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2010年11月23日 (火) | Edit |
20万ヒットという一区切りを迎えたのを機に、ハチマルのLEAUAUDIOコンセプトについて振り返ってみたいと思います。

何度も書きましたが、カナル型イヤフォンの低音の聞きやすさに感動した事からハチマルのオーヂオイヂリが始まりました。当時使っていたDENON CD/MDコンポの見た目ご立派なスピーカー(13cmウーハー、2ウェイ、6Lバスレフ)ではモゴモゴして不明瞭な低音しか聞こえず、アタマに来たので、この箱を徹底的に補強してF80/AMGに換装した事からLEANAUDIOトライアルが始まったというワケです。。。

とっとと結論から言うと、LEANAUDIOコンセプトが第一に重視するのは「音楽の聴きやすさ」すなわち「耳を澄まさなくても録音されている「内容」が耳にそして意識に「自然」かつ「明瞭」に届く」という事です。
「正確」=「自然」&「明瞭」な音楽再生がLEANAUDIOの基本コンセプトです。

聴きやすさを求めてイロイロ試し、その後測定で追認してきたわけですが、結局「媒体に記録されている信号波形をできるだけ正確に耳に届ける」事によって目標とする「音楽の聴きやすさ」が得られるというのがハチマルの結論です。ハチマルがやってきた事の大部分は、ほぼこの1点に集約されます。
これって、考えてみれば極々アタリマエの事です。だって録音されている「内容」を聴きたいワケですからね。。。

媒体上の信号波形をリスニング位置まで正確に届けようとした場合に問題となる要因として下記が挙げられます。
1) 部屋の音響特性
2) スピーカーの低域再生限界
3) マルチウェイSPのネットワークやアンプのトーンコントロール等のアナログ式フィルタ
4) バスレフポート
5) SPボックス内部の定在波
6) 密閉型SPの機械的共振

これらは主として低音領域(ざっと言って200または500Hz以下)に関係しています。基本的に高音は苦労なく耳へ届ける事ができます。
ハチマルは実際にこれらの影響を受けた音に違和感を覚え、またこれらの現象は全て極めて簡単な測定で明確に確認できるほどの大きな問題である事が分かりました。

これらの問題を解消するために、LEANAUDIOシステムでは下記の方策を採用しています。

1) 特に低音に致命的影響を与える部屋の定在波を回避するためにニアフィールドリスニングを基本とし、高性能なデジタルイコライザ(FrieveAudio)による音場補正を適用してリスニング位置の周波数特性/位相特性をフラットに修正する
2) 下記の手段にて少なくとも50Hzまで、望むらくは30Hzまでフラットな周波数特性を確保する
- FrieveAudioデジタルイコライザによる低域信号ブースト(馬鹿ブースト)
または
- パワードウーハー(バイアンプ駆動または2.1chシステム)による100Hz以下の低音アシスト
3) 100Hz~20kHzを1本でカバーできる8cmフルレンジドライバをメインとして使用し、重要帯域でのクロスオーバーを回避する
4/5/6) 吸音材を大量に入れた小容積の密閉型ボックスを採用し、バスレフ型の位相(トランジェント)問題、箱の定在波、ドライバの機械的共振を抑える

これらの方策を適用して媒体に記録されている信号をできるだけ「正確」に耳に届ける事により、「自然」で「明瞭」で「聴きやすい」音楽再生が可能になります。また、これらの方策の効果は全て測定でも確認する事ができました。

LEANAUDIOシステムの音は、いわゆるHiFiオーディオ的な音ではないかもしれません。ハチマルには、オーディオを趣味とされる方々の間で一般に「良い」とされる(響き感のある?、アトラクティブな?ライブ感のある?音場感のある?飛び感のある? その他諸々のXX感のある?と言われる)音にするために手を加えられた、いわゆるオーディオ的な音は不自然に に感じられて (つまり音楽が聴きにくく、音楽がよく聞こえない)、長時間聴くには耐えられません(ハチマル用語ではこれを「ステレオ臭い」音という)。たとえば、ハチマルは昔から立派なオーディオ装置でFM放送を聴くのが凄く嫌いでした(ナレーションが変に響いて、不自然に聞こえるため)。LEANAUDIOシステムではネットラジオを聴いても極自然なナレーションを聴く事ができます。

誤解を恐れずに言えばLEANAUDIOの音は「普通のラジオの音を広帯域/低ノイズ/低歪みにしただけ」のような音と言えるかも知れません。これは「オーディオ装置とは音そのものを嗜むための装置ではなく、音楽を聴くための装置」というハチマルの基本姿勢を如実に反映していると言えます。別に音そのものを楽しみたいわけではなく、可聴帯域の様々な音で複雑に構成された音楽作品(音楽家の行為/表現の結果)を苦労せず明確に聴き取って楽しみたいという事です。

でもね、生音って意外とそんなにキンキラしてないと思いますよ。。。だって媒体に記録されている音そのものはそんなにキンキラしてないですから。。

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2010年10月03日 (日) | Edit |
今回は、必要なスピーカーのサイズは何によって決まるのか? について考えて見ます。

従来、大径スピーカー(ウーハー)が必要とされたのは、低音再生能力を伸ばすためでした。低音再生に大きな振動板が必要な理由を説明するために、よく「小さい団扇(うちわ)と大きい団扇」の話が使われます。小さい団扇をゆっくりとした周期(周波数)で動かしたのでは風が起こらないが、大きい団扇では同じ周期で動かしても風が起こる」というやつです。小さい団扇をゆっくりと動かすと、空気が縁から周りへ逃げてしまってなかなか前方に風が届かないのですが、大きい団扇だと縁の近くの空気は逃げても中央の空気は逃げる間もなく前方へ送られるという原理です。

このような原理から、スピーカーユニット単体の低域再生限界周波数は振動板のサイズ(直径)でほぼ決まってしまうという事になります(他にも要因はありますが、サイズが決定的要因)。このため、例えば30Hzまでフラットに再生しようとすると、巨大なウーハーが必要となるワケです。つまり、従来においては、スピーカーのサイズは目標とする低域再生限界によってほぼ決まると言えます。大ざっぱに言えば、低域限界を延ばしたければでかいウーハーを使えという事です。

では小さな団扇をゆっくりとした周期(周波数)で動かしても風が送れるようにするには、どうすれば良いのでしょうか?それには、団扇の振り幅(振幅)を増やせば良いのです。周期は同じで振り幅(振幅)を増やすわけですから、団扇の移動速度は振幅に比例して速くなります。これによって、前方へ送られる風を増やす事ができます。

さて僕は、8cmのドライバを使って2つの方法で低域限界を大幅に延ばせる事をお見せしました。1つはフルレンジスピーカーにデジタルイコライジングを適用して低域信号だけ信号振幅を増やす方法(いわゆる馬鹿ブースト)、もう1つは低域信号だけ別のアンプで増幅率を増やして別のドライバで再生するする方法(いわゆる2.1システム、ケロのこと)。

つまり、このような方法を適用すれば、スピーカーのサイズは低域限界を決定する要因ではなくなります(少なくとも決定的要因ではなくなります)。別に大径ウーハーを使わずとも、「音量を限定すれば」という前提の下に、呼称8cmクラスの振動板(実際には5cm程度)でも30Hzまでフラットな再生能力を簡単に得る事ができます。

密閉型を前提とするこの方法では、スピーカユニットのみならずエンクロージャ容積も大幅に小型化できます。すなわち、バスレフ型のように共鳴周波数の制約を受けないという事です。ヘルムホルツ共鳴箱で例えば50Hzという共鳴周波数を、適度な太さ/長さのダクトで(細すぎ長すぎはイロイロモンダイあり)で得るには、それなりの箱容積が必要になります。従っていくらドライバを小さくできたとしても箱容積は極端に小さくできません。しかし密閉型をこのような方法で使用する場合、ドライバの共振による低域増強効果(参考記事)も不要となるため(というか僕はこの効果も嫌いなため吸音材で殺す)、箱容積を極端に小さくできます(例: ケロは700ccしかない)。しかも、密閉型であるためバスレフが持つ致命的な位相上の欠陥からも完全に開放されます(ただし、2.1システムではデジタルフィルタを使用しないと位相問題が残る。ただしバスレフのようにトランジェント特性には大きく影響しないので致命的ではない)。

このようなシステムにおいては、極低域におけるドライバの最大振幅によってそのシステムの再生可能最大音量が決まります。低域でスピーカーの振幅が許容値を超えると音が大きく歪みます。限界音量を上げるには、振動板のサイズを上げるか、ドライバの数を増やす必要があります。
すなわち、このようなコンセプトではスピーカーシステムのサイズは必要音量によってのみ決まるという事です。

では必要音量(スピーカーから出る音響パワー)はナニで決まるか?ですが、いくつか考えられます。
1) 個人的好み
2) スピーカーから耳までの距離(近いほど小さくて済むし、部屋の影響を受けない)
3) 部屋の音響特性(反射率、大きさ、形)

「ライブと同等の音量で聴くのが理想」というのがオーヂオマニアの間ではお作法となっているようですが、これは甚だ疑問です。かなりの大音量になると思うのですが(特にフルオーケストラ)、ホールや会場と一般的な家屋の四面囲まれた部屋では、余りにも音響環境が異なりすぎます。その論理的根拠が何なのかよく分かりませんが、もしこれを良好な状態で実現したいのであれば、部屋をまず実験用無響室並に完璧に吸音した上で適所に反射物を置いて調整するか、あるいはヘッドホンなり超ニアフィールドなりで部屋の影響を回避した上で、耳位置の音圧をライブに揃える必要があると思います(ただしそれだと音場感が駄目って言うんですよね。きっと。)。バイノーラル録音をヘッドホンで聴けば、かなり正確な「音場」が再生できるのですが、ヘッドホンは好まれないようだし。。。

本当に良い「音質」で聴きたいのであれば、絶対音量は控えめの方が電気的、機械的、音響的に有利になると思います。

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