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2013年05月31日 (金) | Edit |
前回の記事でこの実験君シリーズは終わりにする予定だったのですが、追加でFrieveAudioのDSPを使って帯域分割した場合のデータを掲載しておきます。

計測条件(マイク位置等)は前の記事とほぼ同じです。

まず、60Hzの1サイクル正弦波の再生波形です。
Frieve 60
赤がZAP2.1+FrieveAudio、青がAlpair6M馬鹿ブー(前々回の記事)、緑がZAP2.1+DACのDSP(前回の記事)です。比較のため、今回も50Hzまでフラットに補正しています。位相補正は全てOFFです。
DACのDSPで帯域分割すると馬鹿ブーよりも約5ms遅れますが、FrieveAudioのDSPで帯域分割すればそのような遅れは発生しません。DACの遅れはハードウェアではなくソフトウェア(DSP)に起因すると言えます。やはりFrieveAudioのDSPは優秀ですね。

ZAP2.1+FrieveAudioのその他の周波数での波形です。
位相補正はOFF。横軸スケールは周期で合わせています。
Frieve Noc
灰が信号、青が40Hz、赤が60Hz、緑が80Hz。補正は50Hzまでなので、40Hzの振幅は小さめです。

位相補正をONにしました。
Frieve C
各周波数の波形が綺麗に揃い、2発目の波形で信号波形の位相にほぼ一致します。

次に補正済みの周波数特性です。リスニング位置(約70cmの距離、マイク手持ち)で計測しました。
FrieveAudioによる計測結果(クリックで拡大)
Frieve Ftoku1
100Hzでクロスさせています。FrieveAudioの補正済み特性の計測では、メインとサブウーハを同時に計測できません。また、各スピーカの絶対音圧レベルも分かりません。上図は、別々に計測した2つのスピーカの特性曲線をPhotoShopで適当に合成しただけなので、実際のサブウーハのレベルを確認する必要があります。

そこで、Daytonの計測システムで総合F特を計測しました。
まず、周波数レスポンス(F特)計測画面で計測した結果です。
frieve F4
2kHzより上でややHIGH上がり気味(+2.5dB程度)ですが、スムージングを強く(1/6オクターブ)しているので30Hz~20kHzで±2.5dB以内に入っています。実際のリスニング位置でです。。。なんだか凄い。

歪み計測用の画面でも計測してみました。
frieve F3
50Hz以下でレベルが下降しています。スピーカ保護のために元の信号レベルを下げているのでしょうか?それ以外は、こちらの結果も極めて良好にフラットです。こちらではHIGH上がり傾向は見られません。

以上の結果から、サブウーハのレベルは全くOKと言って良いでしょう。

FrieveAudioの補正係数の計測には、相変わらず安物パソコン用マイクを使っています(DAYTONマイクはFrieveAudioでは使えない)。その安物マイクによる補正結果を校正済みのDAYTONマイクで確認したわけですが、上記の結果を見る限り、安物マイクでもスピーカの大雑把なF特計測には全く十分であると言えます。無響室でもない普通のお部屋で、オシゴトの合間に殆どの場合マイク手持ちでチョイト計測するワケですから、あまりコマケーところを微に入り細に入り気にしても意味がありません。とにかく大雑把にやってオッキー問題からズバッと片付けるのが開発の鉄則です。

ただし、絶対音圧レベルを知りたい場合は校正済みのマイクが必要です。校正していないマイクは相対比較にしか使えませんので、ご注意ください。

100000001000180082_10203.jpg
エレコム MS-STM54
LEANAUDIOではF特計測や波形観測にずっとこのマイクを愛用しています。
ヨドバでたったの610YENなり。
断線したので先月新しいのを購入しました。
絶対音圧レベルを知る必要がなければ、全くこれで十分です。ホンマニ。

最後に20Hzまで完全フラット+位相補正ONで春の祭典を再生してみました。
Frieve春 copy
位相補正ONなので遅れは殆どなく、また、全域(30Hz~15kHz)をフラットに補正しているため、音響波形は信号波形によく一致しています。もちろん、コレも安物マイクで収録しています。

以上が4年間かけて開発したLEANAUDIOの現在の到達点です。FrieveAudioの方がiTune+DAC DSPよりも音質(聴きやすさ)は良いような気もしないでもないような気もするような気もしないではないのですが、最近は選曲しやすいiTuneを多用しています。多少音質に差があっても、面倒臭くなくて楽しい方に手が伸びるという事です。別にオンシツ(ヨイオト?)をツイキュしたりキキワケたりしたいワケでは全くないですから。

また、交響曲を真剣に聴きたい時は専らモニタヘッドフォンを愛用します。「広大なホールの反響音が重要な要素となる交響曲を聴くには部屋の影響を全く受けないヘッドフォンに限る」が僕の結論です。ホールに比べて圧倒的に狭くて四角いオウチでは、殆ど無響室にしない限りどう手を尽くそうがスピカでは無理。そもそも、携帯電話+カナル型イヤフォンでフルトベングラさんのベトベン交響曲を聴いて鳥肌立ったのがLEAUAUDIOに着手するきっかけでしたよね。マヂメにバイノラル録音されたベトベン交響曲全集が是非とも欲しい!

という事で、FrieveAudioの出番は殆どなくなってしまいましたとさ。オッシマイ。

追記
F特がドーダコーダとシツコク言うと毛嫌いされるようですが、これは音楽再生システムという「一定の目的を持たされた実用機械」をお部屋に設置したら、正しく機能するようまずイットウ最初に行うべきウルトラ超基本的調整です(もちろん、実際のリスニング位置でね)。好き嫌いの問題ではアリマセン。何もFrieveAudioのようにびったしフラットにする必要はありません。10数バンドのイコライザでも十分でしょう。この21世紀、610エンのマイクと無料のソフトを使って誰でも簡単に計測できます。スマホのアプリでもOKかもしれません。今時、「音楽鑑賞用」を謳う全ての家庭用オーディオ装置には自動的な調整機構を組み込むべきです。もう21世紀なんだからさ。。。全てのコマケーオコノミの調整はその後から始まります。設置環境に合わせた基本的調整が必要なのはどんな「機械」でも同じです。

真っ直ぐ走らぬ車の細部をいくら超精密にチューニングしても決して永遠に車として正しく機能しません。永遠にグルグル回ります。

追記2
交響曲の場合ZAP君にオデコがくっつくくらい近付いて聴くと結構良いです。AURA 1"とA10サブウーハを使ってデスクトップ用ウルトラ ニアフィールド(非接触ヘッドフォン)を作って見ようかと考えています。窓を開けるため音量を上げられず、かといってヘッドフォンでは汗をかく夏場用としては最適かもしれません。なんか、次のネタができたかな?ドデショウカ?

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2010年05月28日 (金) | Edit |
新システムのコンセプトについてまとめてみます。

基本コンセプト
1. 音色を支配する100Hz以上を好みのフルレンジ1発で持たせる
2.音色を支配する100Hz以上を好みのアンプで駆動する
3.音楽を下支えする100Hz以下は別の高出力/高DFアンプを使用してウーハーをバキバキ駆動する(バイアンプ)
4.両帯域間のレベル差は両アンプのボリュームで揃える
5.全体の音量はプリのボリュームで調整する
6. 全体をFrieveAudioのイコライザで調整して部屋の影響を修正する

このようなシステムでは、土台の低音システムを変えずにメイン システムだけ好みに合わせて変更できるので経済的なソリューションだと言えます。特に、低域の駆動力(DF)が弱い小型真空管アンプの弱点を補う事ができる点でも魅力的ではないでしょうか。100Hzという低い周波数でクロスするため、一般的な周波数でクロスするよりもつながりは自然だと思います。我ながら良くできたコンセプトだと自画自賛であります。
しかーーし

それでもやっぱりIcon AMPとAlpair5だけで馬鹿ブーストした方が、差は僅かですが低音がビシッとタイトで明瞭かつ自然に聞こえます。ロンさんのスピーディーなベースがGOOD。スピーカーが近い事もあり、この自然さを超えるのはかなり難しいようですね。。。と、ちょっとがっかり。

ところで、僕のジャズ コレクションの大部分はLPでリリースされた時代の(だいたい1985年以前)の楽曲です。これらの録音では、レコードプレーヤの針飛びを考慮してか低域信号レベルが高くなく、馬鹿ブーストでもほとんど問題無く聞く事ができます。従って新システムでも、ウーハーが常時ズンドコ動くわけではありません。ちなみにウーハー用のアンプをONにするのを忘れても、暫く気付かない程度です(苦労した割にはそんなもんなんです)。30Hzフラットと言うとさぞかしズンドコだと思われるかもしれませんが、基本的にジャズもクラシックもLP時代の録音では低域信号はあまり高くありません。特に50Hz以下なんてほどしかありません(ところが交響曲ではこの屁が重要なようか気がしてます。楽器の音というよりはホールの響きですかね?)。
228b_20100528154432.jpg
(参考記事はコチラ)

ところが、完全にCDだけの時代になってからの録音では、ちょっと事情が異なるのではないかという気がします。
僕のシステムは60年代のマイルス クインテットのロンカーターのベースの聞こえ方を重視してチューニングしていますが、彼の比較的最近のアルバムではベース音で馬鹿ブーストしたAlpair5が完全に破綻してしまいます(ブリブリとかビチビチとはしたない音が出る)。何もそこまでベース音を上げて録音せんでも良さそうなものですが、マイルス時代にひたすら伴奏に徹した反動ですかねぇ。ロンさん?

で、最近は全ジャズコレクションをランダム選曲で常時流しっぱなしにする事が多いため、馬鹿ブーストだとたまにズッコケルのが鬱陶しくて、これをなんとかするために今回の新システムに着手したというのが事の次第です。あ。それと、なんとか真空管アンプを使いたかったのよね。

ちょっと気が早いですが、新システムの改良案として、ウーハーにMarkAudioのCHR-70を片チャンネル2発使って見ようかなぁ。。なんて考えています。ちなみに10cmドライバー2発の振動板面積はほぼ13cmドライバーと同等になります。これにより、次の効果が期待できます(かな?)。

1) よりスピード感のある低音(振動板1個の質量が低い、剛性が高い)
2) より自然なつながり(ダイアフラムの材質、設計思想が同じ)
3) 音の発生中心が移動しない(Alpair5の上下にCHR-70を配置)

でもねぇ。。。考えてみたらAlpair7 一発で馬鹿ブーストした方が良いような気もするのね(低域がもう少し伸びるのと、Xmaxがでかいのでブースト耐性が高い)。あ、でも馬鹿ブーストだとまたシンクーカンがブチバチと。まぁ、新システムができたばかりだし、ボチボチ行きましょう。

追記
新システムとか偉そうに言ってますが、実はこれフルレンジ スピーカーにステレオ式サブウーハーを付けただけの事なんですよね。次回は「サブウーハーは2本必要か?」について書いてみるかな?

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2010年05月27日 (木) | Edit |
今回はリスニング位置での測定値です(スピーカーからマイクロフォンまでの距離は約75cm)。

526.jpg
前回紹介した20cmでの測定値との比較です(L側、Icon AMPを使用)。スピーカーの位置は同じで、マイクロフォンの位置だけが異なります。このようにスピーカーから少し離れただけで特性が随分凸凹になりますが、1m以上離れると低域がさらに激しく歪みます。

128_20100527142932.jpg
これは以前に測定した参考データです。この時はF80AMGをデスクトップの前端に置いて、スピーカー軸上で測定しています。135cm離れただけで500Hz以下が凄まじい事になります。

528.jpg
再び今回のデータです。リスニング位置で測定したR/Lスピーカーのデータを比較しています。500Hz以下の低域では、R/Lが一緒に上下する周波数領域と、R/Lで明らかに異なる変化を示す周波数領域が存在します。単純に考えれば、前者は前後壁または上下壁(天井/デスク)の反射の影響、後者は左右壁の反射の影響によるものと推察できます。500Hz以上の凸凹はデスクトップの影響と思われます(スピーカーをデスク前端に置いて測定した場合、500Hz以上の凸凹はほとんど発生しない - 1つ前の参考グラフ参照)。

近いうちに新聞紙か何かで巨大な戸澤式レゾネータを作って部屋の特性を改善できるかどうか試してみる予定です。市販されている音響調整用ボードは随分高価ですが、新聞紙でこれに挑戦してみたいと思います。

なお、TU-870のデータは割愛します。アンプによる違いはほとんどありません。

529.jpg
新システムのイコライザ係数とおなじみAlpair馬鹿ブーストのイコライザ係数を示します。新システムでは全域で±6dB程度の補正だけで、30Hzまで完璧にフラットな特性が得られます(というか補正しなくても十分な特性が得られます)。補正後の測定データはお見せするまでもないと思いますので割愛します。

次回は、このようなコンセプトの利点について考えてみたいと思います。

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2010年05月26日 (水) | Edit |
新システムの測定データをご紹介します。

今回はスピーカー前方20cmのデータだけを取り上げます(部屋の影響が少ないため、こちらの方が見やすいので)。

1. ウーハーの特性
523.jpg
「3.0mH」のデータはチャンネルデバイダを使用せずに3.0mHのコイルだけを通した場合の特性です(コイルも外すと5kHzまでほぼフラットな特性になります)。グラフには、チャンネルデバイダのカットオフ周波数を200Hz、120Hz、60Hzに設定した場合の測定値をプロットしています。フィルタの減衰特性はほぼカタログ通り24dB/Octになっています(縦軸の1目盛りは3dBです)。

2. メインスピーカー(Alpair5)の駆動にIcon AMPを使用する場合521.jpg
メインスピーカーへの信号はチャンネルデバイダを通さずに直接Icon AMPで増幅します(つまり、ドライバーの自然なロールオフ特性をそのまま利用します)。チャンデバを経由しないため、信号クオリティ的にはこちらの方が若干有利になるはずです。

最終的に下図の特性が得られました。30Hz/-3dBまでほぼフラットなので、基本的にブーストの必要はありません。音場補正で部屋の影響だけ修正すれば、完璧にフラットな特性が得られます。
524_20100526162755.jpg
チャンデバのクロスオーバー周波数を60Hzに設定し、ウーハー用アンプ(A-905FX、60W/4Ω)のボリュームを1/2(12時)の位置に固定した状態で、メインスピーカー用アンプ(Nuforce Icon Amp、24W/4Ω)のボリュームでf特がフラットになるようにレベル調整しました。上図は約1時のボリューム位置で得られた結果です。チャンデバの設定クロスfは60Hzですが、実質的なクロスfは約100Hzとなります。この状態では、プリコントローラのボリュームを12時~3時の位置にするとちょうど良い音量が得られます。アンプ側のボリュームを上げすぎると、プリ側で信号レベルを絞り過ぎる事になり、バックグラウンドのノイズレベルが増加します。チャンデバでのS/Nをある程度高く維持するために、アンプのボリュームは上げすぎ無い事が重要です。

3.メインスピーカーの駆動にTU-870を使用する場合
522.jpg
この場合は、メインスピーカー用信号もチャンデバに通して低域をカットしています。過去の経験から、低域ブーストによって真空管の寿命が極端に縮まる(ブチバチ ノイズが発生する)傾向があるため、真空管保護の目的でこのような構成としました。ちなみにチャンデバによる音質劣化は聴感上全く感じません(ハチマルのボケ耳ではね)。

525.jpg
ウーハー用アンプとチャンデバの設定はIconの時と同じまま(ボリューム12時、クロス60Hz)、TU-870のボリュームでレベル調整した結果、約3時の位置で上図の結果が得られました。Iconの場合に比べてクロス前後のレスポンスが若干落ち気味ですが、最終的に自動音場補正で完璧にフラットにしてしまうので、気にする必要はありません。

この設定で3週間ほど毎日12時間連続使用していますが、今のところブチバチ ノイズは発生していません。少なくとも半年はもって欲しいものです。

次回はリスニング位置での測定結果をご紹介します。

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