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2013年05月31日 (金) | Edit |
前回の記事でこの実験君シリーズは終わりにする予定だったのですが、追加でFrieveAudioのDSPを使って帯域分割した場合のデータを掲載しておきます。

計測条件(マイク位置等)は前の記事とほぼ同じです。

まず、60Hzの1サイクル正弦波の再生波形です。
Frieve 60
赤がZAP2.1+FrieveAudio、青がAlpair6M馬鹿ブー(前々回の記事)、緑がZAP2.1+DACのDSP(前回の記事)です。比較のため、今回も50Hzまでフラットに補正しています。位相補正は全てOFFです。
DACのDSPで帯域分割すると馬鹿ブーよりも約5ms遅れますが、FrieveAudioのDSPで帯域分割すればそのような遅れは発生しません。DACの遅れはハードウェアではなくソフトウェア(DSP)に起因すると言えます。やはりFrieveAudioのDSPは優秀ですね。

ZAP2.1+FrieveAudioのその他の周波数での波形です。
位相補正はOFF。横軸スケールは周期で合わせています。
Frieve Noc
灰が信号、青が40Hz、赤が60Hz、緑が80Hz。補正は50Hzまでなので、40Hzの振幅は小さめです。

位相補正をONにしました。
Frieve C
各周波数の波形が綺麗に揃い、2発目の波形で信号波形の位相にほぼ一致します。

次に補正済みの周波数特性です。リスニング位置(約70cmの距離、マイク手持ち)で計測しました。
FrieveAudioによる計測結果(クリックで拡大)
Frieve Ftoku1
100Hzでクロスさせています。FrieveAudioの補正済み特性の計測では、メインとサブウーハを同時に計測できません。また、各スピーカの絶対音圧レベルも分かりません。上図は、別々に計測した2つのスピーカの特性曲線をPhotoShopで適当に合成しただけなので、実際のサブウーハのレベルを確認する必要があります。

そこで、Daytonの計測システムで総合F特を計測しました。
まず、周波数レスポンス(F特)計測画面で計測した結果です。
frieve F4
2kHzより上でややHIGH上がり気味(+2.5dB程度)ですが、スムージングを強く(1/6オクターブ)しているので30Hz~20kHzで±2.5dB以内に入っています。実際のリスニング位置でです。。。なんだか凄い。

歪み計測用の画面でも計測してみました。
frieve F3
50Hz以下でレベルが下降しています。スピーカ保護のために元の信号レベルを下げているのでしょうか?それ以外は、こちらの結果も極めて良好にフラットです。こちらではHIGH上がり傾向は見られません。

以上の結果から、サブウーハのレベルは全くOKと言って良いでしょう。

FrieveAudioの補正係数の計測には、相変わらず安物パソコン用マイクを使っています(DAYTONマイクはFrieveAudioでは使えない)。その安物マイクによる補正結果を校正済みのDAYTONマイクで確認したわけですが、上記の結果を見る限り、安物マイクでもスピーカの大雑把なF特計測には全く十分であると言えます。無響室でもない普通のお部屋で、オシゴトの合間に殆どの場合マイク手持ちでチョイト計測するワケですから、あまりコマケーところを微に入り細に入り気にしても意味がありません。とにかく大雑把にやってオッキー問題からズバッと片付けるのが開発の鉄則です。

ただし、絶対音圧レベルを知りたい場合は校正済みのマイクが必要です。校正していないマイクは相対比較にしか使えませんので、ご注意ください。

100000001000180082_10203.jpg
エレコム MS-STM54
LEANAUDIOではF特計測や波形観測にずっとこのマイクを愛用しています。
ヨドバでたったの610YENなり。
断線したので先月新しいのを購入しました。
絶対音圧レベルを知る必要がなければ、全くこれで十分です。ホンマニ。

最後に20Hzまで完全フラット+位相補正ONで春の祭典を再生してみました。
Frieve春 copy
位相補正ONなので遅れは殆どなく、また、全域(30Hz~15kHz)をフラットに補正しているため、音響波形は信号波形によく一致しています。もちろん、コレも安物マイクで収録しています。

以上が4年間かけて開発したLEANAUDIOの現在の到達点です。FrieveAudioの方がiTune+DAC DSPよりも音質(聴きやすさ)は良いような気もしないでもないような気もするような気もしないではないのですが、最近は選曲しやすいiTuneを多用しています。多少音質に差があっても、面倒臭くなくて楽しい方に手が伸びるという事です。別にオンシツ(ヨイオト?)をツイキュしたりキキワケたりしたいワケでは全くないですから。

また、交響曲を真剣に聴きたい時は専らモニタヘッドフォンを愛用します。「広大なホールの反響音が重要な要素となる交響曲を聴くには部屋の影響を全く受けないヘッドフォンに限る」が僕の結論です。ホールに比べて圧倒的に狭くて四角いオウチでは、殆ど無響室にしない限りどう手を尽くそうがスピカでは無理。そもそも、携帯電話+カナル型イヤフォンでフルトベングラさんのベトベン交響曲を聴いて鳥肌立ったのがLEAUAUDIOに着手するきっかけでしたよね。マヂメにバイノラル録音されたベトベン交響曲全集が是非とも欲しい!

という事で、FrieveAudioの出番は殆どなくなってしまいましたとさ。オッシマイ。

追記
F特がドーダコーダとシツコク言うと毛嫌いされるようですが、これは音楽再生システムという「一定の目的を持たされた実用機械」をお部屋に設置したら、正しく機能するようまずイットウ最初に行うべきウルトラ超基本的調整です(もちろん、実際のリスニング位置でね)。好き嫌いの問題ではアリマセン。何もFrieveAudioのようにびったしフラットにする必要はありません。10数バンドのイコライザでも十分でしょう。この21世紀、610エンのマイクと無料のソフトを使って誰でも簡単に計測できます。スマホのアプリでもOKかもしれません。今時、「音楽鑑賞用」を謳う全ての家庭用オーディオ装置には自動的な調整機構を組み込むべきです。もう21世紀なんだからさ。。。全てのコマケーオコノミの調整はその後から始まります。設置環境に合わせた基本的調整が必要なのはどんな「機械」でも同じです。

真っ直ぐ走らぬ車の細部をいくら超精密にチューニングしても決して永遠に車として正しく機能しません。永遠にグルグル回ります。

追記2
交響曲の場合ZAP君にオデコがくっつくくらい近付いて聴くと結構良いです。AURA 1"とA10サブウーハを使ってデスクトップ用ウルトラ ニアフィールド(非接触ヘッドフォン)を作って見ようかと考えています。窓を開けるため音量を上げられず、かといってヘッドフォンでは汗をかく夏場用としては最適かもしれません。なんか、次のネタができたかな?ドデショウカ?

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2011年09月04日 (日) | Edit |
ネットラジオを聴いていると、128kbpsの局でも、特にクラシック曲で、時どき高音に違和感を覚える事があります。例えばピアノの高音のアタックがビビッタ感じに聞こえるとか(得にベトベン専門局を聴いている時)。逆に低ビットレート(64kbps)の局でも、同様のアタック音が気にならない場合もあります。局側のデータ処理方法によって音質が異なる可能性もあります。

そこでケロに使っていたTU-870をガマに使用したところ、なかなか具合良さそうです。低ビットレートでささくれだったところを適当に丸めてくれるという事でしょうか?しばらくこの組み合わせで聴いてみたいと思います。ケロ君にはKA-S10で我慢してもらいましょう。TU-870、も一個買うかな?

847.jpg
ほこりだらけのTU-870。トランスが大きいので、横いっぱいにはり出しています。

僕のTU-870はプチ改造しています。回路自体は3結等を試した後オリジナル状態に戻しましたが、出力トランスを大きめの物に交換しています。また、カプリングコンデンサを定番の「ビタミンQ」に交換しています。このビタミンQですが、最初は「なんじゃこりゃ」という感じの音でした(ダルい音)。エージングに時間がかかるとは聞いていたので、とりあえず音質にあまり影響しない部分(NFB回路)に取り付けて約半年間使用した後に、再びカプリング用に使用したところ今度はGOOD。標準のコンデンサより確かに素敵な音がするような気がするようなそんなような気がしました。少なくとも新品の音は標準コンデンサに比べて明らかにダルかったので、エージングによって音が変わったというのは確かなようです。コンデンサにしろコイルにしろ機械的構造を持ち、交流が流れると微小に振動するため、エージング効果というのは確かにあるようです。ですからアンプ等電気回路のエージングというのには納得です。スピーカーは全くの電気/機械部品ですのでエージングが重要なのは自明です。デンセンはよくわかりません。

ちなみに、オーディオ用として珍重されるコンデンサの多くは、コンデンサとしての純粋な電気的特性という観点では落第品だそうです。人間って、音に適度な雑味が加わった方が気持ち良く感じるという事でしょう。真空管アンプが好まれるのも、同じ理由だと思います。やり過ぎると音楽が聴きにくくなりますが、基本的音楽再生性能(可聴帯域の下限近くまでフラットに位相遅れなく)をしっかりと確保し(これは音楽再生装置として最優先されるべき大前提)、付帯音を徹底的に除去した上で、ほんのりと好みの雑味を効かせるのは乙なものかもしれません。そういう意味で、LEANAUDIO(デジタル ニアフィールド)+真空管アンプは相性が良いと思います。部屋で響かせーの、箱で響かせーの、アンプで響かせーのというのは制御不能(富士の樹海)なような気がします。今時はソースまでDSPで響かせーのですからエライこってす。ホンマニ。。。

片方の真空管が駄目になりかけていた(時々ブチバチ音がする)ので、片方だけ新品に交換しました。同じEH製なので、ペアリングは気にしない事にしています。人間の耳って、左右で結構特性が異なります。イヤフォンの片方を右耳と左耳で聴き比べて見るとよく分かりますよ。。だもんで、細かい事は気にしない事に。 ちなみに体調(たぶん血圧)や鼓膜前後の圧力差の状態等によっても、耳の特性は結構変化するように思います。ダイビングの時にやる「耳抜き」をすると、高音の聞こえ方が明らかに変化する場合があります。音質をチェックする時は、必ず耳抜きをして鼓膜の前後圧を均等にしましょう? てか。

装置の微小な変化に対して人体および環境側の物理的/心理的変動幅が非常に大きいような気がします。つまり、その時の肉体的/精神的状態(上記の耳の状態、気分、直前の出来事)、環境(周囲の騒音、明るさ、気温、湿度)による物理的および心理的影響、とどめは例のプラシボ(だっけ?)も主観的「音質?」に影響します。なので、「音質?」を気にせずに長時間「音楽」を聴いてみないと(つまり本来の目的で長時間使用してみないと)、装置の音質評価はできない。。。というのが、LEANAUDIOでイロイロやった上でのハチマルの結論でもあります。例えば、吸音材ぎゅう詰めは今やLEANAUDIOの標準仕様となりましたが、ポチ2型の吸音材が箱イッパイになるまでに半年以上もしかしたら丸1年はかかっています(年がら年中、仕事しながら目の前のSPで様々なジャンルの音楽聴いた上での結果です)。

そのようにして最終的に生き残ったのがAlpar6M馬鹿ブー(この瞬間「ZAP(ザップ)」君と命名!)とケロ君です。さてさて、今回のガマ君は生き残れるのでしょうか?

追記1
出典: 英辞朗
zap
【間投】
バシッ、ビュッ、ビュン
【名】
〈米話〉攻撃
〈米話〉活力、元気、情熱、活気
〈米俗〉《コ》消去
【自動】
サッと動く、素早く動く
【他動】
強打{きょうだ}する、打ち負かす、攻撃{こうげき}する、感動{かんどう}させる、撃つ、口でやっつける、砕く、殺す、負かす、素早く動く、驚かす
電子レンジでチンする

追記2
そんなオーディオで楽しいのか?と思われる方も居られるでしょう。言っておきますが、ハチマルは別にいわゆる「オーディオ趣味」を「楽しむ」つもりは毛頭ありません。「音楽」をより楽しみたいだけです。そして、LEANAUDIOのおかげで、未だかつてなく「音楽」をより楽しめるようになりました。学生時代にケロが欲しかったとつくづく思います。クソ。。。逆に、マニアックなオーディオを見ていて、やたら微細な音の違いを聞き分ける事がそんなに「楽しい」のかなぁ?もっと他に重要なファクタがいっぱいあるのになぁ。。と僕には不思議に感じられます。ハチマルは「自分の部屋」で「音楽」をより快適により深くより自然により明瞭に聴き取れる装置が欲しいので自分で作っているだけです。面倒臭いけど。。。「音楽」に対する確固たる嗜好というのはしっかりと持っているつもりですが、「確固たる自分の音」とやらには執着しません。再生音には「正確/自然/明瞭」であって欲しいと願います。。だって、基本的に「確固たる自分の音」を持つべきは表現者の側であって、「音に対する確固たる嗜好あるいは表現意図」を持つ「音楽家」が鍛え抜かれた感性でもって選びぬいて決めて世に問うた音をできるだけ素直に聞きたいわけですから。それがその音楽家および音楽作品の表現/個性であるわけで。。。。そのへんが真逆というか。。。そもそも「音」は音楽を構成/伝達するための素材/媒体であり、その「音」でもって記録されている「音楽」の全体と細部を正確/明確に再生/伝達してくれる事を第一に望みます。そんなもの(計測で評価できる音質の改善)は簡単にできる、計測には表れないビミョーな「音質?」の追究こそが難しくて重要なんだてな事を言われますが、その「簡単な事」をきちんと現実的な実用環境で提供してくれる装置が果たしてあるでしょうか?バスレフポート、アナログフィルタ、一般ユーザの住環境に対して馬鹿デカ過ぎるサイズ、アホみたいな価格。。。僕の部屋で僕のデスクトップで僕のベッドサイドでの実用状態で僕の満足できるレベルの音楽再生クオリティを提供してくれる現実的なサイズ/価格の実用装置は、僕の知る限り市場に存在しません(これに対し携帯プレーヤー、イヤフォン/ヘッドフォン関係は性能/価格/デザイン的によく頑張っていると思う)。ヒャクマンエンする大層な装置をぶち込んでも駄目な事は明白です。売ってりゃ買ってますがな。面倒くさい。。どうもこのへんは永遠に平行線をたどると思います。因って立つトコロが180度異なるわけですから。以前に書いたオーディオ装置を「音楽」を聴くための道具とするリスナーズ オーディオと、オーディオそのものあるいは「音」そのものを趣味とするエンスージアスティック オーディオという事でしょう。雑誌等のメディアは後者ばかりを取り上げ、オーヂオとはそう言うものと固定観念を持たされている可能性もあります。それこそメディアや周囲にまどわされず、「自分」は音楽をどう聴きたいのかという「確固たる自分のスタンス」を持つ事が大切だと思います。よ。。。

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2010年07月07日 (水) | Edit |
まあ散々デジタルの肩を持つような意見ばかり書いてきましたが、これは余りにも根拠の無い、多分に問題を含むアナログ処理された音に単に「耳慣れている」という事だけに依拠したとしか思えないような発言がアチコチで散見されるので、ちょっと見かねたものでね。これヂャ デジタルが余りにも可哀想。。。

アナログもデジタルも手段に過ぎません。早い話ドーデモ良いのよ。アナログでもデジタルでも。ドッチデモ。重要なのは「目的」すなわち「アーティストによって記録された媒体上の音をどのようにリスナーに伝えるべきなのか」という事です。重要なのはね。で、その目的を達成するのに最も効率の良い手段を選べば良いのです。単純に。

で、オーディオ装置の「目的」は何度も言うように記録されている可聴帯域の音を(位相の乱れも無く)できるだけそのまま(と言っても狂信的ではなく必要十分なクオリティで)リスナーの「耳」に届ける事にあります。何故ならば「音楽という芸術は可聴帯域をフルに使って表現された芸術」だからです。ですから僕は「実際に体験した上で」フラットな周波数特性を基本中の基本として強調している訳ですが、これを「そんなもん、どうでも良い」と言った瞬間に音楽再生装置に関する全ての議論は吹き飛んでしまいます。正に「お好きなように」の無法地帯となりますので。

ただ、これをシツコク言うと「データ」ではなく「感性」が重要とかワケの分からない事言って嫌うオーヂオおマニヤさん多いんですよね。あのですね、我々凡人にとってマズは天与の才をを授かった音楽家達が世に出した「作品」をできるだけ「素直」に「聴き取る」事が先決であって、「感性」というのはそうやって「素直」に聴いた「音楽」をどう受け止めるかという部分において重要になるわけで、それ以前の再生「音」の部分に身勝手な「ドシロート」の「感性」(というのもおこがましい)を持ち込んで「音」を自分の好きなようにイヂリ過ぎてしまうってのは如何なものでしょうか。いや、いや、個人的に楽しむのは全然問題ないんですよ。全くお好きにどうぞ。それは趣味道楽ですから。ただそれがあたかもオーヂオの主流のように扱われている事には極めて違和感を覚えます。コマケー事をアーダコーダ言う前に「音楽を素直に聴け」と言いたいのよ。千秋君も言ってるヂャないですか「俺様の音を聴け!」と。それが表現者というものです。それをまずは尊重するのが鑑賞者としての礼儀です。

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2010年07月03日 (土) | Edit |
今回は信号入力部つまりプレーヤー部とデジタル信号処理部について書いてみたいと思います。最後にアンプについても書きます。

その前に、
きっと「デジタルでイコライジングなんかしたら音の「鮮度」が落ちるのでそんな方法は駄目」とお思いの方がいらっしゃるでしょうね。果たしてそうでしょうか?
このブログの以前の記事をお読みの方ならお分かりでしょうが、バスレフポートには明らかに位相上の問題があります。マルチウェイのネットワーク回路やトーンコントロールも同様に位相の問題を避けられません。これらの問題は簡単な波形測定でも露呈してしまう程の大きなものです。もちろん聴感上も明らかに違和感があります。結局方法は異なりますが従来のアナログ方式でもスピーカーの特性を改善するために音に劣化を招いているのは同じなのですよ。で、冷静に考えなければならないのは「果たしてどっちの方が被害が少ないか」という事です。今まで聴き慣れたアナログ処理の音が必ずしも(えてして多くの場合)「ソースの信号に正確に対応する」音だとは限らないという事を肝に銘じる必要があります。「ただ聴き慣れているから」というだけで安易に判断されている傾向が度々見受けられます。ただし「好きか嫌いか」は全く各個人の自由ですので。お好きに。

さて音源はPCを前提とします。iPod等を使用するユーザーは当然PCを所有し、そこに音楽データを保存しているからです。従ってシステムコストにプレーヤーは含まれません。ちなみに超高機能のFrieveAudioはAtomプロセッサ搭載のネットブック レベルで十分に機能します。ですから現在出回っているPCであれば、ほぼ何でもOKのはずです。

もちろんメーカーはユーザーに対してできるだけ非圧縮WAVデータの使用を推奨すべきですが、圧縮データの再生も念頭に置く必要があります。VictorのK2テクノロジ等も必要でしょう。オプションで装置とデザインを統一した音楽用PCを用意しても良いかもしれません(HD内蔵のEeePCみたいなので十分。ソニーさんのチッコイVaioなんか素敵だと思う)。無線接続できればなお宜しい。

DSP(デジタル信号処理部)に関しては2つの方法が考えられます。

1)1つはFrieveAudioのように全てPC上で処理を行う方法です。この場合PC以外からのソース(例えばCDプレーヤー、iPodのドック システム)に対して処理を行う事はできません。ただし装置側にはDACとアンプだけが必要なのでコストを抑える事ができます。欠点としてはPC側の状態(他のソフトウェアの動作等)に影響される点が挙げられます。ノイズ的にも不利でしょうが、僕自身はマニヤがとやかく言うほどには問題を感じません。

2)もう1つの方法は、装置側にDSP演算回路を内蔵してPCを単なるユーザインターフェイスと音源として使用する方法です。この場合はCDプレーヤー等のデジタル出力も接続できます。PC側の動作環境にも影響を受けにくくなります。その反面コストが増加します。高級タイプ用ですね。

いずれもソフトウェアは接続されているアンプのタイプと現在のボリューム位置およびスピーカーのタイプとそのイコライザ特性を正しく認識する必要があります(1つ前の記事参照)。まあこれは問題無く出来るでしょう。DSPソフトウェアはこれらの情報に基づいてスピーカーの周波数特性をフラットに補正すると共に、スピーカーに過大な信号が入力されないように低域信号のピークを制限する必要があります。

その他のDSP処理の内容はFrieveAudioと基本的に変わりません。すなわち;
1)選曲機能 (iTune、MediaPlayerに準ずる。これらのデータベース フォーマットに対応すること)
2)基本イコライジング機能 (スピーカーの出力周波数特性をフラットにする。ユーザによるOFFは不可)
3)自動音場補正機能(部屋の特性を補正する。マイクロフォン同梱のこと。任意に使用)
4)ユーザ用イコライジング機能(好みに合わせた微調整用。任意に使用)

これだけあれば十分です。これらのイコライザを全て掛け合わせた1つの総合イコライザ特性がDSPに適用されます。従って何度もイコライザ処理を行って信号を改変する訳ではありません。3)と4)は必要に応じて使用すれば宜しい。ニアフィールドで聴くユーザーは面倒臭ければデフォルトでもOKでしょう。もちろんデジタル信号の飽和を避けるAVC機能も必要です。メーカーは適正なスピーカーサイズを選ぶガイドラインと正しくスピーカーを配置する方法を懇切丁寧に説明しなければなりません。音量が許すのであればスピーカーは小さい程宜しい。正しい情報をユーザーに伝えてください。

オマケ的な機能として欲しいもの
1)ダイナミックレンジ圧縮
例えば交響曲を小音量で聴きたい場合、大音量のところでボリュームを合わせると小音量部の音が聴き取り辛いので、ダイナミックレンジを多少圧縮する機能。僕はこれが非常に欲しい。

2)真空管風味
パナソニックが既に実用化済み。きっと特許の問題があると思います。要は高調波歪みを人工的に発生させるのだと思う。

3)曲の自動レベル調整(iTuneには装備済み)
様々な曲をランダムに聴く場合に、録音レベルに合わせてボリュームを調整しなくて済むので便利。これも是非欲しい。

DSPの出力ビット数には最低24bit必要です(イコライジングするので16ビットでは明らかに不足)。

ソフトウェアはそのメーカーの全機種に共通で使用できるはずですからコスト的に有利です。DSPソフトウェアの性能もさる事ながら、ユーザインターフェイスの使いやすさが何よりも重要です。ちなみにONKYOのHDC-1L(オーディオPC)に付属のプレーヤー ソフトウェアは最悪です。あのようなレベルでは使い物になりません。このコンセプトが市場で受け入れられるかどうかの最大の鍵はユーザーインターフェイスにあります。オーディオメーカーはこのへんの経験が全く無いでしょうから、優秀なソフトウェア開発者(FrieveAudioの作者みたいな優秀な方)をヘッドハンティングするか、アウトソースする必要があるでしょう。プロジェクトの正否の半分(もしかしたらそれ以上)はソフトウェア(特にユーザインターフェイス)にかかっていると思います。努々良い加減に考えてはなりません。

最後にアンプについて。。

アンプのボリューム位置をソフトウェアに知らせるためのセンサが必要になります。また、スピーカーのイコライザ情報を取得するために4線接続が必要です(Nuforceの特許かな?)。ユーザが勝手に非対応のスピーカーを接続できないようにするために、コネクタは特殊な形状にする必要があるでしょう。スピーカー情報はCD-ROMでソフトウェアに設定しても良いのですが、例えばスピーカーを別の機種につなぎ換えた時に設定を変更し忘れたりする可能性があるため、接続によって自動認識させた方が安全です。

その他の基本的なアンプ性能に関しては極普通で良いのではないでしょうか。僕は馬鹿ブースト用にIcon AMP (2万7千円くらい)を使用していますが何ら問題を感じません。こんなに小さくても十分な音質で鳴らしてくれます。DACは24bit/96kHzとして、例えばONKYO WAVIOが1万円弱で販売しています。このクラスで十分でしょう。

真空管アンプを使いたいところですがサイズ、コスト、耐久性的になかなか難しそうです。例えばDAC出力とアナログ入力の間に挿入する1ゲインのバッファアンプなんかをオプションで用意しても良いかもしれません。2万円以下で作ってね。

まあ、アンプはそんなもんでしょう。

まずはパイロット製品としてオールインワンの一体型が無難でしょう。PC抜きで4~5万円くらい(ちと厳しい?)。

これで独断シリーズはオシマイ。
勝手な事を随分書き殴りましたがお付き合い有り難うございました。

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2010年07月03日 (土) | Edit |
オーディオ装置の最も基本的な機能は、媒体に記録されている可聴帯域(一般的に20Hz~20kHzとされる)をリスナーの耳に確実に届ける事です。何故ならば音楽は可聴帯域のほぼ全域を使用して表現される芸術だからです。この最もアタリマエの要件を満足に満たす実用装置は未だに存在しません。驚き桃の木山椒の木です。ホンマニ。これはスピーカーの低域性能の限界によるものですが、これをほったらかしにして、聞こえるか聞こえないかも未だに議論の的にまっているような20kHz以上の再現性や電線にウツツを抜かしておるこの業界は一体全体どうなっておるのでしょうか????理解に苦しみます。

僕は全域再生の重要性を理屈の上からだけで観念論的に言っているのではありません。実際に自分のデスクトップでそれを実現して毎日10時間程度実用使用した上で、その重要性を説いているのです。しかも、それはオーヂヲをイヂリ始めて2年もたたないド素人が3年前から存在するシェアウェアソフトウェア(3800円)を利用してできてしまう程度のものに過ぎないのです(実際には1年もかかっていません。スピーカーで音楽をマトモに聴きたい→バスレフさんざんやって駄目→どうしよう→密閉→低音聞こえない→デジタル馬鹿ブースト)。音源がデジタルであるという事を素直に受け止めれば誰でも思い付きます。

アナログ時代にはスピーカーの低域限界を延ばすのは非常に困難でした。このため大径ウーハーの使用、バスレフ/共鳴/ホーン等の音響効果の利用、低域用ユニットが大型になるため高域性能を確保するためのマルチウェイ化等々の数々の手法が必要とされました。長年それらが使われてきたため意外と認識されていないようですが、これらは何らかのネガティブな面を持つ一種の「必要悪」であるという事を忘れてはなりません。すなわち、サイズ/コスト的問題、バスレフポート等による位相上の問題(データによる検証済み)、マルチウェイ ネットワーク(アナログフィルタ)による位相上の問題(データで検証済み)と多点音源の問題。。。。。アナログ時代では、十分な低域を確保するために、これらの手法を多少の欠点に目を瞑ってでも使用せざるを得なかったという事です。

さて、

音源がデジタル化されたのは何十年前でしたっけ。
デジタル化によって失われた面もあるでしょうが(センチメンタルな面が大部分だと思いますけどぉ。。)、得られるメリットもまた莫大です。プロフェッショナルな製作現場ではとっくのとおにそのメリットを使い倒しているのに、そのように製作された音源を再生するリスニング オーディオの分野が何故このような状態なのか、僕の理解の範疇を全く超えています。おそらく前の記事で書いたこの業界とユーザーの奇妙な体質がその主な原因なんだと思いますが。。。

別に良いのですよ。アナログに拘りたい方は徹底的に拘ってください。電線に拘りたい方も徹底的に拘ってください。100kHzが必要だと言う方はどうぞお聞き下さい。ヒャクマンエン以下の音は駄目という方はせいぜい散財してください。それらはスーパーカーやクラシックカーを愛でるのと同じ趣味道楽だから好き勝手やってください。誰も文句を言う筋合いは御座いません。

しかし「アナログでもデジタルでもなんでもえーから、手軽に適正価格でちゃんとマトモニ音楽聴かせてよ」という一般リスナー向けの良質なシビックが存在しないのは全くの大問題です。

と、いつもの事ですが前置きが長くなりました。

デジタル時代の新しい(と今更言うのも恥ずかしいくらいですが。。)オーディオ装置では、デジタル信号処理(DSP)ソフトウェアと、それに合わせて最適化されたスピーカーが重要となります。アンプに関しては、DSPソフトウェアとの連動を必要とする以外は今のままで全く十分です。

という事で、今回はスピーカーについて。。とやっと本題です。

僕が考えるに、スピーカーはフルレンジ1本(もちろん密閉箱)で十分です。容積も今の一般的なバスレフ型よりも小さくできます。ただしドライバーにはAlpairシリーズ並の最新技術のクオリティが必須です。安物の2ウェイなんぞ全く不要。
もちろんドライバーには低域ブーストを考慮した最適化設計が必要です。すなわち、大振幅に対応できる磁気回路とサスペンション システム、および、限界振幅時の急激な破綻を回避するためのダンピング特性(A5はこのへんに問題あり。。なにせダンパレスですから)等の対策が必要であろうという事です。
このようなシステムではスピーカーが命です。システムコストの1/2以上はスピーカーにかけても良いのではないかと思います(残りはフツーのアンプとDACとソフトウェア)。箱を絶対に疎かにしてはならないのも当然です。別に木でなくてもこれだけ材料技術とCAE設計技術が発達した世の中ですから、最低コストで最適な箱が作れるはずです。美しく造形されたプラスチック シェルの内側に内部損失の高いパテ材を塗ったくっても良いと思います。下手に響かせる必要なんぞ全くありません。ややこしいアンカーシステムも不要です。ガッチリと響かないように作ってください。

デジタルイコライジングを前提とするならば、低域以外の面でもスピーカー設計に自由度がもたらされます。すなわち、裸の周波数特性は多少凸凹でも構わないという事です。たとえば、高域の特性をフラットにするために泣く泣くサブコーンを付ける等の妥協は不要になります。多少高域出力が落ちてでも音色(振動モード)を最適に設計して、レベルの不足分はイコライザで修正すれば良い訳ですから。従ってツイーターの必要性もますます薄れます。このように、デジタルイコライジングを前提とするならば、スピーカー設計には大きな変革がもたらされます。

ただーーし。
このようなシステムでは、スピーカーと本体(またはソフトウェア)間で情報の伝達が必要となります。すなわち正しくイコライジングを行うためにスピーカーの裸の周波数特性を本体(またはソフトウェア)に入力する必要があるという事です。最近のカメラではボディとレンズの間で情報を交換する必要があるのと同じです(最近はレンズ収差まで補正します)。ちなみにNufroceのIconでは専用スピーカーにこの情報を埋め込んで、4線のラインを用いてアンプ側で何らかのイコライジングを行うようになっているようですが、それと同じです。従ってメーカー間で共通の規格を制定しない限り、装置の組み合わせに制約が生じるという問題をはらみます(カメラ業界と同じ。最近はフォーサーズという共通規格が普及しつつある)。音場測定を前提とするならば、そのような制約はある程度回避可能ですが、一般リスナーを対象とする製品では正常動作を保証する上で難しいと思います。何故ならばスピーカーに限界以上の低域大信号が入力されないように制御する必要があるからです。

僕のAlpair5を馬鹿ブーストした場合、極たまに低域の大振幅信号によって音が破綻します。上記の新しいスピーカー設計手法が成功すれば実用音量レベルでは問題を回避できるでしょうが、一般消費者向け工業製品である以上、フルボリュームでも30Hzの最大入力レベル(すなわちCD上の16ビットの全てが1。現実には恐らくありえない)でスピーカーが破綻しないようにするための保護措置が必要です。このため、アンプのボリューム位置に応じて各周波数における最大信号レベルまたはブースト係数(すなわちスピーカーの最大振幅)を制限する手法等が必要となります。

このようなレベル制限を単純に行うと、波形の頭が平にカットされて不自然に聞こえるため、なだらかに波形をなます手法が必要ですが、ソフトウェア(DSP)で処理を行うため、それほど難しくはないでしょう。いずれにせよ、低域でそのような大振幅の信号が入るのは稀であり瞬間的であるため、ほとんどリスナーに違和感を与えずに修正できるはずです。プロセスが複雑なように思われるかもしれませんが、このようなアルゴリズムを含む総合的なイコライザ特性が1度だけ信号処理に適用されます。何度も信号に改変を加える訳ではありません。また、アナログイコライザのように位相に乱れが生じる事もありません。

デジタルイコライジングはアナログ式に比べて「音が痩せる」と言われる事がありますが、果たしてそうでしょうか。実はアナログ式では位相が遅れるために多少音が膨らむのに対して、デジタルではそのような現象が出ないために相対的に「痩せる」と感じられるのではないかと考えられます。というのは僕の測定した波形を見る限り、デジタルイコライジングでは正確に原信号波形を追従するのに対して、アナログフィルタでは明らかに波形が崩れます。これに似た「デジタル」への批判はアチコチで散見されますが、それは従来のアナログ式の問題をはらんだ音に慣れ親しんだ方の好みの問題であって、デジタルが音質的に劣るとは言えない(多分にその逆の)場合が多いような気がします。

恐らくダンピングを効かせた密閉箱の音に対しても同様の批判が出ると思います。しかし媒体に記録されている音楽作品を素直に聴き取るにはこの方式が最良です。オーディオには興味がなくて音楽を聴くために始めてオーディオセットを購入されるリスナーにはどのように聞こえるのでしょうか(特に日頃イヤフォンで音楽を聴いておられる方々には)。ちなみに僕は量販店の試聴室でも何度か試聴させてもらいましたが、いかにも「ステレオ臭い」オーヂオの音には馴染めません。この趣味の世界で長年「良い音」とされてきた特定傾向の音が、再生音楽を聴く上で本当に「良い」音(自然な聴きやすい音)なのかどうか、僕には甚だ疑問です。

スピーカーのサイズはリスナーの望む音量(リスニング距離)に応じて8~16cmクラス(すなわちAlpairラインナップ程度)を揃えておけば十分でしょう。一般的日本の家屋を考慮すれば、それ以上のサイズは必要ないと思います。ライブと同等の音圧での再生を望む一般リスナーも稀ではないでしょうか。そのような大音量で再生すると、一般的なサイズの部屋では音楽を聴くのが苦痛になるはずですから。例えば4面囲まれた四角い六畳間でクインテットにライブと同音量でブンチャカやられたらたまった物ではありません。部屋中ワンワン鳴りまくって僕なら5分と耐えられないでしょう。

それはさておき、このようなシステムによって非常にコンパクトなスピーカーでも実用的音量において30Hzから20kHzをフラットに再生する事が可能になります。何度も言いますが、これが音楽再生装置の原始的アタリマエの状態です(こういうのを「ピュアオーディオ」と言うんぢゃないすか?)。デジタル技術を最大限に活用する事によって、そのアタリマエが実用レベルで実現します。何よりの証拠に、僕のデスクトップではそのような状態で毎日一日中音楽が鳴っています。

次回はDSPおよび信号入力部について書いてみたいと思います。

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2010年07月01日 (木) | Edit |
さて、久しぶりに独断シリーズを再開したいと思います。またまた勝手な事を書きたい放題に書かせて頂きます。ご容赦を。

僕がここで取り上げるオーディオ装置は、自動車で言えばフェラーリではなくシビックやアコードに相当する実用オーディオ装置です。と言っても僕はフェラーリを否定するつもりは毛頭ありません。逆にフェラーリ信者と言っても良いかもしれません。フェラーリは人間のポジティブな面(人生は、人間は、素晴らしい!という事)を自動車という工業製品を媒体として表現した芸術だとすら思っています。355以降はちょっと「ジドーシャ」に成り下がってしまって信仰心は薄れましたが348以前のフェラーリは「ジドーシャ」以外のナニカ(?)でした。348は150km/h以上出すと平気で一車線くらい突然横っ飛びするとか、逆火で吸気チャンバーが爆発してリアカウルが吹っ飛ぶとか。。それでもリコールにはならずオーナーは自費で修理するとか(それをツベコベ言うヤツにはフェラーリ様を所有する資格は無いのよ)。実は348は箱根ターンパイクで1往復だけ運転した事があって、あたしゃ一生忘れませんよ。あの日の事は。NSXと乗り比べましたがこちらは完全にフツーの「工業製品」です。

同様にパラゴンやオートグラフあるいはノーチラス等のハイエンドを否定する気も毛頭御座いません。自動車を趣味とする方々にはスーパーカーをコレクションする羨ましい方も居ますし、クラシックカーのリビルトに熱心な方、はてはF1のようにキチガイ沙汰のレーシングの世界もあります。オーディオの世界でも当然ですが、ナンビャクマンエンもするフェラーリ級の装置を愛でたり、電線等の違いによる微少な音の違いを探求したり、音源を素材として自分の理想とする音を創出したり(つまり半ば楽器のようにオーディオ装置を扱う)、いろんな楽しみ方があって良いと思います。それぞれ結構な趣味だと思います(F1は趣味ではないけどね)。こういうのを一種の「数奇者」と言います(数寄者(すきしゃ、すきもの)は芸道に執心な人物の俗称。「数奇者」と書く場合もある。)。

しかし、

僕が最近オーヂオイヂリに手を染めてこの業界を覗いた時に非常な違和感を覚えたのは、そのような数奇者的なオーディオがあたかもオーディオ技術の本流であるかのように扱われている点です。ちょっとましな音で音楽が聴きたくなってオーディオ専門店へ行くと「まともな音で聴くには最低ヒャクマンエンは必要です」なんぞとと言われるなんて話はアチコチで聞きますが、ただ良い音で音楽を聴きたいと思っている一般的リスナーの感覚からすれば全く常軌を逸しているとしか思えません。雑誌を見てもそれを煽るような記事ばかり。ほんとにヒャクマンエン出さないとまともに音楽が聴けないのであれば、それは全くのメーカーの怠慢としか言いようがありません。シビック買いに行ってNSXじゃないとまともなクルマではありませんと言われるようなものですね。蛇足ですが、スーパーカーを買えるレベルの方のオウチならまだしも、標準的な日本のオウチにあんまりご立派な物をぶち込んでも、まともな音で聴けるとは思えません。

これに対し、安全快適に移動するための道具としての普通の乗用車に相当するオーディオ装置、すなわち本来最も充実していなければならないセグメント(価格的には10万円以下、千歩譲って20万円以下で一式揃うレベルが)が余りにも貧弱過ぎます。数奇者用ハイエンドの縮小廉価版をテキトーに作ったようにしか見えません。これはオーディオ装置を「音楽を聴くための実用工業製品」と考えた場合、極めて不健全で異常な状態のように僕には思えるのです。NSXをテキトーにお安く作ったのがシビックではありません。逆にシビックの開発にかけるリソースの方がNSXよりも圧倒的に大きいのです。またユーザーはNSXが買えないからシビックに乗る訳でもありません(まあ実際には買えないんだけど)。

フェラーリやクラシックカーは爆発しても横っ飛びしても文句を言う人はいません(かな?)。パラゴンがどのようなf特を持っていようが伏して拝聴するのみです(ははぁーー)。
しかし一般的な大量生産の製品がそれでは困ります。実用自動車に求められる最も基本的な性能は、安全に走って曲がって止まれる事ですが、オーディオ装置に求められる最も基本的な性能とは何でしょうか。それは「媒体に記録されている可聴帯域(一般に20Hz~20kHz)のほぼ全域の音をリスナーの耳に明確に届ける事」です。もちろん音色的な魅力や商品的魅力も重要です。自動車でも快適性や洒落たデザインが求められるのと同じですよね。しかし、まず最も根源的な基本性能が必要十分なレベルで満たされていなければならないのは当然です。いくら格好良くて乗り心地が良くても安全に止まれない車じゃ困りますし、いくら高域のストリングが美しく響いても怒濤のティンパニーがスカスカでフラフラでも困るのです。メーカーは、このような「音楽再生装置」として至極アタリマエの最低限の性能を備えた一般リスナー向けのリーズナブルな装置を最優先で開発しなければなりません。

その一方でオーディオ装置を趣味とされる数奇者の方々向けの「ハイエンド」な製品ももちろん必要ですし、小規模なビルダーさん達が趣味性の高い個性的な製品を提供する事ももちろん必要です。ただしそれらは「音楽を聴くための装置」としてのオーディオ技術の本流では決してありません。スーパーカーやクラシックカーやF1が自動車技術の本流でも頂点でもないのと同じです。そんな事は自動車メーカーもユーザーもアタリマエとして認知しています。そのあたりの認識がこのオーヂオ業界(とユーザー)の間であまりにアヤフヤなので僕としては非常に違和感を覚えるのです。はっきり言って健全な状態には見えません。

別にこの業界がどうなろうがアタシャ一向構わないのですが、健全なオーディオ装置がアタリマエの価格で一般リスナーに提供されないと、それは人類にとって大きな損失になると思うのでイライラするのです。優れた音楽(のみならず芸術)は我々にとって計り知れないほど大切なものです。オーディオ装置はその一般大衆に向けての伝達装置として非常に重要な役目を担っている事を開発者は肝に銘じて欲しいのです。あの、、、、また繰り返しますが、狂信的なコマケー事じゃないのよ。一般リスナーにとっての「必要十分」を見極めてお安く作ってね。それがホントの技術者のお仕事ですから。かといってセットコンポみたいに吸音材も入って無くてペラペラのパーチクルボードで見栄えだけ立派な3ウェイとか作っちゃ駄目よ。ホンマニ。最低だから。技術者として恥ずかしい事だけは止めようね。

という事で次回から具体的に「こういうの作ってよ」というのを書いてみたいと思います。

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2010年05月20日 (木) | Edit |
本日は新LEANAUDIOシステムの写真をご紹介。

写真があまり綺麗に撮れてませんがご容赦を。。(僕はストリートフォト専門なので、物撮りは嫌になるくらい下手です。これでも一昨年は銀座のニコンサロンで個展やったり、写真新世紀やエプソンのカラーイメージングでも入選してるんですけど。。。)

514_20100521143351.jpg
デスクトップはこんな感じです。装置類はデスク左横のラックに置いたので、デスクトップはすっきりしました。手元でボリューム調整できるようにL側スピーカーの横にパッシブプリだけを置いています。
ウーハー用のボックスは4Lの密閉型。メインのAlpair5は以前のまま2.5Lの密閉型。Alpair5の上側に付いているのはチープなスーパーツイーターBATPUREです。効果が良く分からないので暫く使ってなかったのですが、もったいないので復活させました。相変わらず効果の程は良く分かりませんが、外観上のアクセントにもなりますし。。。

512_20100521143430.jpg
メインスピーカーの位置が低いとデスクトップの反射の影響が強く出るので、耳位置よりも高めに設置しています。このためメインスピーカーは少し下向きになるようにインシュレータでお尻を持ち上げました。

513_20100521143550.jpg
デスクの左側に置いたラックの様子です。本来のLean & Compactポリシーに反するたいそうなシステムになってしまいました。チャンネルデバイダーはホームオーディオ用ではなく19"ラックマウントを前提に設計されているため、置き場所に苦労したあげく壁面に上向きに取り付けてみました。

チャンデバに取り付けた配電盤みたいなのは、メインスピーカー用の2台のアンプ(TU-870とNuforce Icon AMP)を簡単に切り換えられるように作ってみました。使用しない方のアンプには安全のために8Ωの負荷抵抗を差し込むようにしています。その下のコイルはウーハーの高域ノイズ除去用です。

ウーハーにはかなりパワーをかけるため、無信号状態で微かに「サー」ノイズが聞こえます。スピーカーの距離が遠ければ問題無いレベルだと思いますが、僕のシステムではウーハーが目の前にあるので少し気になりました。そこで以前実験用に購入した3mHのコイルをアンプとウーハーの間に挿入してみたところ、ノイズはほとんど聞こえなくなりました。効果絶大です。計算上のカットオフは約500Hzになります。

せっかくIcon AMPを購入したのですが、ほとんど使用していません。100Hz以下をデジタルアンプでアシストしたTU-870とAlpair5の組み合わせが僕の好みにドンピシャにはまったという感じです。今のところ唯一の例外はピンクフロイド。ロックは最近これしか聴かないのですが、この時だけはIconの方が明らかにGood。その他はクラシックもジャズ(アコ/エレキ含む)も真空管の方が圧倒的に好みに合っています。ジミヘンは僕的にはジャズの範疇にあり、これも絶対シンクーカンで聴きたいですね(特にLittle Wing、惚れ直しました)。ジャコのエレキベースももちろんTU-870の方が宜しい。あとは真空管の寿命がどこまで延びるか?ですね。1日12時間使用で少なくとも半年はもってもらわないと、本格的に真空管アンプ導入には踏み切れないです。

音質的にはこのシステム予想以上に大当たりでした。バイノーラル録音してブログで公開できないものか、ちょっと検討してみようかな。。と。

次回から測定データを紹介しながら、デジタルオーディオの利点について考えてみたいと思います。

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2010年05月15日 (土) | Edit |
ということで、下図のようなシステムが完成しました。

システムチャート copy
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我ながら非常に良い出来です。正直言って予想以上の結果が得られました。

基本的なコンセプトは、
約100Hz以下だけを13cmウーハー+ハイパワー デジタルアンプで駆動し、100Hz以上は8cmフルレンジ1本を低パワー真空管アンプで駆動するというものです。特に(トランスの)小さな真空管アンプでは低域の駆動力がどうしても不足しますが、このハイブリッド コンセプトではウーハーを高DF/高出力のデジタルアンプでゴリゴリ駆動するので、そのような欠点が補えます。

このちっこい真空管アンプの音色で、春の祭典だろうがマドンナだろうが、楽勝で30Hzフラットのタイトな低音がガンガン聴けます。Alpair5だけの馬鹿ブーストのように、低域の大入力で時々ずっこける事も一切ありません。基本的に100Hz以下の音はボーボーとかゴーゴーとか鳴っているだけなので、音色自体にはほとんど影響しないと言われています(デジタルフィルタでローパスかけて聴いてみると確かにそんな感じです)。ですからウーハー+デジタルアンプとのつながりにも不自然さを感じる事は全くなく、フルレンジ一発馬鹿ブーストと比べても違和感はありません。真空管アンプには100Hz以下の低域信号は入力されないので、例のブチバチ ノイズ問題も完全に回避できるのではないかと期待しています。やっと真空管アンプ(TU-870R)を使いこなす事ができたかな。。という感じですね。TU-870R + Alpair5はホントにご機嫌です。何よりも音楽を聴くのが楽しい。

このハイブリッド コンセプト、かなりイケテルと思います。真空管アンプをお持ちの方、是非お試しあれ!

詳しい測定データ等は今後の記事でご紹介します。

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