だ、ナンダカンダとやたらコマケー事に拘る以前に、「オンシツ?」にさして拘らぬ僕ですら「音楽」を真面目に聴こうとした時に「聴感」で確実に違和感や不快感を覚えた上記の「音楽再生クオリティ」上の根本的大問題に、業界もマニアもさして目を向けようとしないという点です。なして????

僕は何もブツリトクセーとやらを頼りに開発してきたわけではありません。上記問題はデスクトップシステムの開発に着手して真っ先に「聴感」で違和感を覚えて対策した現象であり、それを後から計測で(といっても極めて雑で簡単な方法で)追認したに過ぎません。これらはカンセーだブツリトクセーだがどーだこーだのレベルの問題ではなく、あまりに明白な超基本的問題です(というかずっと放ったらかしにされてきた超古典的問題。僕が中学生の頃に読んだオーヂオ誌にアタリマエのように書かれていた問題)。。わざわざ御大カンセー様のお出ましを願う程のものではゴザイマセン。ホンマニ。

例えば、メタルコーンのAlpair6Mと紙コーンのALpair6Pを自動音場補正でフラットに補正すれば、全く同じF特で比較できますが、やはり「音調」は微妙に異なります。この違いを波形で明らかにしようなどとは微塵も考えた事はありません。余程精密な計測をしない限り明らかな事は分からないでしょうし、それが分かったとしても、僕は「聴感」で好ましく感じられるメタルコーンを選ぶ事に変わりないからです。

また、僕は正弦波の再生を評価する際に、高調波歪み率が何パーセントかという値を提示しません。波形を見て「概ね」見慣れた正弦波の形をしていれば、音の方も「概ね」正弦波のブー音に聞こえるからです。これは明らかに正弦波ちゃうねと言える程度に波形が歪んだ時は、明らかに音も異なって聞こえます。同様に、実際の楽曲のビートの再生波形が「概ね」ソース波形に一致すれば、「概ね」カナル型イヤフォンで聴くのに近いビシッとタイトな気持ち良いビート音に聞こえます。それ以上精密な測定を行って深追いしても実用的なメリットはたいして得られないでしょう。必要十分な「概ね」を見切る事がいずれの場合も重要です。

もちろん「音楽」に限らず芸術は感性の領域です。これを楽しむにあたり、まずは「理性」や「知識」は邪魔ものとなります(だから僕はモードチェーンジする)。しかし、これを伝達するためのオーディオ装置は物理法則に従う厳然たる電気機械装置です。基本的に感性の領域は装置の両側(すなわち表現者側と鑑賞者側)にあり、装置は両者の橋渡しをするものです。基本的技術領域において技術者の透徹した理知的アプローチがまず重要である事は言うまでもありません。もちろん、どのような機械であれ(たとえ最新のハイテク戦闘機であれ宇宙船であれ)、そこには人間としての開発者の思想や感性が反映されますし、またメーカとしてのブランドイメージも重要でしょう。それはどの業界も同じです。ユーザはそれらの個性の中から、自分の好みの製品を選べばよろしい。しかし、開発者はいたずらに「カンセー」あるいは「シュミ」の領域に踏み込んで本来の根幹的な部分(いったいこの製品は何のために存在するのか、この製品は社会にどのような貢献をもたらすものなのか、この製品に求められる最も基本的で重要な機能は何なのか、この製品が伝達しなければならない音楽とはいったい何なのか)での進化を疎かにしてはならないと思います。

オーティオ装置とは何もオーディオそのものを趣味とする人々のためだけにあるのではないという事です。鉄道でも、カメラでも、時計でも、自動車でも、自転車でも、航空機でも、パソコンでも、最近は一般家電でも、果ては銃器でも兵器でもなんでも、本来の用途とは離れてそれ自体に強い美意識を持ちそれ自体を趣味とする限られた数のマニアと呼ばれる層が必ず存在し、一定規模のマーケットを形成しています。しかしマニア層が好むと好まざるに関係なく、本来の用途でそれを必要とする圧倒的大多数の人々のために技術は進化しています。交通機関に関しては安全性と経済性の追求に終わりはありません。マニアがSLをどのように懐かしもうが鉄道は進化するという事です(リニアの必要性は疑問ですけどね)。中には、これ以上便利にせんでもエーンチャウ?という分野もありますし、兵器なんぞ金輪際進化して欲しくはありません。しかし、民生用オーディオ分野では、人々のために根本的に改善されなければならない基幹的技術領域(ネットワークだ、ハイレゾだあるいはやたらコマケー オンシツ?だ以前の基本的音楽再生能力(小型化/低価格化を含む)の領域)が随分放ったらかしにされているような気がしてなりません。。

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2011年10月12日 (水) | Edit |
英語版に掲載したデータを転載します。

僕のコレクション中で最強の低音信号であるストラビンスキー「春の祭典」(シャイー指揮/クリーブランド)の超絶バスドラをなんとかやっつけたどー。という自己満データです。

haruru.jpg
haruwave.jpg
haru wave2

グレーがCDのソースデータ、赤と青がリスニング位置でマイクロフォン(モノラル)で計測した実際の音です。赤は超低音をウーハーでアシストして30Hzフラットにイコライジングした最強仕様、青がAlpair 6Mだけでイコライジング全くなしの素の状態です。以前の記事に書いた「耳に届く音を信号波形から歪ませている最大の要因は、特に小型のスピーカの低音特性の減衰(ロールオフ)にある」という意味がよくお分かり頂けると思います。

プリのボリュームは最大です。この時リスニング位置で計測した音圧レベルは概ね75~85dBAの範囲で変化し、SLOWフィルタで計測したピーク音圧レベルは91dBA(高音の金管パート)でした。僕としては、かなりの大音量です。家内の外出中に計測しました。これは、以前の記事で紹介したホール中央席におけるベト5第一楽章の最大音圧レベル(単純なピーク値で89.9dB、Aフィルタなし)を余裕で超えています。

ご覧のように、スペクトル、生波形ともにソースに非常に良く一致しています。スペクトルをよく見ると、127Hz前後に3次高調波の影響が少し見られます。また180Hzには、イコライザでは補正しきれなかった部屋の影響による急峻なディップが見られます。

このような超低域(約40Hz)の極めて強烈なアタック音をこのように正確にリスニング位置で再現できるというのは、なかなか大したもんだと思います。通常はカナル型イヤフォンか密閉型のモニタヘッドフォンでもない限り聴けません。古典的スピーカの場合、共鳴点が40Hz以下の最大級バスレフ型でもない限り正確な再生は困難であろうと思われます(通常サイズのバスレフ型では低くて大っきなナンカの音が出ているという程度。位相の遅れはもちろん、ソース信号と並べてもどの山がソースのどのピークに対応するのかすら定かではなくなる程波形は変形し、果ては基本周波数すら一致しなくなる)。さらに、そのような大型スピーカを小さなお部屋にぶち込んで離れて聞く場合、この周波数領域では部屋の定在波が猛威を振るうため、正確な低音再生はさらに困難となります(部屋を何度も行ったり来たりした音を聴く事になる)。通常の古典的スピーカシステムを通常の部屋で離れて聞いている場合、超低音ではレスポンスがあっても波形はかなり出鱈目であると考えた方が良いでしょう。

ということで、自分の限界ボリューム設定でコレクション中最大最強の低音を退治できたと言えましょう。まあ、ここまで来ると単なる自己満ですけどね。「春の祭典」自体は滅多に聴かないのでドーデモヨイのですが、プリ全開でも全コレクションの低音をズッコケなしで正確に聞けるという安心感は大きいです。マドンナのズンドコくらい屁でもありません。究極の最悪条件でも十分に良好な結果が得られた事から、通常の音量(プリ開度1/2~3/4程度)では30Hzまで完全にフラットにしても全曲を十分以上に高品位な低音再生で楽しめていると自信を持って言えるという事です。アンシン アンシン。

追記
クラシックのオーケストラ曲の場合、低音部におけるタイムドメイン的正確さはさほど重要であるとは感じない。量感があればOKなような気もする。これは、もともと広いホールで比較的離れて聴く事を前提に製作された音楽だからであろう。そういう意味でも、交響曲には真面目に録音されたバイノーラル盤の出現を切に望む。ホールという巨大な楽器の内部で聴いている状態を表現するには、ステレオ方式ではどうあがいても無理。土台ムリ。それなりに受け入れて聴くしかない。無理にやっても所詮は嘘っぱち。交響曲の再生は別格だと思う。

ただしクラシックでもピアノ曲は全く別。ピアノの再生ではタイムドメイン的にビシッとバシッとしてないと気色悪い。そいえば、関係ないかもしれないけど、カセットテープの時代にピアノ曲ではワウフラが非常にシビアに感じられた事を思い出した。ピアノの再生は難しいと思う。全てアタック音で、しかも音域がやたら広いからだからだろう。

ジャズ等の場合、低音部はほぼビート(ピアノ含む)で構成され、とりわけジャズではこのビートの絶妙な「ノリ」(グルーブ、スイング)が極めて重要であるため、タイムドメイン的にビシッとバシッとしていると俄然楽しめる。ビシッとバシッとしないと気色悪い。そんなスピーカはハンマーで破壊したくなる。

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2011年10月10日 (月) | Edit |
英語の要約版の末尾に掲載したLEANAUDIOアプローチに関する「注意書き」を和訳して掲載します。

基本的に、デジタルブーストは50Hzまでに留めておく事をお薦めします。この場合、レスポンスは50Hzから12dB/Octで減衰し、概ね-10dB/30Hzの特性が得られます。この設定にしておけば、特別な配慮を必要とせずに大概の音楽を安心して聴くことができます。Alpair 6Mは50Hz以上では極めてタフです。通常、この周波数特性で十分に満足して音楽を楽しめるはずです。

理想目標を掲げるならば、-3dB/40Hz程度がリーズナブルであろうと思います。私の経験では、これ以上特性を伸ばしても、効果はほとんど感じられません。実際、私は普段音楽を聴く際に、40Hzまでフラットにイコライジングし、35Hzから20Hzにかけて急峻なローカット フィルタを適用しています。

超低域(<50Hz)では、振動板の振幅は劇的に増加します。まるで別世界と言っても良いかもしれません。私は、ある意味、純粋な技術的挑戦としてこのような超低域の再生に取り組んでいます。私のように、超低域の再生を試みる場合、危険な楽曲のスペクトルを把握し、なによりもシステムの限界を熟知する事が重要です。さもないと、ドライバを破損してしまう可能性すらあります。

また、リスニング位置がスピーカから離れている場合(すなわち、ニアフィールド リスナーでは無い場合、例えば部屋の中央より後で聴いている場合)、部屋の影響で50Hz以下のレスポンスが増加します。このため、スピーカで30Hまでフラットに再生すると、低音過多でブーミーに聞こえてしまう場合があります。

超小型のシステムを比較的大音量で使用する場合、ドライバを保護するために、ケロのような急峻なローカット フィルタの適用をお薦めします。


英語版LEANAUDIOはコチラです。

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2011年10月07日 (金) | Edit |
読者の方から、何m以内のリスニング距離をニアフィールドと呼ぶのか? というご質問を頂きました。

ニアフィールドリスニングの最大の目的は、リスニング位置での部屋の反射波(主に低音で発生する定在波)に対する直接波の比率を高めて、リスニング位置で音楽(特に低音)をクリアに聴き取れるようにする事にあります。この効果が十分に得られる距離は、部屋の大きさや反射特性によって異なるため、一概に何m以内と定義する事はできません(極端な話、完全な無響室では、どんなに離れようとも直接音だけを聴くことができる)。
また、ニアフィールドリスニングでは、上記の効果以外に、耳位置での音量を確保しながらSPから放出される絶対音量を下げられる(アンプの出力を下げられる)事から、音質(=音楽再生クオリティ)面、サイズ面、コスト面で数多の利点を得る事ができます。

現実的な環境でニアフィールド効果が得られるリスニング距離の目安としては、自分の部屋をアチコチ計測(参考記事)した結果ならびにシミュレーション結果から判断して、大まかに下記が言えると思います。

● 少なくとも、
部屋の前後方向の中央よりも前寄りで聴く事を推奨します。

● もっと端的に言えば、
部屋の真ん中より後には絶対に下がらない事を強くお薦めします。前後壁間の真ん中は、それより後に下がってはならない絶対限界ラインだと思ってください。

● さらに言えば、
部屋の前寄り1/3以内で聴く事により、ほぼ理想的なニアフィールド条件が得られるのではないかと思われます。

僕の部屋の前後方向の壁間距離は2.95mであり、リスニング位置は前方壁から約95cmです(SP前端は壁から約30cm前方。従ってSPからのリスニング距離は約65cm)。すなわち、ほぼ前寄り1/3の位置で聴いている事になります。

以下僕の部屋での実測値です。青がSP直前のF特、赤が部屋で実測したF特。
602_20111007113802.jpg
前方壁より約120cm (部屋の中央よりやや前): リスニング位置より数10cm後

603_20111007113802.jpg
前方壁より約170cm (部屋の中央よりやや後): 100Hz前後の極端な落ち込みと、50Hz以下の盛り上がりが顕著となる。中央より後ではどこで計測しても状況は大きく変わらない。このような条件で30Hzまでフラットなレスポンスを持つ大型SPを使用すると超低音がブーミーに聞こえ、極端に大音量で再生した場合、健康を害する可能性すらある。マンションの一般的なサイズの部屋では、ほぼ例外なく50Hz以下でゲインが発生するため、ニアフィールドではない通常レイアウトで音楽を聴く場合、スピーカは50Hzまでフラットでそこから-12dB/Octで減衰するLEANAUDIOのミニマム要件を満たせば十分であろう。ニアフィールド条件で聴かない限り、100Hz以下の低音はほぼ部屋の特性に支配されると考えるべきである。ただし遮音性の低い純和風家屋の場合、状況は大きく変わるかもしれない。

リスナーから背後壁までの距離をできるだけ大きくとった方が、一般的に有利となるように思われます。従って部屋が長方形である場合、短辺側にSPを配置して(すなわち部屋の前後長さを大きくして)、部屋の中央より前側(可能であれば1/3近く)で聴く事を推奨します。確かBlue Skyも同様の配置を推奨していたように記憶しています。

nearfield.jpg
同じ部屋、同じリスニング距離でも、右側の配置では良好なニアフィールド効果は得られません。

再三申しているように、僕は「音場感」とか「音場の拡がり」とか言うヤツを全く重視していません。というか、過剰に演出された「音場感」には嫌悪すら感じます(だって肝心の「音楽」が聴きにくくなるんだもん)。上記のコメントは主に低音(特に100Hz以下)をクリアに耳まで届ける事を主眼とするものである事をご理解ください。また、部屋の条件は全く千差万別であり、上記コメントはあくまで一般的なガイドラインとしてお考えください。

PCと安物マイクで誰でも簡単に計測できます。あるいは例えば40Hz~80Hzの正弦波を再生しながら段々と後に下がると耳で一発でわかります。凄まじい影響ですから!

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2011年09月21日 (水) | Edit |
前の記事からの続きです。今回は50Hz以下の超低音の再生波形を確認してみました。LEANAUDIOでは50Hzより下を「超低音」と呼ぶ事にしますね。なお、今回でスピーカシステムの開発は一端終結します。その締めくくりとして長文となってしまいました。ご容赦を。。

今までに再三申しているように、LEANAUDIOでは音楽再生装置の最低要件として50Hzまでフラットな低域特性を掲げています(密閉型による-12dB/Octの減衰を前提とする: 30Hzで-10dB程度)。ジャズやロックを聴く場合、この要件を満たしていれば十分に楽しめるように思えます(これ以上伸ばしても嬉しさはあまり感じない。それよりも低音ビートの位相が重要)。しかしクラシックの交響曲を聴く場合(ほとんどベトベンしか聴かないが)、レスポンスがそれ以下に伸びていると微妙に嬉しく感じる事があります。FOSTEXによると、これは「弱音で演奏される低音楽器のうなりや響き」というヤツだそうで「フルオーケストラの醍醐味のひとつ」としています。

以上を念頭に、今回は下記の条件で計測してみました。
1) 音量はハチマル快適音量の上限
- 約65cmのリスニング距離におけるベト5第1楽章の最大音圧レベルで約80dBA相当(参考記事)のアンプ ボリュームとする
2) 現実的な信号レベルとして、フルスパンに対して-6dBAの正弦波信号を再生
- CDにフルスパンの純正弦波が記録されている事はまずないため(参考記事)
- ハチマル コレクションの最強低音である「春の祭典」(シャイー指揮/クリーブランド、参考記事)のバスドラピークでも35Hz/-12dB程度(参考記事))

以下、スピーカ前方約20cmで計測した波形です。赤がAlpair 6M 2本の馬鹿ブースト、青がDAYTONウーハです。両者の絶対音量は同じに調整しています。クリックで拡大してご覧ください。

50Hz
875.jpg
両者ほぼ同等。どちらも、不安になるくらい音量を上げても顕著には崩れません。下段のFFTを見ると、DAYTONの方が2次、3次の高調波成分が少し低い事がわかります。

40Hz
874.jpg
これも両者ほぼ同等ですが、波形が明らかに歪んで尖ってしまいました。FFTを見ると、3次の高調波が強い事がわかります。ボリュームを少し下げれば正弦波に近付きます。40Hzまでは余裕で正確に再生して欲しいと思います。Alpair6Mはともかく、ウーハにはも少し頑張ってもらわないとね。今後の課題だな。

30Hz
873.jpg
波形はさらに崩れます。Alpair 6Mは4次の高調波が強く出るために、DAYTONよりも歪んで見えます。どちらのドライバでも、ボリュームを下げて行くと40Hzと同様のトンガリ波形を経て正弦波に戻ります。50Hzでもボリュームを思いっきり上げると、波形が尖り始めます。つまり、周波数が変わっても歪みのパターンは同じだと言う事です。なお、周波数が30Hzまで下がると、フルスパン信号をカナル型イヤフォンで聴いても微かにしか聞こえないので、ここまでの低周波はあまり重視していません。Frieve Audioでは振動板の無用な振幅を避けるために30数Hzから20Hzにかけて急峻にローカットしています。

以上から下記が言えます。
1) DAYTONウーハ 1本とAlpair 6M 2本はほぼ同等か、ややDAYTONが優れる
2) 両者とも50Hzまでは十分な余裕を持つが、それ以下では高調波が急激に目立ち始める
3) 歪みのパターンはドライバが変わっても周波数が変わっても基本的に同じであり、単純に振動板の「振幅」によって支配されているように見える(歪みの主要因はスピーカの構造的限界(大振幅時の非直線性)に起因するらしい)
- しかし、何故波形が尖るのか? 不思議。。普通に考えれば、振幅が頭打ちになって波形は丸くなると思うのだが。。。調査が必要。

-6dBの単音正弦波というのはかなり厳しい条件であり、通常、50Hz以下の信号レベルはそれほど高くないため、大概の楽曲の再生では聴感上問題ありません。特にベトベン交響曲やアコースティック ジャズでは50Hz以下の信号レベルが十分に低いため、30Hzまで馬鹿ブーストしても歪み領域に全く入りません。また、古典ロック(新しいのは知らない)も、50Hz以下の重いビートは意外と含まれていません。

ハチマルのコレクションの中で最強の低音は、再三取り上げた「春の祭典」の中に1発だけ含まれている超絶バスドラ(曲中他のバスドラは問題なし)と、マドンナの曲中延々と通奏されるズンドコ ビートです。これらの楽曲を再生して波形を確認してみました。

手順は下記の通りです。
1) 音量をハチマル快適音量の上限に調整
- 実際の曲を普通に再生し、約65cmのリスニング距離における大音量時の平均的音量が75dB~80dBになるようにアンプのボリュームを調整。普段は平均75dB前後、あるいはそれ以下で聴いているので、かなり頑張ったボリュームです。家内のイエローカード必至の音量。
2) 楽曲の問題の部分だけ(数秒間)を抜き出したWAVファイルを作成(左右をミックスしてモノラル化)
3) 高調波の発生を見やすくするために、Frieve Audioで60Hz以上を急峻にカットして、上記で決めたアンプ ボリュームでリピート再生

結果は以下の通りです。

マドンナの Erotica
数秒間を抜き出したサンプル音源のスペクトル
mad spe
約45Hzのビートが曲中延々と続きます。ピーク信号レベルは-12dB弱。マドンナの曲の典型的パターンです。

下がスピーカ前方で計測した波形です。
青がソース信号の波形、赤がマイクロフォンで計測した出力波形です。

Alapri6M馬鹿ブースト(30Hzフルフラット)
baka_mad copy
Daytonウーハー
sub_mad copy
どちらも、顕著な高調波歪みは観測されません。ズシッと重くてビシッとタイトなビートを聴くことができます。3"クラスのフルレンジSPだけでこの低音を再生するとは、Alpair 6M君は頑張りますね。凄いぞ。
なお、マイクは手持ちですし、環境騒音が結構影響するため、波形の細かい部分はサイクルごとにかなり変動しています。多少の波形の変形は多めに見て下さい。

春の祭典 第一楽章
最強バスドラ1発だけを抜き出したサンプル音源のスペクトル
haru spe copy
この1発のバスドラだけを抜き出すと、ピークは約40Hzに表れます。ピークレベルは-12dB弱ですから、ソース信号レベルとしては上のマドンナとほぼ同等です。しかーし、この曲は最強バスドラを収録するためにダイナミックレンジが非常に広い(すなわち、平均的な録音レベルが非常に低い)ため、上記の平均音量に設定するにはアンプのボリュームを大幅に上げる必要があります(プリのボリューム位置で比較すると、マドンナが約1/2開度に対して春の祭典はほぼ全開!)。ですから、ソース信号レベルが同じでも、スピーカに入力されるパワーはマドンナの比ではありません。この最強バスドラは全く尋常ではありません。

Alpair6M馬鹿ブースト(30Hzフルフラット)
baka_haru copy
DAYTONウーハー
sub_haru.jpg
注: 横軸のスケールはマドンナとは異なります。
吸音材たっぷりの密閉型なので基本波形をかなり正確に追従しますが、さすがに、このアンプボリュームでは高調波出まくり状態です。尖りモードを飛び越えて4次の高調波が顕著に出ています。しかしAlpair6Mは頑張りますね。偉いぞ!
この曲中の、これ以外のバスドラは難なく再生できますが、この1発だけはどうしようもありません。この曲を聞くときは、最強君のところだけボリュームを下げるか、イコライザで50Hz以下を減衰させるしかありません。それともWAVファイルをここだけ編集するか。。。
680_20110921045633.jpg
赤はブーストなし、青はフルブーストで再生したAlpair6Mスピーカ出力波形。一箇所だけ青の振幅がデカイのが問題の1発です。上の波形グラフは1本抜きん出ているヒゲの部分を時間軸方向に拡大したものです。このように強烈なのは全曲中1発だけ。こいつのために全体の録音レベルが低くなっています。他の盤ではどうなんでしょうか?

そこそこ大型のスピーカでも、この最強の一発をサイズに見合ったそれなりの音量で正確に再生するのは簡単ではないと思います。特にバスレフ型だと、余程大型のもの(共鳴点が40Hz以下、JBLだと4365以上)でないと、波形はかなり崩れるでしょう。どうあがいても、穴っぽこから噴出する音と振動板前面から直接送り出される音は異なります(特に打撃音)。

自分が聴く楽曲、自分が聴く音量がはっきりと限定されており、システムの限界を認識した上で使用するのであれば問題無いのですが、このようなシステムを広く一般に製品として市販する場合、そうも行きません。どのような楽曲でも(例え春の祭典でも)大音量で破綻せぬ事を保証するために、例えば50Hz以下を減衰させるローカット フィルタを適用べきであると言えます。実際、Victor製13cmパワード サブウーハのアンプは約50Hzのローカットフィルタを実装しています(解除不能)。このアンプは現在ケロに使用しており、その特性は下図のように50Hz以下で急激に減衰します(密閉型なのでフィルタが無ければ-12dB/Octで減衰するはず)。
577_20110919071343.jpg
余談となりますが、デジタル信号処理をフルに活用すれば、振幅がある一定量を超えぬように制御しながらドライバの能力をギリギリまで使い切る事ができるはずです。最も単純な方法として、アンプのボリュームと連動したイコライザ設定が考えられます(ボリュームと連動して低域信号レベルを制限する事により、振幅を安全な範囲に保つ。低ボリューム時はフルフラット)。さらに進めれば、波形を先読みしながらダイナミックに処理する事もできます(例えば、春の祭典の最強バスドラだけ信号レベルを少し下げる)。そのような方式を前提とするならば、ハードウェア(スピーカ)の設計自由度も大幅に向上するはずです。ソースだけ、アンプだけ、スピーカだけというのではなく、信号入力から音響出力(さらにルーム アコースティック)を含むシステムトータルで考える事により、音質(音楽再生クオリティ)、サイズ、コストを飛躍的に改善できるはずです。スピーカ屋はスピーカだけ、アンプ屋はアンプだけを見るのではなく、トータルなシステムで考える事が重要です。システムの中で最も大きな問題を抱えるのがスピーカ(さらに言えば部屋の音響特性)であり、この弱点をシステム全体で補う事が肝要かと思います。

さて、上記したように、このような超低域での高調波歪みは、振動板振幅とドライバの構造的限界(直線性の限界)の関係に支配されると考えられます。これを改善する方法として、同一振幅でも低音レベルを上げられる大径ドライバを使用するか、あるいはドライバの数を増やすのが最も直接的です。これとは別に、サイズ据え置きでドライバの構造的限界(線形性をある程度維持できる最大許容振幅: Xmax)を向上させる方向性があります。コンパクトさを追究するLEANAUDIOでは当然後者の方向性に興味が向かいます。そこで、2つ前の記事で紹介した各ドライバの公称Xmax値を調べてみました。

MarkAudio Alpair10v2 13cmフルレンジ: 7.5mm
HiVi M5a マグネシウム・アルミ合金 13cmウーファー: 3mm
DAYTON AUDIO DA135-8 13cmウーファー: 3mm

MarkAudio CHR-70v3 10cmフルレンジ: 4.5mm
MarkAudio Alpair 6Mフルレンジ: 3.4mm
HiVi M4N メタルコーン10cmフルレンジ: 3mm

FOSTEX M100HR-W: 不明

10~13cmクラスだと、判で押したようにXmax = 3mmと記載しているドライバが多く、あまり重視されていないように見受けられます。これに対し、Mark Audioは常にXmaxを重視する姿勢を前面に打ち出し、カタログ値を見る限り同サイズのドライバに比べてXmax値が異様に大きくなっています。13cmクラスで見るならば、HiVi M5aおよびDAYTON AUDIO DA135-8がともに3mmと記載しているのに対し、MarkAudio Alpair10v2は7.5mmを掲げています(実に2.5倍!)。以前製造されていた13cmのAlpair 10ウーハのXmaxは9.0mmにも達します。これは別にズンドコを狙った物ではなく常用振幅領域での直線性を重視した結果だと思われますが、ヤクザなLEANAUDIOコンセプトにとっても好適なドライバであると言えそうです。

メーカによってXmaxの定義や計測方法が異なる可能性があるため、単純には比較できないかもしれませんが、Mark AudioがXmaxを重視する姿勢は明らかです。Alpair6Mがここまで頑張れるのも、その基本姿勢に因るところが大きいかもしれません。このように飛び抜けたXmaxは、全ての部品を専用設計するという基本方針によって可能になったものと思われます。他社製のドライバは標準的なコンポーネント(内部部品やフレームまで)を組み合わせて使用している例が多く、部品をよく見ると他メーカのドライバと同じ部品だったりします。Xmaxがどのメーカでも同じような値になっているのは、そのへんに起因するのかもしれません。

まだ何も知らなかった初期の頃にたまたまMark Audioドライバを採用したわけですが、偶然にもそれらが気密性と大Xmaxという特性を備えていたからこそ、現在のLEANAUDIOがあると言えます。もし、LEANAUDIO初期に例えばフェイズプラグ付きの標準的なXmaxを持つドライバを採用していたとしたら、小容積密閉箱に入れて信号ブーストまたは別アンプで強引に駆動するという基本コンセプトには絶対にたどり付かなかったでしょう。Mark Audioドライバとの出会いは幸運であったと言わざるをえません。また、当ブログを見てLEANAUDIO方式をちょこっと試してみたけど駄目だったという方は、今一度ドライバの適性(まずは気密性)を確認してみてください。フェイズプラグ付きやコアキシャル型ではまず駄目だと思います。センター(ダスト)キャップ付きでも布製や真ん中に穴の開いたタイプでは駄目です。

現在のシステムの50Hz以下のタフネスを向上させるには、ウーハ用にAlpair 10(できればウーハバージョン)を選択するか、あるいは、面倒くさい2.1ch方式は捨ててAlpair10 (または7) 2本の馬鹿ブーストってのがシンプルで良いかもしれません。今回改めてAlpair馬鹿ブーストのポテンシャルを再認識しました。また来年の夏くらいですかね。何か変えるとすれば。

今回サブウーハを追加したそもそもの目的は、iTuneやネットラジオをイコライザなしで聴くためであって、Frieve Audio用には馬鹿ブーストを前提としています。しかし、ブースト方式には欠点が2つあります。すなわち、1)デジタル信号のオーバーフローを回避するために全体の信号レベルを下げる必要がある(アンプのボリュームを上げる必要がある、つまり信号クオリティとS/N比が多少低下する)、2)振動板が大振幅で動くため高域音が多少劣化する、という事です。従って、メタルコーン ウーハを採用した事によって今まで感じていた違和感が無くなるのであれば、2.1ch方式を常用する可能性もあります。

とりあえずは毎日聴いてみないと何とも言えません。無意識にどちらに手が伸びるか? 駄目なシステムには自然と手が伸びなくなり、全く使わなくなります。3つも電源を入れる手間をかけてでもウーハ付きに手が伸びるようであれば大成功と言えましょう。「音質?」の事なんか念頭になく、意識が自然に「音楽」を追いかけている時に、違和感や、不自然さや、聴き取りにくさを感じるようであれば「音楽再生装置」としてNGです。

冒頭でも述べたように、かれこれ3年以上続けてきたデスクトップ スピーカの開発は今回で一端終結します。
基本的にAlpair6M + Frieve Audio自動音場補正による耳幅配置超ニアフィールド馬鹿ブーストでハチマルが望んでいた「音楽再生クオリティ」言い換えれば「音楽の聴きやすさ(自然さ、違和感のなさ、正確さ、明瞭さ)」を十分に達成できたという事です。従来になく「音楽が聴きやすい」システム(そう、ハチマルの欲しかった「ミュージック マシーン」)となりました。また、数々の実験を通して多くの貴重な知見を得る事ができました。それらの経緯は全て当ブログに記載していますので、是非ご参考にしてください。「春の祭典」はめったに聴かないし、これ以上のものはとりあえず不要かなと思えますが、今まで年に1回ペースで何か作っているので、来年の今頃には新しい物をリリースするかもしれません。

マークさんに英語の要約版を約束しているので、そちらが終わるまで暫くブログの更新はお休みになると思います。以降はヘッドフォン再生がメインテーマとなる予定です。既に、ハチマルとしては大奮発のハイエンドなヘッドフォンを購入して早朝に愛用しています(最近奥さんからのイエローカードが頻発しているので。。)。オタノシミニ。

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2011年09月12日 (月) | Edit |
六本木工学研究所製の13cmアルミコーン スピーカーYS137A-PSCの使用を断念する事にしました。音調と外観は凄く気に言っていたので残念です。最近は「断念」バカリ。。今回は、そのへんの経緯を。

まずは、製品不良と思われる現象がありました。
暫く慣らして、徐々に音量を上げていったところ、ロンさんのベースソロで「ビリビリ」と明らかに異常音といえる音が出ました。このCDはロンさんの比較的新しい作品で、ベースの録音レベルが非常に高いのでチェック用に重宝しています。

そこで、曲を流したままドライバを箱から取り外してみましたが、ビビリは収まりません。すなわち箱のせいではないという事です。ドナイヤチューネンとぼやきながら、音を出したままドライバーを色々な角度から観察していると、時々ビビリが出なくなります。ナンデヤネンといろいろ試してみたところ、ドライバーを元の取り付け状態から180度回転させる(すなわち上下逆に取り付ける)とビビリは完全に収まる事が分かりました。ハハーン、これはボビンの偏心やね、と思って正面から見ると案の定。。。
偏心
見た目も明らかに偏心しています。つまり、取り付け方向によってコイル+振動板にかかる重力の方向が変わり、製造時の偏心を相殺したり増長したりすると言う事です。こりゃ絶対返品もんやね。。と思いながらも、上下逆さまに取り付けて暫く様子を見ることにしました。

そのまま使用を続け、最初は控えていたボリュームをだんだんと上げていくと、低音大入力に対するタフネス(音が破綻しはじめるアンプ ボリューム位置、上記のビビリ音とは異なる)がやたらと低い事が分かってきました。Alpair 6M 2本よりもタフネスが低い感じです。振動板がデカイのにそんなはずは無かろうと怪訝に思いながら観察していると、振動板がやたらと動きます(密閉箱の空気バネが効いていない感じ)。さらにバスドラがズドンと入ると「シュッ」と空気が漏れるような音がします。これは以前ケロで経験したボックスのエア漏れと同じような症状です(その時はケロの高さ調整式ゴム脚を付け忘れてボルト穴が明いていた)。

そこでハタと気付きました。フェイズプラグです。以前、フェイズプラグ付きのドライバの気密性に関して疑問に思った事があります。そこで、サブウーハーボックスの横に粘土で埋めた直径6mmの穴(Alpair5 取り付け用の穴)があるので、そこからカメラ用の大型ブロアで空気をブシュッと送り込んだところ、振動板はポコッと前進した後すぐに元に戻ってしまいました。明らかにエア漏れやん。。念のためPPコーンウーハーに交換して同じ実験をしたところ、振動板はゆっくりと元に戻ります(ブロワから少しエアが漏れるため)。これで原因は明らかになりました。LEANAUDIO方式ではボックスの気密性が極めて重要なのです。

下に一般的なセンターキャップ付きとフェイズプラグ付きのドライバの模式断面図を示します。
スピーカー断面 copy
左がセンターキャップ型(Alpair等)、右がフェイズプラグ型のYS137A-PSCの断面図です。このドライバはスパイダ(ダンパ)背面室にもスリットが開けられ、さらにスパイダにも穴が4箇所開けられた、やたら風通しの良い構造となっています。
863.jpg
862.jpg

このような構造では、ボックス内の空気はコイルボビンの小さなギャップからたやすく漏れてしまいます。恐らく、バスレフ型や十分な容積を持つ密閉型であれば問題ないのでしょうが、極小の密閉箱を使用して信号ブーストまたは別アンプでガシガシ駆動する極悪非道のLEANAUDIO方式では、このエア漏れが無視できなくなるという事です(設計時の想定外ということ)。問題のスリットをポリパテで塞ぎ、スパイダの穴も紙か布で塞ぎ、さらにコイルギャップ部に磁性流体を注入すれば、気密性は上がると思います。あるいはフェイズプラグ(多分接着されている)をなんとか引っこ抜いてセンターキャップを自作する手もあります(この場合、特性によってはフルレンジとしての使用を諦める必要があるかも)。しかし、そこまでやる気にはちょっと。。。

一方、Alpair等のセンターキャップ型では、内部構造がどうあれ、振動板前後の気密性は完璧に保たれます。

フェイズプラグ付きのドライバであっても、スパイダ背面室にエア抜きスリットがなく、かつスパイダにも穴が明いていなければ、エア漏れはかなり改善されると思われます。ただし、最近の向こうが透けて見えるほど薄い軽量のスパイダ(多分布製)にどの程度の気密性を期待できるのかは不明です。

フェイズプラグの換わりにツイータを取り付けたコアキシャル型ドライバでも構造は基本的に同じであると考えられます。気密性が極めて重要となるLEANAUDIO方式では、このようなタイプのドライバを選択する際に注意が必要だと言えます。ひとつ勉強になりました。。。

YS137A-PSCの音質面では不満はありません。PPコーンでは「ドンッ」という音が「バンッ」気味に聞こえるので今ひとつ好きにはなれないのですが、そのへんも改善されました(ちなみにペーパーコーンのAlpair 6PとPPコーンウーハーは相性が良かった)。また、フルレンジとしても、ハチマル好みのナチュラルな音調であり十分使用に耐えると思います(まあ、ハチマル基準ですが)。外観も非常に高級感があります(特に問題の樹脂製フェイズプラグの仕上げが美しい)。

ご参考までにYS137A-PSCのデータを掲載します。
下は製品に添付されていた特性グラフです。
860.jpg
20kHzまでレスポンスを維持しますが、7kHz付近に強いピークが見られます。このような特性はパークオーディオ製のアルミコーン ウーハーとそっくりです。

下はリスニング位置での測定結果です。
859.jpg
赤がYS137A-PSC、青がAlpair 6Mです。YSは公称値通り12kHzまでほぼフラットに伸びていますが、やはり7kHz付近にピークが見られます。そのまま聴いてみましたが、特に気になる事はありませんでした。気になるようであればFrieve Audioでピークを消す事もできます。低域は、容積が2.5Lと極端に小さい事もありますが、Alpair 6Mとほとんど同等しか出ていません。PPコーンウーハーでは3Lの箱でもっと低域が出ていましたので、上記のエア漏れの影響かもしれません(ドライバのフランジの締め付けが足りずにエア漏れがあると、やはり低域が低下した経験があります。)。結論として、この種のドライバを極端に小容積の密閉箱と組み合わせる場合注意が必要です(普通そんな事しないと思いますが)。

さて、ZAP君のサブウーハをどうするか? ですが、そのへんは次回に。とりあえずPPコーンに戻しました。

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2011年09月11日 (日) | Edit |
はい、という事でザップ君以外は全て撤収し、ザップ君を少し見栄え良くしました。ウーハーもちょっと高級なメタルコーンに交換。実はこのウーハー、フルレンジとしても十分に使用できます。これにより黒い新型ZAPは第3の戦闘モードを身に付け、ミュージック マシーンとしてさらに強化されたのである!シャキーン

こんな感じ
853.jpg
リスニング位置から。ウーハーにはメタルコーンのYSC Aoudio YS137A-PSCを使用。コイズミ無線ではフルレンジ スピーカとして売っています(1個4,560円、お試し特価中!)。黒とゴールドでシックな感じ?に仕上がりました。 失敗したところを隠すためにジャコのステッカーを作って貼りました。
857.jpg

854.jpg
百難隠すマットブラック仕上げ。強そうかも。。サブウーハーは4本のネジで本体にガッチリ固定しています。ウーハーが前に飛び出し過ぎですが、基本的に低音の位相は遅れ気味になるので問題なし。側面にステッカー「LEANAUDIO ZAP The Music Machine」を作って貼りました。
858.jpg

856.jpg
初公開。ポチのお尻です。同じポチ型ボックスを3個使っている事がよく分かります。残りの1個は既にケロ君に使用しました。無駄使い無し。。見えないところなのでターミナルの穴と背面バスレフポートの穴を粘土で埋めてガムテをペタ。

855.jpg
ユニット取り付け前。例によって吸音材をタップリとぶち込んでいます。

このZAPシステムは3つのモードで使用できます。オトコノコは合体モード チェーンジ!に萌えるもの。ですよね。。。
1) Alpair 6M x2のステレオ馬鹿ブースト モード
2) ケロと同じ2.1ch モード
3) YS137A-PSC x1のモノラル馬鹿ブースト モード

YS137A-PSCは六本木工学研究所製の13cmアルミコーン スピーカーです。基本的にウーハーとして設計されていると思われますが、コイズミ無線では~12kHzのフルレンジ スピーカーとして扱っています。このドライバーはコーンの色以外Park Audioの13cmアルミコーン ウーハーDCU-131Aとそっくりで、特性も非常に似通っており、両者になんらかの関連性があると思われます。ParkのDCU-131Aはウーハーとして売られていますが、フルレンジとして使用している方も実際に居られるようです。

で、フルレンジとして売られるだけあって、こいつ1本で十分に音楽を楽しめます。まだ慣らしもついていなし、チョイ聴きだけですが、Frieve Audioでフラットに馬鹿ブーして聴いてみたところ、Alpair 6Mに似た極めてナチュラルなハチマル好みの音調でした(ハチマルはやっぱり紙よりメタルが好きだなぁ)。こいつをフルレンジて使わぬ手はない!という事で、当初予定していなかった「モード3」を追加実装。シャキーン!

やはりモノラルは聴きやすいです。モノラル盤のフルトベングラはコイツで聴きたいですね。モノラル盤を2本のSPで再生すると正面に定位しますが、これはいわゆるゴースト(聴覚の錯覚)なので1本だけで再生した方が理想的です(参考記事)。モノラル盤をステレオで愛聴されている方には、正面にモノラル専用SPを追加される事を強くお薦めします。
811_20110911052248.jpg812_20110911052247.jpg
左が1本のSPによるモノラル再生。右が2本のSPによるモノラル再生。左右で同じ音を出せば中央に定位するが、2本のSPによって干渉が発生するので、なにがしか違和感を覚える事がある。

次回はYS137A-PSCの詳細と例によって計測データをご紹介します。実はYS137A-PSCにはちょっとしたトラブルがありました。

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2011年09月06日 (火) | Edit |
結論から申します。ガマ君は失格です。

仕事しながら2日間ほどアレコレ調整しつつ聴いてみましたが、Alpair6Mザップ君(+サブウーハー)がベストと判断。Alpair5ガマ君は残しておいても使用しないだろうという事で潔く撤収。せっかく作ったのに残念ですが使わんモンを置いておいても仕方ないので。。

結局下の写真のようにザップ君+サブウーハーという当初考えていた構成で落ち着きました。
849.jpg
850.jpg

Alpair 6Mのナチュラルな(悪く言えばちょっと地味な)音にすっかり慣れてしまったのでしょうか。Alpair5のキラリとシャープな音を長時間聴くのが辛く感じました。また、アンプがTU-870だとさらにシャラリンキラリンとするので、これにもだんだん鬱陶しくなってきて、最後の方はIcon AMPで聴いていました。しかし、どう調整しても明らかに自分はAlpari 6Mのシットリ控えめな音の方を好むという事がはっきりと分かったという次第です。

今回、A6Mの良さを改めて再認識できたとも言えます。他のAlpairメタルコーン ドライバーを聴いた事はありませんが、A6Mと同じようなキャラクターだとすると、本当に好きな「音楽」をたくさん聴き込むには最適なドライバーだと思います。ちなみに、Alpair 6Mのこの音質的特長は、高音がやや不足気味(というか300Hz~2kHzが少し盛り上がった弱カマボコ傾向)というF特に由来するものではありません。なぜなら僕はFrieveAudioでどのドライバーもフラットに補正して聴いているからです。これは長い時間愛用した後に他のドライバーと比較してみて始めて真に認識できる類の良さかもしれません。

いつもの測定結果です。ほぼリスニング位置での結果です。距離は約65cm。
848.jpg
赤がザップ君単体、青がサブをアドオンした結果です。黄色の帯は35Hz~15kHz/±6dBの領域を示しています。

50Hzのピーク、50~100Hzの落ち込み、180Hzのシャープなディップは部屋の影響、10kHzのディップはドライバーの特性によるものです。これらのディップを除けば、部屋の影響を含むリスニング位置での実効値としては極めて良好な特性が得られていると言えます。これでネットラジオやiTuneをイコライザなしで十分に楽しめるようになりました。

このシステムはサブウーハーをアドオンしています(フルレンジ側はチャンデバを通していません)。前の記事で、アドオン式にすると位相が大きく乱れると書きましたが、今回のサブウーハーの位相遅れはザップ君単体の密閉型馬鹿ブーストの遅れと殆ど同程度しかありません。今まで散々試したAlpair5との組み合わせでは位相が大きく遅れたのに、どうして今回はOKなのか??理由は全く分かりませんが、とりあえず願ってもない結果ではあります。

Frieve Audioで計測した位相遅れ。マイナス(下)側が遅れです。縦軸のスケール値は不明。750Hzのピークはデスクトップの反射の影響と思われる。
852.jpg
ほとんど同じ2本がAlpair6M単体と+サブウーハー アドオン、大きく遅れているのがAlpair5+サブウーハー(アドオン方式ではない)の結果です。Alpair5でアドオンすると、50~100Hzでもっと遅れます。ドシテ?

以上のようにザップ君で極めて良好な結果が得られましたが、Frieve Audioで聴く場合は相変わらず馬鹿ブーストを好みます。特にスピーディーでタイトなジャズは馬鹿ブーストの方が気持ち良く聴けます。細かい音質に集中して聴き比べれば、ブーストによる悪影響も分かるのかも知れませんが、僕は別に「音質」を細かく聴き分けたいわけではないので、「音楽」の全体的な聞こえ方(自然さ、違和感の無さ、聴きやすさ、スピード感)を重視すると、馬鹿ブーの方に食指が動くという事です。

どうもウーハーの低音がダルく聞こえるので、メタルコーン型に交換してみようかと考えています。100Hz以下しか使わないので、Alpair10ではもったいなさ過ぎるため、そこそこ廉価なアルミコーンウーハーを物色中です。交換したら、またご報告しますね。

という事で、今までやってきたデスクトップ スピーカー システムもほぼ終着駅にたどり着いた感があります。
つまり、
「小径フルレンジ(お好みの音調のやつ)」+「小容積密閉型エンクロージャ」+「吸音材たっぷり」+「耳幅配置超ニアフィールド リスニング」+「デジタルイコライザまたは密閉型小径サブウーハ(2.1ch)による低域補強」+「デジタルイコライザによるF特/位相フラット化」+「お好みで真空管アンプまたはDSPによる味付け(ハチマルには不要みたい)」
これが、LEANAUDIOの「ステレオ スピーカー方式音楽再生装置」に対する1つの解答だという事です。

今後はヘッドフォン再生について、ゴチョゴチョやってみようかな?と考えています。

追記
装置の音を評価するに際して短時間のチョイ聴きでは正しい判断はできないという事をつくづく感じる。これは、例えばナニかを交換して「音質」を評価または聞き分けようとする行為は、「本来の実用状態」すなわち「音質」の事など念頭になく「音楽」を聴き込んでいる時の行為とは全く異なるからだと思う。A6Pの交響曲用システムにしろ、今回のAlpair5ガマにしろ、TU-870にしろ、最初は凄く良いと感じたのだが、「音楽」を聴き続けていると「ありゃ?」となって、結局撤収となった。たぶん、その時は気になる一部の「音質」にしか注意を払わず、しかし実際に音楽を聴く時はもっと総合的に音を聴いているからなんだろう。

別にワザワザ細かい音質?の違いを聞き分けたいわけではない。音楽を違和感なくより快適に楽しめる総合的な音楽再生音質が重要だと思う。だって「音楽」を聴くための装置なのだから。

自作の強みは、仕事中でも音楽を聴いている時に「ありゃ?」と感じたら、すぐに対策できる点にある。それを繰り返してここまで辿り付いたのだが、おかげでポチ2型ボックスは、そこらじゅう粘土で穴を埋めた満身創痍の実験君状態。。。そろそろ終着駅も見えたし、新しい綺麗な箱を作らないとね。メンドクサ。。。

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2011年08月16日 (火) | Edit |
もともとの音源が巨大な交響曲を聴く場合、Alpair6Mのニアフィールド馬鹿ブーシステムだと寂しく感じる事があります。かといってAlpari6Pバスレフ(一辺120cmの正三角形配置)だと、左右に拡がり過ぎて音が全体に希薄になり、なんかタヨリナイし、細部を聴きにくい。これだったらA6M馬鹿ブーで聴く方がマシ。。と言うことで、A6Pバスレフも撤去しようと思ったのですが。。。

827.jpg
Alpair5でセンターSPを作って追加してみたところ、なかなか具合良くなりました。このSPボックスは、あり合わせの端材(内径約80mmの塩ビ管、9mm合板、ケロのあまりの合成皮革)で作りました。モノラルではなく左右別々のステレオです。容積は約500cc x 2。もちろん密閉型です。エアコン配管用のシール材と、分厚いフェルト材とガムテープで徹底的に制振しているので全く響きません。

Alpair 6Pは約45°上向きにしています。左右の高音を天井に反射させる事により、左右SPからの直接音の干渉を和らげて自然なステレオ感を得るのが狙いです。これが意外と効きました。ホワンと響いて喫茶店のBGM風になりますがポップス系だと意外とOK。ボーカルも中央に自然に定位します。ただし響き過ぎのホワンホワン。。死の臭い漂うJAZZを聴く気にはとてもなれませんし、肝心の交響曲でも拡がり過ぎ/響き過ぎで密度感が低下してタヨリナイ。バッハの無伴奏チェロなんか全く聴けません。

センターSPは楽団からの直射音に相当する音を追加するのが狙いです。これを加えた事で交響曲あるいはフルオーケストラ曲を聴く楽しさがグッと増しました。今までのLEANAUDIOトライアルの中で最も交響曲を楽しめるシステムに仕上がりそうな気配がします。チャント仕上がったら、塩ビ管に色を塗らないとね。。

さらに6Pバスレフのポートチューニングを変更しました。以前は特性がフラットになるように約50Hzにポートをチューニングしていました。以下、いつものシミュレーションで説明します。
829.jpg
この場合、50Hz以下で位相が大きく遅れ、レスポンスも急減するため、50Hz以下をブーストする事はできません。これでは交響曲を聴くには物足りない。

そこでポートを伸ばして共鳴周波数を約34Hzまで下げました。
830.jpg
100Hz以下がダラダラと下がりますが、デジイコで+10dBブーストするだけで30Hzまで問題無くフラットにできます。問題の位相遅れも大きく改善されます。

下は密閉型です。
828.jpg
上の34Hzバージョンは、密閉型に対して30Hzで+8dBのゲインがり、共鳴前の40Hzでの位相遅れは密閉型とあまり変わらない事が分かります。

以上のように、バスレフ型にデジイコを組み合わせる事により、ポートの同調を思いっきり下げて、ブースト率をそれほど上げずに低域を可聴帯域下限近くまで伸ばす事ができます。すなわち、ポート効果+デジタルブーストの組み合わせで低音を増強する事ができるという事です。

下はAlpair6M + 2.5L密閉です。
831.jpg
小型密閉箱の場合、30Hzまでフラットにするには20dB以上のブーストが必要です。大容積バスレフと長いポートにより、このブースト量を約1/2にできるということです。A6M密閉の場合、ブーストは通常40Hzまで(約+15dB)にしています。

とはいえ低音のタイトさ、スピード感、正確さという点では小容積密閉型(A6M)馬鹿ブーの方が圧倒的に有利です。ジャズは絶対にA6M密閉で聴く方が好きですね。クラシックでも、特にピアノソナタは密閉型で聴きます。ピアノはアタック音ですので、とりわけ低音部は密閉型の方が気持ち良く感じます。チェロソナタやチェロ独奏も密閉型の方が好きかもしれません。響きが加わると演奏が聴きにくくてもどかしく感じます。反面、オーケストラ曲のホールと一体となった低音のウナリは、バスレフ型+センターSPの方が雰囲気良く聞こえます。オーケストラを聴く場合、多数の楽器とホールで構成された巨大な一塊の楽器として聴こうとしているのかもしれません。僕には、交響曲(フルオーケストラ)の再生というのは、以前から特別のように思えてなりません。

さて、最後にお決まりの測定結果をお見せします。全てリスニング位置での測定結果です。全て左右同時に音を出して計測しています。

Alpair 6Pバスレフ、11L、同調34Hz、上向き45°
821.jpg
上に向けたので2kHz以上はダラダラ低下します。部屋の影響で50Hzにピーク、200~500Hzにディップが発生しています。吸音材は以前より少し増やしました(片側4枚から6枚に増やした)。低域もダラダラ低下するので、概ね40万ヘルツの法則に従うカマボコ型となっています。

Alpair 5 密閉、0.5L
822.jpg
200Hz以上は綺麗にフラットです。久しぶりに聴いたけど、やっぱり良いユニットだなぁ。。これでA6Mなみに低音が出てくれたら。。。

Alpair 5 + Alpair 6P
823.jpg
50Hzに部屋のピークがあるので、うまい具合に50Hzまでほぼフラットな特性が得られています(タマタマですけどね)。このためiTuneでイコライザなしで再生しても十分に楽しめます。

アンプですが、A6PにKENWOODのKA-S10(ヘッドフォン用に使っていた)、A5にIcon AMPを使用し、ボリューム位置を両方とも12時の位置にしています(全体のボリュームはパッシブプリのボリュームで調整)。比較的センターを強めに効かせたハチマル好みの設定なので、左右のステレオ感はあまりありません(もともとフルトベングラ盤を楽しく聴く事を目標にしてましたし)。ステレオソースの場合、センターのボリュームを少し下げると楽器が左右に分かれ始めます。このへんはお好み次第。

833.jpg
これ以外にはPC本体だけ。。リーン&コンパクトなシステムです。

832.jpg
ポチ2型の上に置いたスピーカセレクタです。Icon AMPをA6M用とA5用に切り換えます。

次回は、久しぶりにバイノーラル録音してみようかな。。

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2011年03月12日 (土) | Edit |
以前の記事で投票によるブラインドテストを実施していますが(曲はマドンナのNothing Fails)、現在のところ「ブースト無しの方が良い」に4票、「どちらとも言えない」に3票という結果です。やはり、この曲において低域ブーストによる高音の劣化が感じられるのは確かなようです。

今回は、約100Hz以下をバイアンプ駆動のウーハーに受け持たせるいわゆる「新システム」と馬鹿ブーストの再生音を録音して比較してみました(どちらもAlpair6 Mを使用)。新システムの詳細についてはコチラをご覧ください。

今回のイコライザは30Hzまでフラットのフル馬鹿です。バイノーラル録音ですので、ヘッドフォンまたはイヤフォンでお聞き下さい。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。
マドンナ/Nothing Fails
馬鹿ブー
新システム
前回よりもこちらの方が差がはっきりしてるようにも聞こえます。

ただ、普段馬鹿ブーストで音楽を聴いていて明らかに違和感を覚えるのは今のところNothing Failsだけで、マドンナを含めその他の曲ではこのように顕著な違和感を覚えません。また、この曲は僕のお気に入りで以前からよく聴いていたのですが、Alpair5を使用していた頃には馬鹿ブーストでもこのような違和感を覚えた記憶がありません。Alpair5を復活させたら再確認してみたいと思います。いずれにせよNothing Failsはちょっと特殊なケースだと思われます。

その他の曲も2つの再生モードで録音してみました。僕はこれらの曲の馬鹿ブーストでは違和感を覚えません。「音楽」の全体的な聞こえ方として違和感やフラストレーションを感じないという事です。

全て30Hzフラットで録音しました。今回のサンプルを録音していたところ、途中で例の地震が発生して混乱してしまい、どっちのファイルがどっちのシステムで録音したものなのか正確には分からなくなってしまいました。曲によって馬鹿ブーと新システムの並び順もバラバラだと思います。
バイノーラル録音ですので、ヘッドフォンまたはイヤフォンでお聞き下さい。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。

マドンナ/American Dream
サンプルA
サンプルB
同じマドンナでもAmerican Dreamでは問題を感じません。下にAmerican Dream(赤)とNothing Fails(青)のソース スペクトルを示します。
706.jpg
スペクトル的には同じようなものです。

マイルス/Freedum Jazz Dance
サンプルA
サンプルB

ジミヘン/Johnny B Good
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/ミサソレニムス
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/交響曲No.5
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/ピアノソナタNo.32
サンプルA
サンプルB

最後に
ストラビンスキー/春の祭典
馬鹿ブー
新システム
さすがに最強バスドラでは違いが分かりますね。こいつだけはどっちがどっちか分かりました。

サンプルは以上です。

短時間だと分からないのですが、長時間聴いていると新システムでは微妙に違和感を覚える事があり、結局ほとんど馬鹿ブーの方で聴いています(最近は45Hzまでフラットが標準設定)。もし新システムしかなければ全く気にせずに聴いていると思うのですが、馬鹿ブーの聞こえ方に慣れているとナンダカちょっと不自然に感じる事があるという事です。また、直接比較すると、馬鹿ブー方式の方がバスドラムの音が少しタイト(ハチマル好み)に聞こえます。それに、馬鹿ブーだとスイッチもアンプを1つONにするだけでOKだし(新システムだとアンプ2つとチャンデバをONにする必要があるので面倒)。近いうちにウーハーの箱にAlpair5を組み込んで新システム専用にする予定です。

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2011年02月18日 (金) | Edit |
バイノーラル方式でデスクトップ システムの再生音を録音してみました。

その前に現在のデスクトップの状況です。
以前の記事「最も手っ取り早い音質改善法」に書いたように、スピーカーをできるだけ耳に近付けるために、現在は下記のようなレイアウトになっています。仕事に差し障りのない範囲で、できるだけスピーカーを手前に移動しました。デスクに頬杖をついて音楽に聴き入っている状態で、耳までの距離は約40cmです。
670.jpg

単なる台として使用している下側のウーハーを出来るだけ手前に移動し、さらにポチ型ボックスをサブウーハーから前方にオーバーハングして載せています。また、低音時振動を抑えるために、ポチの上には2.5Kgのウェイトを載せています。オーディオテクニカの比較的低周波を吸収するタイプのインシュレータをウーハーの脚とポチの下に3個ずつ(片Ch2段で計6個)使用していますが、それでもバスドラ等で振動が手に伝わって気になります。音にも影響していそうな気がします。なのでデスクから完全に独立したスタンドを検討中です。
671.jpg

距離40cmでの測定結果です。
672.jpg
黒がL、赤がRです。70cmでの測定結果に比べると、特に100Hz以下で特性が大幅に改善されています。以前の記事と比較してみてください。スピーカーは近いに超した事はない。というやつです。

今さらお見せする必要もないですが、一応今回の録音条件という事で。。。
673.jpg
30Hzフルフラットの馬鹿ブーストの測定結果です。もちろん下側のウーハーはOFFです。30Hzから20Hzにかけて急峻なローカットフィルタを適用しています。

さて、バイノーラル録音の方ですが、SANYO製のPCMレコーダICR-PS004M(製品ページ)とバイノーラルマイク(製品ページ)を使用しました。どちらも音楽録音用としてはチョット不安ですが、合計で11K円程度だったので、まあこの値段ならばモノは試しと考えて思い切って購入してみました。

今回はバイノーラルマイクを耳に装着した状態で、机の前端に頬杖をつく姿勢をとって録音しています。WAVファイルに記録し、必要箇所を切り出してレベルをノーマライズしてから、MP3ファイルに変換しています。エンコーダにはLameを使用し、ビットレートは192kbpsに設定しました。このブログではファイルサイズが500Kバイト以下に制限されるため、WAVファイルを直接添付する事はできません。

サンプル楽曲には、マイルスの Freedom Jazz Dance (Miles Smiles)から約20秒、ブロムシュテット指揮ベトベン交響曲No.5 第一楽章から約12秒を選びました。

では以下にサンプルを添付しますので、ご試聴ください。

バイノーラル録音は原理的にヘッドフォンまたはイヤフォンで聴く事を前提としています(参考記事)。
極低音まで再生可能なそこそこの性能のカナル型イヤフォンでのご試聴をお薦めします。小さなスピーカーでは肝心の低音がよく聞こえません。PCにオーディオ用DACを接続していない方は、ファイルをMP3プレーヤーにコピーしてご試聴になる事をお薦めします。PCのサウンドボードは一般的に音質がかなり劣ります。

1) Freedom Jazz Dance /Miles Davis
ソース: Freedom Jazz_SOURCE
イコライジングなし: Freedom Jazz_NO EQ
イコライジングあり(30Hzまでフラット): Freedom Jazz_EQ30
イコライジングあり(50Hzまでフラット): Freedom Jazz_EQ50

2) ベートーベン交響No.5、第1楽章/ブロムシュテット指揮
ソース: Beethoven SOURCE
イコライジングなし: Beethoven NO EQ
イコライジングあり(30Hzまでフラット): Beethoven EQ30
イコライジングあり(30Hzまでフラット、マイクをSP前方20cmに設置): Beethoven EQ30 20cm

如何ですか?
バイノーラルで録音しても、僕には別に音が前から聞こえるようには感じません。もっとリアルな感じを期待していたのですが。ちょっと期待外れかな?

以下、気付いた点を上げてみます。
● Freedom Jazz Danceの場合、ソースをイヤフォンで聴くとベースのロンさんが完全に左端に寄ってしまうのに対し、バイノーラル録音では実際に耳できくのと同じクロストークが発生するので少し中央よりに定位します。

● マイクの性能のせいか、低音は実際に耳で聴くよりも少しコモリ気味に聞こえます。

● ジャズの場合50Hzフラットで十分という感じです。

● No.5でも、バイノーラル録音の方が全体的に中央寄りに定位します。低音がこもり気味に聞こえるので、左右のマイクを手持ちでSP前方20cmに置いて録音してみました。こちらの方が実際の聞こえ方に近いような気がします。別にバイノーラルでなくてもエーンチャウという気もしますね。

これからイロイロと遊んでみようかな?
Alpari6 M 対 P の時に、このような録音サンプルを添付できれば良かったかな?
そのうちM対Pも録音してみたいと思います。

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2011年02月11日 (金) | Edit |
気が付いたらブログ開設(2009年2月5)から2周年を過ぎていました。この2年間「音楽の聴きやすさ」を求めてアレコレとイヂッテきたわけですが、デスクトップ システムとしてはAlpair6 M + FrieveAudioの30Hzフラット馬鹿ブースト(アンプはIcon AMP)で行き着いた感があります。あとは箱の補強(または新作)と超ニアフィールド用スタンドの導入くらいですね。今の箱は実験用にアチコチ穴が空いており、エアコン用の充填パテを詰め込んで塞いでいるので、綺麗にお化粧してやりたいと思いつつ、例のジルコンサンドを大量に使って全く新しい工法で箱を新作してみるかなぁとも思案中です。

馬鹿ブーストすると当然ですが振動板は低周波数で大きく動きながら高域音も発生せねばならないため、高域の音質では不利になると思うのですが、音楽の全体的な聞こえ方を重視する僕には全く問題を感じません。バイアンプ駆動の13cmウーハーを100Hz以下だけで駆動させる新システムも悪くはないのですが、どうしても「自然さ」では馬鹿ブーに一歩及びません。いわゆる微細な「音質」の違いではなく、全体的/総合的な「音楽の聴きやすさ」「自然な聞こえ方」「違和感のなさ」という点で、馬鹿ブーストの方へ無意識に手が伸びるという感じです。言い換えれば、細かい「音質」ではなく総合的な「音楽再生クオリティ」に優れているという事です。

こと「音楽を鑑賞する」という目的において、コンポのスピーカーを破壊してオーヂオイヂリに手を染めた当初に望んでいた「音楽再生クオリティ」にほぼ到達したのではないかと思います。これは、小径フルレンジ一本で反転ポートも使用せずに耳元に30Hzまでフラットなレスポンスを位相遅れなく届ける事によって実現できたという事になります。

もう以前のように「違和感」や「フラストレーション」を覚える事もなくなりましたし、これ以上の「音質?」を望む気も毛頭ありません(箱の鳴りだけはもう少し抑えてみようとは思う)。オーヂオイヂリを始めた頃は一時期「音質」ばかりがが気になって閉口しましたが、今は全く「音質」を気にせずに「音楽」を楽しめます。僕の望む「音楽を再生するための実用的道具」として満足できるレベルに達したと言うことだと思います。

このシステムのコストは、Alpair6 M: 17K、SPボックス(自作): 約3K、Icon AMP: 27K、FrieAudio: 3.2K、DAC: 12K相当ですからPC抜きで約6万5千円くらい、ONKYOのPC(DAC内蔵、約50K)を入れて約10万円になります。これでも以外とお金がかかっているなぁ。。というのが実感です。このレベル(一般向けは50Hzフラット、30Hz/-9dB でよいと思う)のシステムがPC抜きで5万円以下で出回るようになると良いなぁ。。と思いますね。

これとは別にベッドサイド用として、またミニマムな音楽再生装置のスタディとして作製したケロにも大いに満足しています。こちらはiPod Classic(非圧縮)+ i-Trans(エレキットの昇圧トランス) + TU870改 という組み合わせで使用しています。AURAの1"ドライバのおかげか、あるいはデスクトップの反射を受けないせいか、はたまた箱の制振を徹底したおかげか、音の「明瞭さ」ではこちらの方が上かもしれません。ほんとに「よく」聞こえます。また、サブウーハーが8cmと小径であるためか、あるいは3つのSPが近接しているためか、帯域分割の不自然さも感じません。「音楽聴くだけならケロで十分」と言うに十分以上の「音楽再生クオリティ」を備えていると思います。コスト的には上記システムとほぼ同等になるかと思います。

今までにも再三申しましたが、装置の変更による「音質」の微細な変化を敢えて聞き分けたりする事や、ソースに含まれない響きや音場感やナントカ感を創出したりする事にはさして興味のない「本当に好きな音楽をよりよく聴きたいだけ」のリスナーのために(参考記事)、製造者として本来最も注力すべき「リーズナブルな価格の真っ当な音楽再生装置」の根本的な音楽再生性能の改善に努めないと、オーディオ業界はますますニッチになるでしょう。マニアは別にそれで良いのでしょうが、世の中にとって、あるいは民生向け工業製品として、あるいは技術者的観点から、それは決して健全な事とは言えないというのがハチマルの考えです。なぜならば、より多くの人がより安価により手軽によりクオリティの高い音楽再生を楽しめるようにできる極めて容易に実現可能な技術的余地が明らかにそこに存在するからです。これを無視するのは製造者の怠慢としか言いようがありません。オーディオ装置とは何もそれ自体を趣味とするニッチなマニア達のためだけにあるのでは無いという事をもう一度真剣に考えてみてはどうかと思うのだが。

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2010年12月30日 (木) | Edit |
「最も手っ取り早い音質改善法」とは「単純にスピーカーに近づく」だけの事です。

交響曲を聴くのが楽しくて、ついついデスクに身を乗り出して聴いてみました。スピーカーから耳までの距離は約40cmです。ディスプレイが目の前に来るので目を瞑ります。すると、低音も高音もより明確に聞こえ、音量は同じですが耳が近づくので特に低音の迫力も増します。通常のリスニング位置でボリュームを上げても、こうは聞こえません。このような超近接リスニングは、小径フルレンジ1発の馬鹿ブーストだからこそ可能な芸当ですね。

いつもは70cm以上の距離で聴いていますが、この程度の距離でも部屋の影響とデスクトップの反射の影響を結構受けています。FrieveAudioで補正しているとは言え、耳をスピーカへ近付けると、それらの影響が大幅に少なくなるのでもっと聴きやすくなるという事だと思います。また、ボリューム一定でも耳元での音圧が上がるので、低音もより聴きやすくなります。他の何かをイヂルよりも圧倒的に効果が大きくて手っ取り早いと直感しました。小径フルレンジ1発の30Hzフラット+αで超ニアフィールドで聴く交響曲。。。これはかなりイケテますよ。「ライブと同等の音圧」ってやつに拘る場合でも、部屋の影響を殆ど受けずに苦もなく実現できそうですしね。。

単純にスピーカーを手前へ移動するとデスクの作業エリアが狭くなってしまうので、可動アーム式のスピーカースタンドを検討中です。写真のスタジオ用具(ライトやレフ板を固定するための可動式スタンド)の中に適当なものが見つかるかもしれません。当面これが最優先プロジェクトになりそうな気配です。とにかく効果が直接的かつ決定的ですので。

以前から「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」と言いながら、昨日あらためてそれを実感した次第です。

追記1
ただし交響曲以外では、こんなに近づく必要性をそれほど感じません。交響曲の再生というのは特別なような気がします。今のところ交響曲はカナル型イヤフォンで聴くのが最も好きです。ただ長時間は辛い。SONY製の例のオープンエア ヘッドフォンでは低音のレベルとダンピングが不足気味なのでイマイチ楽しめません(改造計画はあるのですが手つかず)。上記の超ニアフィールドが成功すればカナル型で聴く感じにかなり近付けると思います。

追記2
最近買ったVictor製のカナル型イヤフォンHA-FXC71を凄く気に入っています。このイヤフォンはダイアフラム自体を耳穴へ突っ込む(すなわちダイアフラムと鼓膜の間に介在する空気室の容積が極小)という究極のニアフィールド ドライバです。低音を非常に明確に聴く事ができます。価格も6K円程度と手ごろですし、リファレンス用としても強力にお薦めします。イヤフォンは凄いです。ホントニ。別に音場が前方に展開しなくても僕には全く気になりません。
665.jpg
そう言えば、LEANAUDIOを始めるきっかけとなったのもカナル型イヤフォンでした。携帯電話で聴いたフルトベングラのベトベン交響曲に鳥肌立てていたっけ。。。

追記3
カナル型イヤフォンは、マイクロフォンと同等サイズのダイアフラムを使用し、駆動した空気の全てを密閉した耳穴へ送り込むわけですから有利なのは当然ですね。極端に言えば、ダイナミック型マイクロフォンを耳に突っ込んで、録音時の信号を逆に流して再生しているのと似たようなものですから。。これに比べれば、巨大なダイアフラムで大量の空気を駆動しなければならないスピーカーというのはいかに効率の悪い事か。。。なんかスピーカーで苦労してあれこれやるのがアホらしくなってきます。装着感と鬱陶しいコード、それと健康への不安さえなければ。。。。。音楽体験の初期から原理的に圧倒的高音質のイヤフォンに慣れ親しんだ若い人達が現在のオーヂオスピーカーの音に満足できるのかどうか?

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2010年11月27日 (土) | Edit |
Alpair6 Mの馬鹿ブーストは相変わらず絶好調です。音量を上げても低音が破綻しないので、つい必要以上にボリュームを上げてしまいます。

で、音量を上げるとデスクの微妙な振動が手に伝わって気色悪く感じる事があります。音も微妙に濁り始めます。デスクに伝わる振動の原因には、スピーカー箱の振動による機械的起振と低周波音による音響的起振が考えられます。

音量を上げて音楽を聴いている時に箱に触ってみると、はっきりと振動している事が分かります。ケロの時にも経験したのですが、箱表面の振動が大きくなると明らかに低音が濁って違和感を覚えます。特にケロはスピーカーまでの距離が近いので敏感に感じたため、制振にいくつかの対策を施しました(参考記事)。ポチも何かやった方が良いかもしれません。イロイロ考え中。。。

箱の振動の原因には2つ考えられます。1つは内圧の変化(特に小容積密閉型では内圧の変動は大きくなる)、もう1つは振動板の反動です(質量を持つ振動板が前後に動くので、その反動が箱に伝わる)。前者に対しては箱の剛性を上げる(板厚を上げる、補強を入れる)、後者に対しては箱の質量を上げるか、アンカーシステムのようにドライバー自体にマスを付けてフロートする事が効果的であると考えられます。ポチもケロも容積の割には厚めの15mm合板を使用していますが、多少音量を上げたとてたかが知れたニアフィールド用の音量と小っちゃな箱でも結構振動します。振動するという事は音を出すという事です。しかも表面積は振動板より圧倒的に大きいし。。

もちろんインシュレータも床やスタンドへの振動の伝達を遮断する上では有効ですが、箱表面の振動そのものを取り除いてくれるわけではありません。ちなみにハチマルはAudioTechnica AT6099という結構しっかりと振動伝達を遮断してくれるタイプをデスクとウーハーBOX間、ウーハーとメインSP BOX間に3個ずつ、計12個使用しています。アホみたいに高価ではないし(6個入り4,200円、普通そんなもんでしょう。どう考えても)、理屈もしっかりしているし、測定データで効果を実証しているので超オススメです(実際に効果大)。

僕の場合は、音量を上げると言っても所詮はニアフィールドなので、小っちゃな箱とせいぜいデスク板(ディスプレイも?)の対策だけで済みますが、一般的家屋の部屋に大型システムを置いて「ライブと同等の音量」での再生を行う場合にはタイヘンだと思います。音響的起振と大型/大出力SPボックスの振動による機械的起振によって部屋中のあらゆる物体(壁、床、天井、ドア、建具、家具、額縁、等々)が振動して出すそれぞれに固有の振動数(周波数)の音が無視できなくなるのではないかと考えられます(ましてや微細な音質を追求する方々には。。)。通常の部屋のサイズだと50Hz以下(僕の小さな部屋だと60Hz以下)で定在波によるゲインが発生します(参考記事)。この領域までしっかりとしたレスポンスを持つ大径ウーハーを大音量で鳴らすと、この定在波はかなりのエネルギーを持つと思われ、それこそ部屋を揺るがしかねません。部屋が揺らぐという事は、その中のあらゆるモノも揺らぐワケですから、それらもそれぞれに固有のテンデ勝手な周波数の音を放出します。(締めきった部屋のスピーカーから出された音響エネルギーは部屋の壁や調度類の微小な振動によって熱に変換されて吸収されます。音響エネルギーが大きくなると、それらの振動も当然大きくなり耳に聞こえる程の音を発し始めます。例えば窓硝子がビリビリとか)。

従って音響的な対策が何も施されていない通常の部屋で大音量を出すというのはかなりのリスクを伴う行為であると思われます。そもそも普通の部屋では、内部でそのような大振幅・低周波の空気振動が発生する事なぞ全く配慮されていないはずですからね。大型の機器を入れてそれなりに大音量で再生したい場合には、吸音だけでなく壁面や床/天井およびドア等の建具の強度(制振)にもそれなりの配慮が必要なはずです。ホールとか映画館のドアってゴツイですよね。そんな場所とオンナヂくらいのデカイ音をチッチャナお部屋で出そうってんですから、尋常な事ではありません。いくら高級な装置を使用しても、部屋が何も対策されていないとイッタイ何をやっているのかワケがわからなくなります。音響波をナメタラアカンゼヨ。ってやつです。

と前置きが長くなりましたが、常々僕が不思議に思うのが「そもそも、それほど大音量で再生音楽を聴く必要があるのか?」という事です。

「ライブと同等の音量(耳での音圧)で聴くのが理想」というオーディオマニアの意見をよく聞くのですが、果たしてどうなのでしょうか? その根拠は恐らく「等ラウドネス曲線」(人間の耳は、音量が低いと低音と高音が聞こえにくくなるという特性)と「ダイナミックレンジ」(音量が小さいと記録されている微小な音が聞こえなくなる)あたりにあると思われます。

例えば2本のマイクだけでオーケストラの音を収録し、一切のイコライザー処理を施さずに録音されたソースであれば、この考え方にも納得できます。しかし実際の録音では、楽器に近接設置した多数のマイクロフォンで収録し、スタジオでモニターしながら慎重に各チャンネル(楽器)のレベル調整とイコライジングが行われます。何故このような手間のかかる方法で録音するのでしょうか? この際エンジニア/アーティストはどの程度の音量でモニタリングしながら調整するのでしょうか? さらに言えば、大切な顧客の平均的なオーディオ環境をどの程度に見積もっているのでしょうか?

例のごとくネットでいろいろと調べたのですが、確たる情報は得られませんでした。
断片的な情報ですが。。。。
● スタジオによってモニタ音量は異なるが、それほど大音量ではないらしい(ヨーロッパのスタジオはアメリカのスタジオに比べて音量が低いらしいという情報もあり)。
● ラジカセレベルでどのように聞こえるかも確認するらしい(そういえばSONYのSP一体型CDプレーヤーが多数のスタジオで愛用されていた(いる)という情報もある - 参考記事)

あまり正確な情報が得られませんでしたが、僕が思うに、そんなに高級な装置でなくても、そんなに大音量でなくても十分に音楽が楽しめるようにとのアリガタイ配慮の下に調整されているのではないかと思います。だって、凄いリスニングルームを持っていて「ライブと同等の音量」で再生する人なんか、世の中にそんなに居るわけないですもんね。。どう考えても。

で、そのように調整されたソースを「ライブと同等の音量」で聴くと、もの凄くよく聞こえすぎてキツク感じるのではないでしょうか。また、限られた空間内で聴くので精神的圧迫感も凄まじいと思います(僕にとっては拷問に近いかも)。オーディオマニアの多くが僕から見れば異常なまでに「響き」とか「音場感」に拘るのは、このヘンに原因があるのではないかと推測されます。

以前に、オーディオマニアと音楽家のオーディオ装置に対する嗜好の違いについて議論している板をご紹介しました(参考記事)。そこでは、音楽家は総じて「音場感」に頓着しないという点と、音楽家の装置の音は総じて「キツイ」という点が指摘されています。しかしこれは「音楽家 VS オーディオマニア」というよりは「オーディオマニアではない一般リスナー(ハチマル含む) VS オーディオマニア」の違いと言っても良いのではないかと思います。そして、このような嗜好の違いの主な原因の1つとして「再生音量」があるのではないかと僕は推測しています。

さらに、この「ライブと同等の音量」という考え方の大元には「再生音楽とは生演奏の再現である」という根強い考え方が見て取れます。しかし、多くの一般リスナーは(ハチマルも含めて)「再生音楽とはスピーカー(またはイヤフォン/ヘッドフォン)で好きな時に好きな場所で好きな音楽を聴くためのモノ」としか考えていないと思います(そのような態度が「音楽」を鑑賞する上で「低レベル」だとは全く思いませんし、ましてやマニアのように微細な事に拘る事が「音楽」を鑑賞する上で高レベルな行為だとも全く思いません)。また、上記したように、製作側も正確な「再現」というよりは「オウチで聴きやすく」にかなり配慮していると考えられます。

音量を上げれば上げるほど、装置側の機械的および電気的な面に加えて再生場の音響的な面でも音質低下のリスクが増加します(健康上のリスクもね)。録音されている「内容」がストレスや圧迫感を感じずに快適かつ必要十分に聞き取れるだけの適度な音量があれば、それで十分ではないでしょうか。また、媒体自体もそのように聴かれる事を意図して製作されているのではないでしょうか。

追記
スタジオのモニターシステムや、エンジニア/アーティストの嗜好によっても録音の傾向は結構異なります。ライブ盤(特にジャコの海賊盤)なんかは酷いのもあります。このため、快適音量に調整した上で、デジタルイコライザによる微調整が非常に有効です。

例:
- 60年代のマイルスとハンコックのリーダーアルバムでは、ハンコックの方が低音寄り、マイルスの方がシャープに聞こえるので、僕はイコライザでチョコッと補正する。
- クラシックではジャズに比べて高域をチョコッと落とす。

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2010年11月23日 (火) | Edit |
20万ヒットという一区切りを迎えたのを機に、ハチマルのLEAUAUDIOコンセプトについて振り返ってみたいと思います。

何度も書きましたが、カナル型イヤフォンの低音の聞きやすさに感動した事からハチマルのオーヂオイヂリが始まりました。当時使っていたDENON CD/MDコンポの見た目ご立派なスピーカー(13cmウーハー、2ウェイ、6Lバスレフ)ではモゴモゴして不明瞭な低音しか聞こえず、アタマに来たので、この箱を徹底的に補強してF80/AMGに換装した事からLEANAUDIOトライアルが始まったというワケです。。。

とっとと結論から言うと、LEANAUDIOコンセプトが第一に重視するのは「音楽の聴きやすさ」すなわち「耳を澄まさなくても録音されている「内容」が耳にそして意識に「自然」かつ「明瞭」に届く」という事です。
「正確」=「自然」&「明瞭」な音楽再生がLEANAUDIOの基本コンセプトです。

聴きやすさを求めてイロイロ試し、その後測定で追認してきたわけですが、結局「媒体に記録されている信号波形をできるだけ正確に耳に届ける」事によって目標とする「音楽の聴きやすさ」が得られるというのがハチマルの結論です。ハチマルがやってきた事の大部分は、ほぼこの1点に集約されます。
これって、考えてみれば極々アタリマエの事です。だって録音されている「内容」を聴きたいワケですからね。。。

媒体上の信号波形をリスニング位置まで正確に届けようとした場合に問題となる要因として下記が挙げられます。
1) 部屋の音響特性
2) スピーカーの低域再生限界
3) マルチウェイSPのネットワークやアンプのトーンコントロール等のアナログ式フィルタ
4) バスレフポート
5) SPボックス内部の定在波
6) 密閉型SPの機械的共振

これらは主として低音領域(ざっと言って200または500Hz以下)に関係しています。基本的に高音は苦労なく耳へ届ける事ができます。
ハチマルは実際にこれらの影響を受けた音に違和感を覚え、またこれらの現象は全て極めて簡単な測定で明確に確認できるほどの大きな問題である事が分かりました。

これらの問題を解消するために、LEANAUDIOシステムでは下記の方策を採用しています。

1) 特に低音に致命的影響を与える部屋の定在波を回避するためにニアフィールドリスニングを基本とし、高性能なデジタルイコライザ(FrieveAudio)による音場補正を適用してリスニング位置の周波数特性/位相特性をフラットに修正する
2) 下記の手段にて少なくとも50Hzまで、望むらくは30Hzまでフラットな周波数特性を確保する
- FrieveAudioデジタルイコライザによる低域信号ブースト(馬鹿ブースト)
または
- パワードウーハー(バイアンプ駆動または2.1chシステム)による100Hz以下の低音アシスト
3) 100Hz~20kHzを1本でカバーできる8cmフルレンジドライバをメインとして使用し、重要帯域でのクロスオーバーを回避する
4/5/6) 吸音材を大量に入れた小容積の密閉型ボックスを採用し、バスレフ型の位相(トランジェント)問題、箱の定在波、ドライバの機械的共振を抑える

これらの方策を適用して媒体に記録されている信号をできるだけ「正確」に耳に届ける事により、「自然」で「明瞭」で「聴きやすい」音楽再生が可能になります。また、これらの方策の効果は全て測定でも確認する事ができました。

LEANAUDIOシステムの音は、いわゆるHiFiオーディオ的な音ではないかもしれません。ハチマルには、オーディオを趣味とされる方々の間で一般に「良い」とされる(響き感のある?、アトラクティブな?ライブ感のある?音場感のある?飛び感のある? その他諸々のXX感のある?と言われる)音にするために手を加えられた、いわゆるオーディオ的な音は不自然に に感じられて (つまり音楽が聴きにくく、音楽がよく聞こえない)、長時間聴くには耐えられません(ハチマル用語ではこれを「ステレオ臭い」音という)。たとえば、ハチマルは昔から立派なオーディオ装置でFM放送を聴くのが凄く嫌いでした(ナレーションが変に響いて、不自然に聞こえるため)。LEANAUDIOシステムではネットラジオを聴いても極自然なナレーションを聴く事ができます。

誤解を恐れずに言えばLEANAUDIOの音は「普通のラジオの音を広帯域/低ノイズ/低歪みにしただけ」のような音と言えるかも知れません。これは「オーディオ装置とは音そのものを嗜むための装置ではなく、音楽を聴くための装置」というハチマルの基本姿勢を如実に反映していると言えます。別に音そのものを楽しみたいわけではなく、可聴帯域の様々な音で複雑に構成された音楽作品(音楽家の行為/表現の結果)を苦労せず明確に聴き取って楽しみたいという事です。

でもね、生音って意外とそんなにキンキラしてないと思いますよ。。。だって媒体に記録されている音そのものはそんなにキンキラしてないですから。。

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2010年10月17日 (日) | Edit |
部屋の定在波の影響は「音楽の聴きやすさ」を阻害する大きな要因となります。

以前の記事でベッド位置での特性をお見せしましたが、今回は部屋の数カ所で測定してみました。
測定箇所を下図に示します。
600_20101017123648.jpg

今回は13cmウーハーだけを使用しました(測定位置が離れるとそれだけボリュームを上げねばならず、虎の子のAlpair5をあまりイヂメたくなかったのよ)。このウーハーは5kHz以上で出力が低下するため、測定データは5kHz以下だけを表示します。定在波の影響が顕著に表れるのは低域だけなので、目的上なんら問題はありません。

601_20101017124008.jpg
赤がウーハー前方20cmでの測定値(実はこの位置でも既に部屋の影響が見られます)。黒が補正後の出力です。20Hzまでほぼフラットな出力が得られています。今回はこのフラットな出力を用いて、部屋の各位置での応答を測定しました。

602_20101017124212.jpg
通常のリスニング位置よりやや後方の約80cmでの測定結果です。すでにかなり凸凹している事が分かります。約1kHzのディップは部屋の影響ではなくデスクトップの反射の影響です。通常この帯域はAlpair5に受け持たせていますが、Alpair5はウーハーより高い位置にあるため、通常の使用状態ではこれほど顕著なディップは発生しません。

603.jpg
上記から60cm後退した140cmでの結果です。100Hzを中心に大きく落ち込み、60Hz以下ではゲインが発生しています。

604.jpg
さらに60cm後退した200cmでの測定値です。基本的に140cmでの結果と大きく変わりません。100Hz前後の落ち込みはやや改善されますが、60Hz以下のゲインは逆にやや増加しています。

605.jpg
200cmの位置から左右に1m程度移動してみましたが、傾向はほとんど同じです。

今回の結果を見る限り、スピーカーからある程度以上離れると応答特性は場所によってあまり変化せず、部屋の形状でほぼ決まってしまうように見受けられます。

このような現象は、平行な壁面の間を音波が行ったり来たりして測定位置で互いに強めあったり弱めあったりして生じるワケですが、波長が部屋の寸法と同等以上となる低音域ではその影響が大きく出ます。何度も行ったり来たりした音を聴くことになるため、周波数ドメインだけでなくタイムドメイン的にも影響が出ます。これは周波数ドメイン的音場補正だけでは補正しきれません。

低音になるほど吸音は困難となり、一般的住居で効果的な吸音を施す事は極めて困難です(実験用無響室の壁面があのように巨大な凸凹で覆われているのはそのため)。オーディオルームを専用に設計するのであれば、平行面をなくす等の対応も取れますが、通常の住居ではそれも適いません。

最も手っ取り早いのは、とにかくスピーカーに近づいてできるだけ耳に届く直接音の割合を増やす事です。これがニアフィールドリスニングの最大の利点であり、すなわち音楽の聴きやすさを求めならば「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」の所以です。

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2010年10月09日 (土) | Edit |
僕は仕事部屋に仮眠用の折り畳みベッドを置いており、仕事の合間にそこに横になって音楽を聴きます。今までは、デスクトップに置いたAlpair5の音をそのまま聴いていたのですが、ウッドベースの音が聞こえにくかったり、時々ボーボーと極低音の不気味な唸りが聞こえたりするので、それを解消すべくケロを作ったというのがソモソモの経緯です。

で今回は、Alpair5の音をベッドサイドで聴いた場合の周波数特性を測定してみました。

まず部屋の見取り図をお見せします。天井高さは標準的な2.4 mです。
602.jpg
引っ越し当時はまだお勤めしていたので、トーちゃんの籠もり部屋として一番小さな部屋(マンション6畳弱?)を確保したのですが、その後フリーになって自宅で仕事するようになってからも大きな部屋をあてがってもらえず(息子の部屋もカーチャンの部屋もハチマルのより大っきい)、この小さな部屋で家族のためにセッセと働いています(偉いぞトーチャン。とは誰も言ってくれない。。。。カイシャ辞めたのはトーチャンの我が儘でしょ。。というコトらしい)。

で、お仕事中は今まで何度も紹介したように、スピーカから約0.7mの距離で聴いているわけですが(特性はコチラ)、ベッドサイドまでの距離は2m以上あります。この位置での周波数特性を下図に示します。
601.jpg
黒がスピーカ前方約20cmの特性(新システム)、赤がベッドサイド(2m)の特性です。約500Hzから60Hzまでレスポンスが低下し、60Hz以下では逆にレスポンスが高くなっています。このためウッドベースの重要帯域が聴き辛くなると共に、交響曲等を聴いていると、時々「ボー」「ボー」と超低域音が気色悪く鳴り響きました。もしライブと同音量とかの大音量で聴くと確実に気分が悪くなると思います。

このようにスピーカーから離れると、特に低域で部屋の影響をモロに被る事になります。これがハチマルの言う「スピーカーは近くて小さいに超した事はない」の所以でもあります。

現在はケロのおかげでベッドサイドでも快適に音楽を楽しめるようになりましたとさ。メデタシメデタシ。。。。

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2010年10月05日 (火) | Edit |
前の記事からの続きです。

極々大ざっぱに言えば、従来、それほど大音量を必要としない家庭用オーディオであのような大型スピーカーが必要とされたのは、ただたた低音を再生するためでした(PA用では大音量を出すためにも大型化が必要ですが)。何も立派に見せて高く売るためではありません。誰も好き好んで大きくしたくは無いけれど、低音再生のためには仕方が無かったという事です。また、サイズが大きいために離れて聴く事を強いられて来たわけです。全ては十分な低音を再生するために。。。。また、そのようなスピーカーを十全に駆動するために駆動側の装置にも高い要求が課せられ、スピーカ自体にも複雑なマルチウェイ システムが必要とされてきました。

現在のオーディオの標準的なリスニング スタイルは、ある意味このような主に低音再生にまつわる足枷を背負っていると言えます。

しかし、前の記事に書いたように、それなりの方法を用いれば、(特定の音量制限の下に)大した苦労もなく小さなスピーカーでも従来の大型並(あるいはそれ以上、しかも長年背負ってきたバスレフ問題からも開放されたホンモノノ)低音性能を得る事ができます。つまり、上記の長年の呪縛を解く事ができるわけです(発想の転換が必要)。

599_20101005083250.jpg
FOSTEX G2000 (バスレフ型)とケロ(密閉型)
ケロはアンプ内蔵の50Hzローカットフィルタを解除すれば、
これとほぼ同等の低域特性を持ちます
両者間で決定的に違うのは最大音量(すなわちリスニング距離)

小型でも十分な低音特性が得られると言う事は、スペース面/コスト面だけでなく、「音楽を聴く上での音質面」で決定的に大きな意味を持ちます。すなわち身近に置けるという事です。
これは2つの意味を持ちます。

- 音楽再生で(特に低音において)最も影響が大きく最も厄介な部屋の影響を根本的に軽減できる事
-------- 「音楽」が極めて自然に聴きやすくなる
- 小出力でも耳位置で十分な音圧を確保できる事
-------- この事自体がさらなるスピーカーの小型化を促す(サイズは必要音量で決まる: 前記事参照)
-------- 駆動側に対する要求が低くて済む(小出力のアンプでも十分)

何も立派なリスニングルームが無くても、たいそうなアンプ類が無くても、日常生活に溶け込んでアタリマエのように交響曲の楽しさを味わえる十分な低音性能を備えた本当の意味での音楽再生装置が実現します。これがハチマルの考える「これからの一般「音楽」リスナー向けオーディオ」です(オーヂオマニヤ用ではアリマセン)。

もちろん「身体に感じる重低音」をこのようなシステムに求める事はできません。それを望む方々向けには、それなりに大型の極低音用サブウーハーが追加で必要となるでしょう(部屋全体の空気を振動させるために)。この場合、位相もへったくれもない(とにかく部屋の空気を動かせば良い)ので、部屋のどこにサブを置いてもタブンOK。もともと大型スピーカーを一般的サイズの部屋に置いて聴いている場合の極低音でも位相もへったくれもないはずです(部屋の影響で)。ちなみに僕はコントラバスの最低音である約40Hzまでは、位相のきちんとしたスピーカーからのダイレクト音を聴きたいと思います。

以上

LEANAUDIOチッチャキモノ倶楽部

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2010年09月22日 (水) | Edit |
デスクトップでの試聴とチューニングを終えたので、ベッドサイドへ移動して実用稼働中デアリマス。

ケロケロは上下逆さまにして三脚に固定。アンプにはTU-870を使用中。
582.jpg

まだ少し低音のダンピング不足を感じたので吸音材を増量しました。結局いつものように、内部空間をほぼ吸音材で満たす事に。。。これがハチマル標準設定のようです。

ハチマルがイロイロな音楽を片っ端に聴いていた大学時代には、万年床の枕元にステレオラジカセを置いて寝転んで聴くのが標準スタイルでした(あの頃から超ニアフィールド派だったのね)。なのですごく懐かしい感じがします。当時よく聴いたウェザーリポートや山下洋輔を聴いていると下宿の天井が目に浮かびます。

寝転んで聴くと身体がリラックスするせいか、あの頃のようにトリップ状態に入りやすいようです。完全に寝てしまう訳ではなく意識は音楽を追いかけているようなのですが、かといって聴覚として聴いているのやら聴いていないのやら甚だあやしげなというかナントイウカ、どの程度の時間なのかも定かではありませんが一瞬意識が宙を舞うというか。。。時間の経過が速いというか。。やっぱり結局寝ているのか???
でもベト様の9番を聴いて今までになく感動したりとか。。

ヨクワカリマセンが、たまには寝転んで聴くのもオススメでゴザイマスよ。
時々ホントに寝ちゃいますけど。。。

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2010年09月19日 (日) | Edit |
ケロケロをデスクのいろいろな場所に置いて試聴しています。涼しくなる前から連続使用していますが、アンプのオーバーヒートもなく一安心。実はAura 3インチのマグネットもかなり発熱する事が分かっており、こちらも心配だったのですが、大丈夫なようです。

設置自由度の高さがケロケロの売りの1つです。デスク上で場所を変えて試聴してみました。
579_20100921071757.jpg
最も聴きやすいのはミニ三脚に載っけて左方に置いた状態。デスクに直接置くと、反射の影響のためか、あまりクリアに聞こえません。それと、大きな低音が入ると微妙に手に振動が伝わって気色悪い。。という事で普段は三脚を使用して聴いています。真ん前から聞こえなくてもエーンチャウ?という感じ。
現在ベト様5番を聴きながら書いていますが、少しだけBASSレベルを上げれば十分楽しめます。なかなか良い出来ではないでしょうか。。とマタマタ自画自賛。

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これが本来の用途。ベッドサイドに設置した状態。今日はじめて試したのですが超ゴキゲンです。デスクの影響が出ないので、さらにクリアに。今日は1日ゴロゴロしながら音楽を聴きますよ。

以下では、製作過程を少し振り返ってみたいと思います。

作りながら考えるという「現物主義」なので、製作開始時点では今のようなカエルさんになるとは思いもしませんでした。当初はメインスピーカを自由に配置できる分離型にしようと考えていました。しかしリスニング距離50cm程度で左右のスパンを大きく取るとステレオ感が出過ぎて気色悪いので、最終的に一体型を採用した次第です(ほぼ左右の耳のスパンと同じ230mm、しかもやや内側へ向けている)。スパンを拡げると、何も無い空間に気色悪いくらいポッカリと音像が浮かび上がるのですが、僕の場合それだと気が散って音楽が聴き辛くなるような気がします。音の出所と視覚がある程度一致する方が心理的に落ち着くのかもしれません。

こんなにスパンが狭くてもステレオ感は十分にありますよ。試作時の左右セパレーションの確認には、ダブルカルテット(クインテットだっけ?)を左右に配して録音されたオーネットコールマンの「Free Jazz」を使用しました。この作品だけはモノラルでは聴けませんもんね。

580 copy
右の黒いのがポチ一型(2.5L)を斜めに真っ二つにカットした片割れ。これが最初の状態です。この時点ではカエルになるとは思いもよりませんでした。

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これは途中段階。一体型を採用する事に決めた段階です。このカエル的基本形状が決まるまでは、メインスピーカを手に持って移動させながらいろいろな曲で試聴を重ねました。ナカナカオモシロイ実験でしたよ。Auraの1インチではまだまだ遊べそうです。もう1セット買っておこうと思います。

そして、さらに試聴しながら徐々に角をカットして容積を小さくした結果が現在の形状です。内部も補強しているので、容積は約700ccしかありません。図面もありません。現物あわせでテキトーにマジックで線を引いて、鋸でゴシゴシとカットしましたから。。という事でエンクロージャの材料費はゼロ。あり合わせの端材で済みました。

外装は塗装ではなく合成皮革です。ユザワヤに塗料を買いに行ったら、ワゴンセールで半端もの合成皮革を280円で投げ売りしていたので、2色買ってG17で表面に貼り付けました。これもお安く上がりました。作業は結構タイヘンでしたけどね。

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2010年09月16日 (木) | Edit |
ペコポン侵略の最終兵器がやっと完成したであります。サブウーハーアンプの音が出なくなったりヒューズが飛びまくったりで苦労してたのでありますよ。。。我が輩、がらにもなく今回はデザインにもちょっと凝ってみたであります(今日はケロロ軍曹口調)。

名付けて LEANAUDIO MicroMonitor KERO-1 でありまっす!

576_20100916103209.jpg

アンプとスピーカーは自由雲台で合体可能。
もちろん分離も可能でありますよ。

面倒くさいことが嫌いなハチマルにしては上々の仕上がりなので、FOSTEXのコンテストの書類審査に出してみようと考えています。今月になって知ったのですが、アンプ内蔵スピーカーでも応募できるんですね。だもんで、急遽合体可能に改造(間に雲台かまして、アンプ箱の外装をお化粧なおし)。でも、これって「内蔵」と言えるのか???

音はもちろんLEANAUDIOサウンド。「音」には味も素っ気もゴザンセン。ソノマンマの音。ハチマルは「音楽」の味や素っ気を楽しみたいのよね。だから無用な響きは徹底的に抑え込んでいます。おかげで「音楽」がすごく聴きやすいですよ。学生時代にステレオラジカセを枕元に置いて寝転んで聴いていた状態に近い聞こえ方かもしれません。音質(特に低音)はその頃とは格段に違いますけどね。

577.jpg
40cmでの特性です。標準状態で45Hz/-6dBです。交響曲だとちょっとだけ物足りないですが、この大きさを考えればご立派でしょう。サブウーハーの箱容積なんか700ccあるかないかですよ。メインスピーカーにいたっては100ccあるかないか。。。

これから応募の書類作成に入ります。ヒミツ?のプチ工夫もいくつかあるのですが、詳細は書類審査の結果が出てからご紹介。書類審査くらいはパスして欲しいものであります。

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2010年08月04日 (水) | Edit |
図面も書かずにポチ1型ボックスを真っ二つにカットした状態から、切った貼ったでゴニョゴニョと実験していたのですが、ほぼこんな形で落ち着きそうな気配です。名付けてケロ1型(蛙っぽくない?)。キーボードの手前(デスクの前端)に置いてもオシゴトは十分に出来そうですよ。耳までの正味距離は40cmくらい。

575_20100805071238.jpg

574_20100805071215.jpg

ユニットはAuraの1"と3"で決定。この1"は凄く良いです。200Hz近くまでフラットに再生するので、新システムで少しクロスオーバーを上げてAlpair5の代わりに使って見たのですが、めちゃくちゃクリアです。特にピンクフロイドやウェザーリポート等の緻密なエレキ音楽ではAlpair5以上に細部まではっきりと聴き取れます。さすがのAlpair5もこの振動板の小ささには適いませんねん。

音楽をできるだけクリアに聴き取れるようにするには、スピーカーが近くて小さいのに超した事はありません。その究極の形がイヤフォンです。本当に真剣に音楽を聴きたいのならイヤフォンに適うものはないとすら思っています(ただし装着感と耳の健康上に問題あり)。このケロケロ モニターはイヤフォンとスピーカーの中間的な存在を狙っています。

この1"をもう1セット新システム用に購入して、Alpair5は馬鹿ブースト専用にしようかなぁ。。。なんてね。

完成までまだまだ先は長いですが続報をお待ちください。って、真剣に作れば3日で完成なんですけどね。。最近根気が無くて。。暑いし。。

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2010年07月19日 (月) | Edit |
超ニアフィールド システムの実験を進めています。

やはりスピーカーは近くて径が小さいのが何よりですね。スピーカーから耳までの距離が近いと、部屋の影響が極端に少なくなるので凄く明瞭に聞こえます。定位も素晴らしく良いですよ。モニター用途には特に向いていると思います。

音楽再生で最も厄介で最も影響の大きいのが部屋の音響特性ですが、そいつを最も簡単にやっつける方法がニアフィールド リスニングです(参考記事)。これとは逆に、小っちゃい部屋に大っきなスピーカーを置いて大っきい音で離れて聴くというのが最も厄介な状態です。部屋の吸音特性を余程念入りにチューニングしないと100Hz以下が大変な事になります。しかも100Hz以下の吸音というのはちょっとやそっとでは出来ません。

一通りできたらご報告します。といっても、どうせ最後まで実験君状態だとは思いますが。
ベッドの枕元に設置したいのよね。iPod用に。

ブログハ シバラクオヤスミ

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2010年06月26日 (土) | Edit |
ニアフィールド システムの実験には、とりあえず手持ちの8cmユニットを使用します。

メインスピーカーにはFOSTEXのFE87E、サブウーハーにはTangBandの銀色のペーパーコーンのやつ(1本だけ)を使用する予定です。

で例のポチ1型(2.5L密閉)にTangBandを付けて、パワードサブウーハー用のアンプで駆動した場合の周波数特性を測定してみました。先の記事で書いたように、メインスピーカー(FE87)の箱は1L以下にする予定なので、サブウーハーには約200Hzまで受け持ってもらう事になります。

568.jpg
マイクロフォンは手持ち(最近どんどん雑になってます)。

ポチ一型には例によって吸音材をたっぷりと詰め込んでいます。グラフにはカットオフ設定の異なる4つの特性をプロットしました。約55Hzから200Hzまでほぼフラットな特性が得られる事が分かります。iPodでの使用も想定しているため、イコライザなしでもできるだけフラットにしたいので、この特性はありがたいです。

このアンプは、スピーカーを保護するために50Hz以下を急激にカットするフィルタを内蔵してるようです。このフィルタを殺す事ができれば50Hz以下も伸ばす事ができるかもしれません。少なくとも密閉型本来の-12dB/Octの減衰特性は得られるはずです。できれば挑戦してみたいと思います。

サブウーハー用の箱も1L以下を目標とします。どこまで小さくできるかが勝負です。FE87で良好な結果が得られれば5cmまたは2.5cmユニットでも試して見る予定。Alpair3を作ってくれないかなぁ。。。

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2010年06月26日 (土) | Edit |
新システムの方はウーハー側の吸音材を増やす事によって微妙な違和感もなくなり、もうイヂルところは無さそうです。今まで実験君的に適当に箱を作ってきたので塗装も雑ですしバスレフポート用の穴も粘土等で適当に塞いでいるだけです。なのでそろそろ見栄えのする箱でも作ろうかなぁ。。。。B&Wみたいなのを。。。

と考えていたのですが根っからの開発屋なので綺麗に作るという事に対してはナカナカ意欲が沸きません。面倒臭い事は嫌いなのよね。それよりも夏場用に小さな音でも十分に音楽が楽しめる超ニアフィールド システムの実験を始めようかな。。。とね。そっちの方が絶対にオモシロイ。

サブウーハー用のモノラルアンプと8cmドライバーが2セット余っているので、とりあえずこれらを組み合わせて近々実験を始める予定です。スピーカーから耳までの距離は50cm以内を目標とします。キーボードの前または後に置いても仕事の邪魔にならない超コンパクトなシステムを目指しますが、ブーストなしでも50Hzまでフラットな特性は維持できそうです(昨日ちょっとだけ実験済み)。

このシステムは2.1ch構成にする予定です。卓上のコンパクトなシステムを目指すため、メインスピーカーの容積をどこまで小さくできるかが鍵となります。

と言うことで例によって「スピーカー設計プログラム アプレット版」で密閉型スピーカーにおける容積の影響を計算してみました。

567.jpg
上図はAlpair5を5.5 Lから0.2 Lの密閉箱に入れた場合の特性です。赤はスピーカーのインピーダンス、紫は振動板の振幅です。容積が減るにつれてインピーダンス(赤)のピークが高域側へ移動し、それに伴ってピークの高さ(すなわち共振の強さ)が減少します。

共振ピークが抑えられる事によってスピーカーの出力も減少します。このように密閉型の場合はスピーカーの共振によって低域のロールオフ周波数がほぼ決まります。このためドライバーの最低共振周波数(fs)が低いスピーカーほど低域を伸ばす事ができるという訳です。
容積の影響はスピーカーのインピーダンス特性が変化する領域だけに現れ、従って共振の効果がなくなる50Hz以下では箱の容積の影響はほとんど見られなくなります。言い換えれば、密閉型はスピーカの共振を利用して低域を「増強」しているとも言えます。

しかし、この共振領域では小さな入力でも振動板が大きく動こうとするため、特にダンピングファクタの低い小型の真空管アンプでは影響が顕著に表れます(制動が不足する)。僕はスピーカーの共振によるダンピングの弱まった音が嫌いなので、吸音材をたっぷりと詰め込んで共振を抑え込んでいる事は以前の記事で書きました(まだお読みでない方はコチラを先にお読みください)。従って現在のシステムでもさらに箱を小さくしても良いかもしれません(現在2.5Lですが1.5Lくらいまで減らしても良さそう)。

もちろんフルレンジ スピーカーをそのまま使用する場合には、密閉箱の容積を減らすとてきめんに低域が痩せてしまいます。しかし僕のようにデジタルイコライザとバイアンプ駆動のウーハー(またはパワードサブウーハー)を使用し、かつ、ダンピングの効いた低音を好む場合には、容積をかなり小さくできるはずです。まずは1Lから開始して0.5L程度までトライしてみようと思っています。

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