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2011年07月30日 (土) | Edit |
ベト5のスペクトルをニンゲンの等ラウドネス特性で大まかに補正してプロットしてみました。大ざっぱに言えば、ニンゲンの耳には低音が聞こえ難いという特性を補正して、実際に耳で知覚しているスペクトルがどのような形になるのかを極簡単に求めてみたという事です。
ベートーベン交響曲第5番第1楽章(ブロムシュテッド盤のみ)
bet5 copy
緑が40Hzを基準に補正した特性です。ホール中央席付近で聴いても、CDを真っ当にフラット再生しても、ニンゲンの耳にはこのように聞こえるという事です。40Hzと10kHzの間でカマボコ型になっている事がわかります。例の「40万ヘルツの法則」に従って40Hzから10kHzまでフラットに再生できれば、このカマボコを低音/高音バランス良く再生できると言えます。

他のジャンルの曲も調べてみました。

マイルスのRiot
Miles Riot copy copy
ベト5と同じように、40Hzと10kHzがほぼ同じレベルに聞こえ、やや右下がりですが約60Hz~約8kHzがほぼフラットです。

マドンナのBad Girl
Madonna Bad Gir copy
補正しても40Hzの方が10kHzよりも6dB以上高くなっています。流石ズンドコ。。40Hz~約10kHzを直線で結ぶと、右下がりながらもほぼ直線的である事がわかります。この帯域をほぼいっぱいに使っているという事です。欲を言えば30Hz~13kHzの再生帯域が欲しくなります(青の直線)。時代が進むにつれて音楽が広帯域化していると見えなくもないですね(電子楽器はいくらでも帯域を延ばせる)。。もっとサンプル数を増やさないと定かな事は言えませんが。。

サンプルは少ないですが、今回の結果を見る限り、西洋音楽は「耳」で聴いた時に低音と高音がバランス良く聞こえるように、左上がりの(低音が大きい)スペクトルになっていると考えられなくもありません。また、ジャンルを問わず、40~10kHzというのが主要帯域であると考えても良さそうです。このバンドをビシッと位相の乱れなく正確に再生する事が、音楽再生における第一の基本課題であると言えるのではないでしょうか。

フラットに再生するというのは「ドン・シャリ」に再生するのとは全く異なります。低音を持ち上げるのではく、低域限界を下にフラットに伸ばしても決して「ドン」にはなりません。効果は意外と地味なのよ。シアター用の馬鹿低音とは全く別モノです。本来聞こえるべき音が聞こえるようになる、本来の音楽のフォルム(バランス、調和)が正しく耳に届くようになるというだけの事です。ソノヘン努々誤解なきよう。。。「ドン」にしようと思えば200Hz前後を持ち上げるヨロシ。

また、無響室で計測して40Hzまでフラットに再生する立派な特性の古典的大型スピーカーを何も対策していない普通の住居サイズのお部屋にぶち込んでも、定在波の影響でブーミーに聞こえる事が多いと思います。ましてや、とてつもない大音量で鳴らせば、ニンゲンのラウドネス特性もフラットに近付くため、さらに低音過多に聞こえるかもしれません。以前の記事に書きましたが、ホール中央席で聴くベトベン交響曲の最大音圧レベルは80dBAを大きくは超えません。装置単体の周波数特性だけでなく、部屋のサイズに見合った適度なリスニング距離(すなわち適度なSPサイズと低音増強)と適度な耳位置音量も音楽再生には重要なファクタであると言えます。

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2011年03月05日 (土) | Edit |
以前から一度測ってみたかった普段聞いている再生音の音圧レベルを測定してみました。

騒音計はコチラを使用。
699.jpg
ちょっともったいないかな?とも思いましたが、5K円を切る値段をみてポチしてしまいました。日本国内の公式な騒音計としての仕様は満たしていませんが、米国の規格には合格しており個人的に使用する分には全く問題ないでしょう。iPhoneまたはiPod Touchをお持ちの方なら、こんな大層なモノを購入しなくても騒音計アプリを利用できますよ(精度は?ですが目安にはなると思う)。

で、問題となるのが、実際のフルオーケストラの音圧レベルが一体どの程度あるのか?という点です。今までに見つけた情報では、大音量時に85~95dB(瞬間最大では100dBを超える事もあるらしい)という程度の情報しかなく、どの位置で測定したのか(大概は指揮者位置、ステージ上、ステージ直前の近距離での測定値らしい)も、正確な測定条件も全く明記されていませんでした。そこでネットでいろいろ検索したところ、この記事を見つけました。詳細はそちらをご覧ください。

この記事では、ベトベン5番第1楽章の生演奏を最前列中央席と後方のホール中央席の2箇所で測定しています。これは非常に貴重なデータだと思います。しかし、残念な事に重み付けなし(FLAT)で測定したピーク値しか掲載されていません。これらの値は、他のどのような測定を行ってもこれより大きな値は絶対に測定されないと言える値であると考えるべきです。

測定値を見ると、全周波数のピーク最大値(すなわち生(FLAT)音圧波形の瞬時実効値の最大値)が最前列で106.7dB、ホール中央で89.9dBとなっています。後の席では音圧レベルが15dB以上も低下しているのには驚きました。

通常の騒音計では、125ms(FAST)の時間重みとA特性またはC特性の周波数重みを適用した「時間重み付きサウンドレベル」を計測します。つまり上記の単純な全周波数の音圧波形ピーク値よりは必ず低くなります。最前列席で測定された106.7dBというピーク値は、上で言っている「瞬間最大では100dBを超える」という意味に対応すると思われます。スペクトルを見ると、当然ですが低周波数に強い音圧を持つ左上がりの特性になっており、特に低周波数の重み付が小さくなるA特性では大幅に騒音レベル値が低下します。従って、このスペクトルデータと照らし合わせても一般に言われるステージに近い位置(指揮者位置、ステージ直前)で85~95dBAというのは、ほぼ妥当な線であると思われます。また、ホールのサイズや反響特性にもよりますが、後方の席では音圧レベルが相応に低下すると考えられます(上の-15dBが真だとすると70~80dB?、さすがに-15dBは大きすぎるように思われるが、スペクトルを見てもA特性に大きく影響する1kHz以上での低下が大きいので、dBA換算でも10dBかそれ以上は確実に低下していると思われる)。

下に周波数重み付け特性を示します。上記の参考データはFLATで計測されたものです。
698.jpg

ではでは、ということで僕のデスクトップシステムで再生音の騒音レベルを測定してみました。
音源はブロムシュテッド指揮のベトベン交響曲第5番第一楽章のうち、音圧が最大になるエンディング部です。
バイノーラル録音をご試聴ください(30Hzフラットの馬鹿ブー、ボリューム位置は12時、距離50cm):
bet5 end

アンプ(Icon AMP、定格24W)のボリューム位置ですが、デジタルオーバーフローを避けるためにFrieve Audioでベースレベルを-12dBした状態で、時間帯と気分に応じて10時~1時で聞いています。録音レベルの低いソースでも1時以上に上げる事は絶対にありません。
測定結果は以下の通りです。5回程度繰り返し再生した時の最大値(ホールド機能あり、ピーク値ではない)です。アンプのボリューム位置は全て12時です(交響曲を気合いを入れて聴く時の標準位置)。

距離50cm A特性: 79.7 dBA
距離50cm C特性: 84.6 dBC
距離200cm A特性: 77.0 dBA
距離200cm C特性: 81.6 dBC

信号が正弦波の場合、ピークレベル値と最大騒音値では3dB異なるとされます。バースト信号の場合はもっと差が大きくなります。ホール中央部で計測されたピーク値が89.9dBですから、その最大騒音レベルは少なくとも86.9dBよりも低いと考えられ、さらにFLATからC特性への換算によって多少値が低下するはずです。この事から考えても、上記の50cm位置で84.6dBCという結果はホール中央部での音量に非常に近いと思われます。

以上から、僕の日頃のリスニング条件の範囲でも、ホール中央席で聴くフルオーケストラの音圧とさしてかけ離れていない音量が得られていると推測されます。これはチョット意外でした。さすがにカブリ付きでの音圧は無理ですが、爆音派ではないので僕には十分です。というかこれ以上の音量で聴くのは苦痛です。なお、僕の部屋ではリスニング位置が50cmから2mに離れると音圧は約3dB低下しています(無響室や広いリビングならもっと激しく低下する)。これも部屋の音響特性によりますが、一般的に音圧一定とした場合、距離が離れればそれだけパワーをかける必要があります。小さなパワーでも耳元で十分な音圧を確保できるのがニアフィールドリスニングの強みです(僕の小さな部屋でも、50cmから2mに離れるだけで、同等音量を得るには2倍のアンプ出力が必要です)。

追記1
今回ご紹介したデータはもう1つ貴重な点を示しています。すなわち、ステージから離れると2kHz以上の高域音のレベルが顕著に低下するという事です。通常、レコーディングは近接マイクで録音されるので、ステージかぶりつきで聞く状態に近いと言えます。しかしこれだと高域がきつく聞こえる場合があるため、特にフルオーケストラ曲では高域を多少落とした方が聴きやすくなる場合があります。

追記2
今回驚いたのは、後方の席ではフルオーケストラでも最大音量で80dBAをちょっと超えるか超えないかといったレベルにしか聞こえないという点です。何も指揮者の気分になる必要はないので、最大ピークが100dBを超えるような爆音で再生する必要は全く無かろうと思いました。だいたい最前列というのは音楽を鑑賞する際にベストな位置だとは思えませんし、ホールも中央を中心にできるだけ多くの人が最適に聴けるように設計されているはずですよね。大音量嫌いの僕はコンサートでも映画でもやや後ろよりの席を選びます。それでも映画館の音は必要以上にデカイと感じますけど。

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2011年02月27日 (日) | Edit |
前回はシンプルな2波長の混合波を使用しましたが、今回は実際の楽曲を使用して比較してみます。最後にブラインドテスト用の投票フォームも設けましたので、サンプルをご試聴の上ふるってご参加ください。

サンプル楽曲はマドンナの Nothing Fails です。詩も興味深いですし、僕のお気に入りの一曲です。この曲は45Hzにピークを持つ低音のズンドコが通奏されるので、今回の目的に適していると考えて採用しました。

左右SP間の干渉を避けるために、Frieve Audioで左右信号をミックスして左側のSPだけから再生し、SP前方約40cmの距離にマイクロフォンを置いて録音しました。今回はバイノーラル録音ではありません。

下は録音データのスペクトルです。
697.jpg
赤が30Hzまでフルブースト、青がブーストOFF(140Hz以上はフラット)です。縦軸は1目盛りが6dBです。イコライザは50~40Hzで約+12~15dBブーストしますので、ブーストの効果はほぼそのままスペクトルに表れています。緑は録音したWEVファイルに300Hzのハイパスフィルタを適用した特性です。このスペクトルはブーストONとOFFでほとんど同じなので1本だけプロットしました。今回は、この低域をカットした音を聴き比べてもらいます。ちなみに普段マドンナを聴く時は50Hzまでしかブーストしません(それ以上ブーストすると机の振動が手に感じられるため)。

ではご試聴ください。

いつものように192bpsでエンコードしています。L側だけに音が入っています。今回はバイノーラル録音ではありません。マイクをSP前方40cmに設置して録音しました。

まず録音した未処理の音です。低音は小さなSPでは聞こえません。
ブーストOFF
30Hzフルブースト

次にフルブースト音に300Hzのローパスフィルタを適用した音を聴いてみてください。ズンドコのみ
演奏中ずっとズンドコしているのがお分かり頂けると思います。ただし小さいスピーカーでは聞こえませんので、大きなスピーカーか低音の出るイヤフォンで聴いてみてください。

そして最後が今回の目的である300Hzハイパスを適用したファイルです。この2つを聴き比べる事によって、低域ブーストによる高域音への影響を聴感で評価しようというのが今回の狙いです。300Hz以下の低音が入っていないので小型のSPで再生しても評価できます。ご試聴の上、よろしければ下の投票フォームでどちらの音の方が良く聞こえたか投票してください。

サンプル1
サンプル2

ブラインドテストなので、どっちがどっちかはもちろん内緒です。自分自信では完全なブラインドテストができないので定かではありませんが、ある点に気を付けてよーく聴くとハチマルの耳でも微妙な違いが分かるような気がする時があります。オンナジヤン!と聞こえる時もありますが。。。

投票は1回しかできません。締め切りは来月末としました。途中結果は評価の性格(ブラインド)を考慮して非公開としました。

追記
投票は終了しました。「サンプル1の方が良い」に4票、「どちらとも。。」に4票、計8票という結果でした。
ご協力ありがとう御座いました。「どちらとも。。」に投票された方は、マドンナの息継ぎの音に注意して聞いてみてください。馬鹿ブーだとちょっと痰がつまってゴロゴロした感じに聞こえます。後の記事で書きましたが、この曲はちょっと特殊で、僕の耳では他の曲で馬鹿ブーの音質劣化を聞きわける事はできません。コチラの記事も参考にしてください。

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2011年02月26日 (土) | Edit |
ほぼ満足できる録音条件が決まりました。

マイクを改良しました。
695.jpg
前の記事の状態では、使用しない側(本来のバイノーラル用)のマイク穴を完全にビニルテープで塞いだのですが、それが良くないらしいというのが分かったので、穴を直接塞がずにスピーカーボックス用の吸音材を穴部に当てた状態でイヤフォンに固定しました。

下に各種状態でのソースと録音データのスペクトルを示します。赤が録音データ(MP3データなので16kHz以上は急激に落ちている)、青がCDのソース信号です。ソース楽曲はベト5。

1) メーカー指定の方法でマイクを耳に装着した状態
692.jpg
この状態では低音が籠もり気味に聞こえました。グラフのオレンジ色の部分を比較すると、ソースや他の測定データに比べて特性がやや左上がりになっているのが分かります。

2) 前記事の状態: メーカー指定と反対向きにしてイヤフォンに固定した状態(バイノーラル用の穴はテープで塞いだ)
693.jpg
低音の聞こえ方は良くなったのですが、特にカナル型イヤフォンで聴いた時に高音がややキツメに聞こえました。黄色の領域でディップと盛り上がりが見られます。

3) 今回の状態: 穴を塞ぐのを止めて、かわりに吸音材を穴に当てた状態
694.jpg
高域の特性がスムースになりました。

周波数が高くなるにつれ頭部形状の影響が現れやすくなりますが、上図の高域部の特性差の主要因はマイクロフォン自体にあります。SP前方にマイクだけを置いて測定した時も同じような特性の違いが見られました。

上記は雑な実験的測定の結果です。下に第5交響曲の本番録音のスペクトルを示します。
696.jpg
青がCDのソース信号、赤が録音データ(これはWAV)です。見やすくするために重なった部分を黒で表示しています。10kHzまでは非常に良く一致しています。頭部の影響がどの程度F特に含まれているのかは?です。

今回は各種ジャンルから9曲録音しました。ご試聴ください。

条件: イコライザは45Hzまでフラット(30Hz/-6dB)、試聴距離は約50cm、192kbpsでエンコード、S/Nを上げるために音量は普段よりもやや大きめ(深夜、早朝だとイエローカード級)。

今回、Victorのカナル型イヤフォン、SONYのオープンエア型ヘッドフォンMDR-F1、AudioTchnicaの密閉型ヘッドフォン(安物)で真剣に聴き比べたのですが、特にマドンナを聴くとカナル型イヤフォンでは低音が実際よりもかなりズンドコ気味に聞こえます。密閉型ヘッドフォンはイヤフォンよりもましですが、やはり実際よりもズンドコします。低音に限って言えば、オープン型ヘッドフォンが最も実際の聞こえ方に近いように感じました。耳の外に置いたマイクで録音しているので、耳の外側のオープンな空間で再生した方がリアルに聞こえるのかも知れません。再生も難しいですね。

それではご試聴ください。バイノーラル録音なのでイヤフォンまたはヘッドフォンでご試聴ください。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。

まずはおなじみの3曲から
ベトベン交響曲第5番
マイルス フリーダムジャズダンス
ストラビンスキー 春の祭典

初録音の3曲
ジミさんのJohnny B. Goode (ゴッキゲーン!、20秒間身体を停止させるのに困難を極めました)
ジャコさんのTeen Town(WR: 8:30) (ひたすらリピートでジャコの無限加速地獄をお楽しみください)
マドンナさんのAmerican Dream (ボリュームにご注意!)

最近よく聴くベトベン晩年の作品から(僕の中では上の3曲とベトベンは何ら隔たり無く共存しています)
大フーガ
ミサソレニムス(だっけ?)
最後のピアノソナタ(32番) ピアノは実際の再生音とは随分違って聞こえます。ピアノの再生が一番難しい気がする。

上記は全て45Hzまでフラットな特性で録音しています。特にクラシックでは高域を少し落とした方が聴きやすくなると思います。僕は気分に応じてそのへんをイコライザで調整しています。しかし、いずれにせよLEANAUDOでは余分な響きを極力抑えているため、一般的なオーディオマニアの方には音がキツク聞こえるかもしれません。

追記
左右のマイクで約3dBの感度差があります。右側が3dB低めです。このため音像はやや左寄りに定位するかもしれません。

追記2
直接SPの音を聴いては、イヤフォンとヘッドフォンをとっかえひっかえ聴き比べてみたのですが、やはりSONYの例のオープンエア型ヘッドフォンMDR-F1で聴くのが最もリアルです。気持ちの持ちようによっては、前方から聞こえるような気もします。バイノーラル録音とMDR-F1はナカナカ良い組み合わせかもしれません。

追記3
ミサソレニムスのソース(MP3)です。ソレニムス

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2011年02月22日 (火) | Edit |
馬鹿ブーストの弱点は、1つの振動板で全帯域をカバーするために、低域をブーストした信号で振動板を大きく振動させがら高域音も再生しなければならないという点にあります。マルチウェイ化して帯域を分割した方が、この点では有利になるのは当然です。しかし僕は、音楽の全体的な聞こえ方の自然さから、100Hz以下を13cmウーハーに受け持たせる新システムよりも、小径フルレンジ1発で可聴帯域のほぼ全域をカバーする馬鹿ブースト方式を好みます。

とはいえ高域の音質がどの程度劣化しているのか気になるところではあるため、今回はそこのところを簡易的に解析してみました。
まずソース信号として、50Hz正弦波と4kHz正弦波を合成した波形(16bit/44.1kHz)をソフトウェア ジェネレータで生成し、これをWAVファイルとして保存しました。ちなみに4kHzは人間の耳の感度が最も高くなる周波数です。
下図にソースの波形とスペクトルを示します。
688.jpg
682.jpg

これをFrieveAudioで再生して、30Hzまでフルブーストした音と、低域ブーストしなかった音をSP前方10cmで収録してWAVファイルに記録しました。次に、4kHの音だけを聴き比べるために、録音したWAVファイルに1kHz以下をカットするハイパスフィルタを適用したファイルを生成しました。このような方法によって、ブーストあり/なしで記録された2つの音の4kHzの音だけを解析する事ができます。

ハイパス処理後の2つのファイルのスペクトルを下に示します。
まずブーストあり
689.jpg

次にブーストなし
690.jpg

上の2つのスペクトルを比較すると、ブーストありの方が4kHzのピークの幅がやや広がっており、高調波のピークも顕著に表れています。このデータを見る限り、ブーストありの4kHzの音はブーストなしに比べて明らかに劣化していると言えます。

次に波形を重ね合わせてみました。青がブーストあり、赤がブーストなしです。
687.jpg
サンプリングレートはCDと同じ44.1kHzなので、4kHzの1サイクルの波形には約10個のサンプル点が含まれます(20kHzだと、たったの2点になってしまいます)。さて、波形の比較ですが、この程度のサイクル数を見ただけでは違いは全く分かりません。波形(周波数)が50Hz周期で微妙に変動しており、その影響がFFTに表れたものと思われます(ドップラ効果?)。

以下に音声ファイルを添付します。

WAVファイルは添付できないので、最高の320kbpsでMP3にエンコードしました。音はLchだけに入っています。高性能イヤフォンでのご試聴をお薦めします。

下の3つのファイルはハイパス処理なしなので50Hz音が聞こえます。
ソース(未処理): SOURCE
ブーストあり(未処理): ブーストON RAW
ブーストなし(未処理): ブーストOFF RAW

こちらはハイパス処理しているので4kHz音だけを聞く事ができます。
ブーストあり(1kHzハイパス): ブーストON ハイパス
ブーストなし(1kHzハイパス): ブーストOFF ハイパス

出だしの音は波形のどの位置から再生が始まるかによって結構聞こえ方が異なります。出だしの音ではなく中間の連続音に注目してください。

どですか?WAVファイルをiPodに入れてイヤフォンで聴き比べたのですが、僕の耳では違いがよく分かりませんでした。実際には低音と一緒に聞く事になるので、高域音だけ分離して聞くよりもっと違いが分かりにくくなると思います。

追記
それ程悲惨な事になっていない事がデータでも確認できて一安心というのが率直な感想です。前の記事の超絶低音の結果も含めて、馬鹿ブー方式のポテンシャルを再認識できたと思います。ネットワークなしで全ての音が1点を中心に放射されるというのは、音楽の全体像を自然に聴き取るという事において、また特にニアフィールドリスニングにおいて非常に重要だと思います。

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2011年02月20日 (日) | Edit |
今回は、僕のコレクションの中では最強の低音信号であるストラビンスキー「春の祭典」のバスドラを録音してみました。ついでに振動板が激しく前後する様子を撮影した動画もお見せします。

サンプル楽曲は今までにも再三取り上げた「春の祭典」(シャイー指揮/クリーブランド)です。
226_20110220113513.jpg
このCD中の最強の一打を馬鹿ブーストで再生すると、Alpair5では振動板が暴れて「ブリブリ」とか「ビチビチ」と下品な音がしました。しかしAlpair6 Mでは多少音が歪みっぽく聞こえはするものの、破綻する事なくなんとか再生してくれます。今回はその最強の一打を録音しました。
下が今回使用した約20秒のソース波形です。後半にある16ビット幅一杯のピークが問題のバスドラです。
679.jpg

下はこのピークを時間方向に拡大した波形です。
678.jpg
下はこの部分のスペクトル分布です。35Hzに強いピークが見られます。
677.jpg
すなわち35Hzのフルスパン信号が記録されているという事です。条件としてはかなり過酷だと思います。

それではご試聴ください。振動板の動画もご覧頂けます。

録音条件は前記事と同じです(バイノーラル録音はイヤフォン/ヘッドフォンでご試聴ください)。

ソース: SOURCE
SP前方20cm/30Hzフラット: SP前20cm EQ30Hz
バイノーラル/30Hzフラット: バイノーラルEQ30Hz
バイノーラル/イコライザなし: バイノーラルEQなし

下は振動板を手持ちで撮影した動画です。
[高画質で再生]

春の祭典 Alpair6 M [ホスティング]

下はソース波形(青)とSP前方20cmで測定した波形(赤)の比較です(片Chずつモノラルで測定したものではないので左右の干渉が含まれます)。
676.jpg
限界に近い条件なので波形はかなり崩れるかと予想していたのですが、思いの外正確に原信号をトレースしているので驚きました。Alpair5の時は悲惨でしたから。。。

よく聴くと最強1発は素早く制動してすかさずもう1発打っています(ドン・ドーーン)。下は2発目まで比較したものです。振動板は打撃の合間にフラフラする事もなく、よく制動が効いているように見えます。
675.jpg

下はバイノーラル録音のイコライザ有り(青)とイコライザ無し(赤)の波形を比較したものです。
680.jpg
イコライザなしでは2発のバスドラ(ドン・ドーーン)を全く表現できていない事が分かります。その他の打撃は別のドラムのようで周波数も高めです。今回試聴位置がやや左寄りであったようで、右側の信号レベルが低くなってしまいました。次から気を付けます。

追記 1
今回、「35Hzという下限近い周波数+フルスパンの大信号+タイムドメイン的に厳しい打撃音」という非常に厳しい条件で納得のゆく低音再生性能を確認できた事には大きな意義があったと思います。さすがに8cm径では限界近いという感じを受けますが、10cmあるいは13cmのドライバを使用すれば十分な余裕が得られると思います。逆にあまりに大径にすると、追従性の面で問題が生じるかもしれません。

追記 2
測定波形と信号波形をもう少し正確に比べるために、FrieveAudioでLchだけ出力して録音した。こうする事により反対チャンネルからの干渉のない波形を比べる事ができる。
681.jpg
案の定、本文中の波形比較よりもさらによく一致している。ここまで一致するとは思っていなかったが。。。Alpair6 Mはよく頑張っていると思います。

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2010年06月05日 (土) | Edit |
前々回の記事「音楽再生の基準てなんやろか?」では、ソース音の忠実な再生を妨げている最大の要因として、
1) スピーカーと耳の距離(すなわち部屋の音響特性の影響)
2) スピーカーの低域再生限界(特に小型スピーカーでは問題)
を挙げ、「敢えて追加するならば」の前置きをしてから
3) バスレフポートの音
を挙げました。これはデータによる検証ができていなかったためです。
1)と2)に関しては、このブログで度々測定データを紹介してきましたが、バスレフポートに関しては全くの聴感によるコメントしかできませんでした。そこで今回はデータによる裏付けを試みました。

前置き
僕はジャズのピチカートベースの聞こえ方を非常にというか異常に重視します。これはジャズを聴き始めた時からの癖なので仕方ありません。ピチカートはパルス音なので、バスレフ型では問題が表れやすいように思います。交響曲を聴く場合には僕もバスレフ型でほとんど問題を感じません。というのは楽器の音がほとんど連続音だからです。背面バスレフにすると若干響きが広がって、逆に良く感じる場合もたまにありました。一般的にポート音に限らず、パルス状の音に注目した方が音の変な癖を感じやすいような気がします。例えば箱の定在波の場合、僕はピアノの音に注目します。ストリングだけに注目すると、このような問題が分かりにくくなるか、あるいは逆に綺麗に響いて聞こえてしまったりします。

測定条件
スピーカー: 前の記事で使用したポチ1型+TangBand 8cmフルレンジ、ポートの設定も前回と同じ(同調80Hz)
音源: マイルスのアルバム「Miles Smiles」から「Foot Prints」のベースソロの4音 (ご試聴ください)。
この曲は、何か変えた時にまず最初に試聴する僕のリファレンス的な曲です。今回は冒頭のベースソロ4音だけ抽出しました。最初は正弦波信号で比較したのですが、それでは明確な差がでないため、実際の音楽信号を使用した次第です。

録音方法: 16bit/44.1kH WAV、モノラル、マイクロフォンはいつものパソコン用、マイクロフォン位置はスピーカー前方15cm (f特測定位置と同じ)

アンプ: ONKYO A-905FX(一部トーンコントロールを使用)

再生装置: 録音を行うPCとは別のPC上でFrieveAudioにて再生(24bit/96kHz出力)。基本的にイコライザはOFF。ただし最後の実験だけイコライザを使用。


測定結果

まずはお決まりの周波数特性です
553.jpg

基本的に前回記事のデータと変わりません。水色はアンプのトーンコントロール(70Hz/最大+10dB)を使用して密閉型の低域を増強したものです(約3/4位置=+7.5dB)。スピーカーからの音圧レベルをできるだけ揃えるために、以下の比較ではこの「密閉+トーンコントロール」と「バスレフ」を比較します。アンプのボリュームと入力信号レベルは全ての測定で同一としました。

ではマイクロフォンから測定した音波の波形とCDに記録されているデータの波形を比較してみます。つまり「タイムドメイン」的に評価してみます。

なお複数波形を重ね合わせて比較していますが、時間的同期情報が無いため、時間方向(左右方向)の位置合わせは見た目で適当に行っています。

これがソース信号。約2秒間です。以下ではまず4番目、次に2番目の音の出だし部の波形を比較します。
560.jpg

まずはベース4音「ポポポポーン」の最後の「ポーン」の出だしの波形を比較します(約0.05秒)。基本周波数は約150Hz。
まずは密閉型(トーンコントロールON)
550_20100605140625.jpg
クリックで拡大して見てください。赤がソースの信号データ。青が測定波形です。測定波形は頑張って信号波形をトレースしているように見えます。測定繰り返し性を確認するため、グラフには3回の測定波形を重ねてプロットしています。ほとんど完全に重なるので、測定繰り返し性は問題ないと思います。

次にバスレフ型(トーンコントロールOFF)
549.jpg
これも3回の測定結果を重ねています。2、3、4番目の波形が明らかにずっこけ気味ですね。信号の基本周波数は150Hzですが、上の周波数特性を見ると150Hzでもポートの効果が見られます。

以上の結果では、明らかに密閉型の方が信号をより正確にトレースしていると言えそうです。

次に「ポポポポーン」の2番目の「ポ」の出だしの波形です。基本周波数は少し下がって100Hz。
まずは密閉型(トーンコントロールON)
555.jpg
ありゃりゃ。3つめくらいから動きが怪しくなりますね。「密閉よ、もおまえもか?」

お次はバスレフ型(トーンコントロールOFF)
554.jpg
波形の変形の仕方が密閉とは明らかに異なりますが、これでは五十歩百歩かな。ただ、上の結果でもそうですが、全体的にバスレフ型は音の出だしの波形(最初の2~3山)の崩れが大きいと言えます。その後の波形は大して崩れていません。ピチカートでは問題を感じるけどクラシック(弓弾き)ではあまり問題を感じないのは、このへんが原因のようです。正弦波信号の比較では差が明確に出なかったのもうなずけます。

密閉型の方は、周波数が下がってトーンコントロールが影響する範囲に入ったのが問題の原因かもしれません。トーンコントロールをOFFにして、かわりにFrieveAudioのデジタル イコライザで150Hz~70Hzにかけて+7.5dBしてみました。
イコライザはこんな感じ。
559.jpg

さて波形は?
密閉型(トーンコントロールOFF、デジタルイコライザON)
556.jpg

ビンゴ! やはりアナログ式のトーンコントロールが悪さをしていたようです。以前も聴感上違和感を感じて使うのを止めたのですが(関連記事)、こういう事だったのかと納得です。ここまで明らかに違いが出るとは予想していませんでした。これに対してデジタルでブーストした波形はかなり頑張って信号をトレースしています。アナログフィルタとは異なり、デジタルフィルタは位相の問題を一切生じないとは聞いていましたが、確かにそのように見受けられます。ソース信号がデジタルになったこの時代にわざわざアナログ フィルタを使用するのは馬鹿げていると言えるでしょう。

結果は以上です。
密閉型とバスレフ型の波形の違いをどう思われますか。波形の違いなんて「コマケー」違いでしょうか?
例えば今のアンプを100万円のアンプに変えても、こんな雑な測定で分かるような違いが出るとはまず思えません。ましてや電線を変えた時の変化量に比べたら、天変地異くらいの大変化ではないでしょうか。

以上をまとめてみます。

1) ピチカートベースの信号を再生した場合の再生音波形には、密閉型とバスレフ型で明らかな違いが確認できました。この信号に対しては、密閉型の方が明らかに高い信号忠実度を示しました。バスレフ型では音の出だし(トランジェント部)の波形に顕著な崩れが見られました。つまり「タイムドメイン」的に劣るという事です。

2) 同じ信号に対してアンプ内蔵のアナログ式トーンコントロールとFrieveAudioのデジタルイコライザーで同等量のブーストを適用した場合、スピーカーから再生される音波の信号忠実度は、明らかに後者の方が優れる事が分かりました。

また、僕の基本コンセプトである密閉型スピーカ+デジタルブーストの優位性も改めて確認できたと思います。

今まで、どうしてもバスレフの音に馴染めずに違和感を憶えていたのですが、波形を見てもやはり少し変な事が分かりました。もう少し下の70~80Hzでも測定してみたかったのですが、適当な信号が見付かりませんでした。このように小型のスピーカーをバスレフ型にすると、ポートの音域がベース帯域にもろに被さりますが、大型スピーカーでポート帯域を50Hz以下に持ってゆければ、違和感はかなり解消できると思います。

世間に出回っているスピーカの大部分はバスレフ型ですので、それに馴染んだ耳には密閉型は「地味」「響かない」「沈んだ」感じに聞こえるかもしれません。しかし暫く耳を密閉型に馴染ませた後にバスレフ型に戻すと凄く「癖」のある音に聞こえると思います。自動音場補正でも使い始めは違和感を覚えるのですが、一度馴染むと手放せなくなるのと似ているかもしれません。

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2010年05月29日 (土) | Edit |
前回の記事の録音データを使用して、FrieveAudioイコライザの効果を検証してみました。

マイルスの「Hand Jive」の冒頭3.5秒だけを、正確に切り出してスペクトル解析した結果をご紹介します。

535.jpg
全域

534.jpg
低域のみ拡大

黒がCDのデジタルデータをそのまま解析した結果です。基本的に原音再生とは、この信号通りの音がスピーカーから出てくるだけでなく耳に届く事を意味します。

原音再生が必ずしも「好きな音」に聞こえる訳でもないでしょうし、ましてや「最終目標」でもありません。しかーし、これはオーヂオイヂリに手を染める場合の「出発点」あるいは「基準点」で有る事は確かでしょう。これを基準に「好きな」方向へイヂルのが最も効率が良いし、とんでもない方向へズッコケナイ方法だと思います。それがハチマル的アプローチ法なんです。

でと。

青と赤は、黒の信号をスピーカーで再生し、これをマイクロフォンで録音したWAVファイルからの結果です。早い話がマイクロフォン位置で実際に耳に届く音の特性です。
青がイコライザを使用せずにそのまま再生した音、赤がFrieveAudio自動音場補正で作成したイコライザ特性を使用して補正したもの(いわゆる30Hzフラットの馬鹿ブースト)です。8cmのAlpair5一本ですよ。

音を聞いてみる→(補正なし / 馬鹿ブースト):
小さいスピーカーでは違いが分かりません。それなりのイヤフォンで聴いてみてください。

理論上は全くアタリマエの事なのですが、ここまで綺麗に原信号のスペクトルが再現されているのを目の当たりにするとちょっと驚きです。
さあ、赤と青のどっちがとりあえずホントの音に近いと言えるでしょうか?

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2009年05月21日 (木) | Edit |
相変わらず馬鹿ブーストで音楽を聴いていますが、「春の祭典」やマドンナ以外は特に問題なく聴けています。しかし、このようにヤクザな方法でほんとうにまともな音が聴けているのかどうか多少不安もあるため、フリーソフトを使用してちょっとした測定を行ってみました。

方法:
1) 単一周波数の正弦波信号ファイル(16bit WAVE)を作成 (WaveGene Ver.1.40を使用)
2) このファイルを再生してスピーカー直前に置いたマイクロフォンで録音 (Windowsのボイスレコーダを使用)
3) 録音されたWAVEファイルの波形を観察 (WAVANA Ver.0.10を使用)

アンプのボリュームは日ごろ音楽を聴く時の標準位置としました(イコライザのベースレベルを-13.5dBとした場合の標準位置: アンプのボリューム調整範囲[7:00~5:00]に対して約8:50の位置(1/5弱)、アンプ最大出力: 60W)。ちなみにイコライザを使用しない場合の標準ボリューム位置は8:00(1/10弱)くらいになります。

以下に測定波形を示します。
0dB信号 (すなわちCDのダイナミックレンジをフルに使用した最大レベルの信号) をスピーカーで再生してマイクロフォンで測定した波形を黒で示しています。赤は上記に対して-6dBの信号の測定波形です。比較のために波形の表示振幅を同一に揃えています。

243.jpg 70Hz 0dB

244.jpg 50Hz 0/-6dB

245.jpg 40Hz 0/-6dB

246.jpg 30Hz 0/-6dB

70Hzでは0dBでも綺麗な正弦波になっていますが、50Hz以下の0dB波形には明らかな歪みが見られ、周波数の低下とともに歪みは大きくなります。-6dBでは30Hzでも大きな歪みは見られません。

以前の記事にも書きましたが、「春の祭典」等の特殊な事例を除くほとんどの楽曲(主にクラシック、ジャズ)では、50Hz以下の信号レベルはもともと低く (多くの場合はピークで-20dB以下)、ごく稀に-10dBに達するピークが発生するに過ぎません。従って現在使用しているイコライザ設定(下図、50Hz以下で約+10dBのブースト)では、デジタルオーバーフローによるAVCの作動は非常に稀にしか発生しません (このブースト設定では50Hz以下のピーク信号レベルは通常-10dB程度)。
248.jpg

このため通常のボリューム位置で音楽を聴いている限り低域に明らかな歪みを感じる事はありません。「春の祭典」もこのボリューム位置で聴く限り問題は無いのですが、あの爆発的ティンパニを収録するために録音レベルが低く(つまり録音ダイナミックレンジが広く)、従ってアンプのボリュームを上げて聴く必要があるために問題が生じるわけです。ベース好きの僕はベースソロのパートでボリュームを9:15くらいまで上げたりするのですが、そのような場合にも歪みを感じる事があります。

下図はボリュームをほんの少し上げて測定した40Hz / 0dBの波形です(ボリューム位置: 9:00)。極端に歪みが増加して「ブー」という音が「ブリブリ」という音に変わるので、はっきりと限界が分かります。しかし振動板やコイルがどこかにぶち当たる音はしないので、スピーカーの機械的な限界に達しているのではなさそうです。このボリューム位置でも上記のベースソロの一部を除くとほとんどの曲では問題を感じません (実際に信号レベルが0dBに達するのは極めて稀であるため)。特にクラシックを聴く場合にはまだ余裕がありそうです。
247.jpg 40Hz 0dB, ボリュームUP

実際の楽曲の信号には様々な周波数成分が重畳されるため、50Hz以下の周波数成分だけで0dBに達する事は考えにくいですが、いずれにせよAlpair5をほぼ限界近くの状態で使用している事は確実です。つまり低域の限界ブーストとは、ユニットを限界入力で駆動している状態から中高域だけを減衰させる事に他なりません。

正直言って音量的にもう少し余裕が欲しいところですが、本来ツイーター的な用途を狙っているAlpair5には酷な要求だと言えます。以前にも書きましたが、サブウーハーなしで低域ブーストを行う場合はAlpair6またはCHR-70以上を推奨します。

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