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2011年11月20日 (日) | Edit |
久しぶりの実験君です。なかなか興味深い結果が得られたのでご紹介します。

普段は相変わらずFrieveAudio + Nuforce Icon AMP + Alpair 6Mの馬鹿ブースト(40Hzフラット)で快適に音楽を楽しんでいます。僕には、やはりこの馬鹿ブー方式が最も自然で気持ち良く聞こえます。「春の祭典」さえ聴かなければ全く問題を感じません。

フルレンジ ドライバ一発で真に音楽のフルレンジを再生できるというのは、「音楽全体の自然な聞こえ方、調和のとれた聞こえ方」という面で圧倒的に優れているように感じます。どの周波数で分割しようが、この自然さには適わないでしょう。音楽の周波数帯域に「ココ」という切れ目はありません。それを複数の出音源(ドライバ)に分割するというアプローチは、考えようによっては、デジタルブースト方式よりも、余程「無理矢理」で「強引な」やり方に思えなくもありません。

さて馬鹿ブーに関して、50Hz以下の超低音領域での正弦波の再生波形が、なぜあのような形態で歪むのか、以前から釈然としませんでした。超低域の歪みがドライバの機械的な限界に起因するのであれば、波形は単純に頭打ちになって丸くなるはずです(振幅が過大であるために非線形領域に入るため)。しかし、実際には、高調波が顕著に現れて波形が尖ります。変ですね????どして????

これが機械的な問題によるものではなく、電気的および磁気的な問題によるものだとすると、アンプによって歪み方が変わるかもしれないぞ、と考えるのが実験君というもの。そこで手持ちのアンプ4台で波形を比較してみました。

供試アンプは下記の通りです。
- Nuforce Icon AMP: 24W (4Ω)、18W (8Ω)
- ONKYO A-905FX: 60W (4Ω)、40W (8Ω)
- KENWOOD KA-S10: 12W (8Ω)
- ELEKIT TU-870R改: 2W (8Ω)

スピーカにはAlpair 6M (1本だけ)を使用し、マイクロフォンをスピーカ前方約10cmに設置して音響波形を計測しました。

以下に、50、40、30Hzの0dB正弦波信号を再生した時の各アンプによる再生音響波形を示します。50Hzの音響波形の最大振幅がほぼ同じになるように、各アンプのボリュームを調整しています(50Hzで音量を同じに揃えたという事です)。普段の標準的ボリューム位置くらいだと思います。TU-870を含めるために、あまり大音量にはできませんでした。なお、グラフ中の数値は気にしないでください。カーソル位置の設定が正しくありませんでした。

●まずは50Hzの波形です。
50Hzまでは危なげなく確実にビシッと再生して欲しいものです。

Icon AMP /50Hz、ボリュームは12時
ICON 50

A-905FX /50Hz、ボリュームは9時半くらい
ONKYO 50
Iconに比べて2次が多く、4次が少なめ。波形はIconよりもやや尖り気味に見えます。

KA-S10 /50Hz、ボリュームは1時半くらい
KEN 50
波形を見ただけでも結構歪んでいるように見えます。FFTで見ても高調波は上の2つに比べると多めです。

TU-870 /50Hz、ボリュームは3時半くらい(ほぼ全開)
TU 50
50Hzでもかなり歪んでいます。これは比べるのが可哀想かもしれません。真空管式シングルアンプの場合、プラス側とマイナス側で振幅と波形が多少異なるのは、真空管の特性上ある程度仕方ない事です。また、それが独特の心地よさを演出してくれるわけですからね。

●次は40Hzです。
通常の曲では、この周波数領域の信号はそれほど高くありません。この周波数まである程度ビシッと再生してくれれば、過激なズンドコ系や最強バスドラにも対応できます。
Icon AMP /40Hz
ICON 40 copy
2次、3次によって波形が尖ります。ただし、マドンナのズンドコ信号レベルでも-12dB程度ですので、通常の再生時にここまで歪む事はありません。

A-905FX /40Hz
ONKYO 40
Iconよりも明らかに歪んでいます。2次が多めです。

KA-S10 /40Hz
KENWOOD 40
波形は905FXとほぼ同等。さらに3次が増加しています。

TU-870 /40Hz
TU 40
チッコイTU-870にこの領域の再生クオリティを求めるのは酷すぎです。

●最後に30Hzです。
この周波数ではソースの信号レベルは一般的に非常に低いため、あまり重要ではないと思います。
Icon AMP /30Hz
ICON 30
結構頑張っていると思います。

A-905FX /30Hz
ONKYO 30
Iconよりも明らかに歪んでいます。

KAーS10 /30Hz
KEN 30
意外にもIcon同等以上ですね。

TU-870 /30Hz
TU 30
。。。。。

と言う事で、アンプによって超低音の歪み方が異なる事がわかりました。この周波数領域で見る限りIcon AMPが最も優れているように思えます。A-905FXは定格出力が大きい割りには、ちょっと期待外れでした。定格出力の低いKA-S10が良く健闘しています(注: このアンプは4Ω負荷での動作を保証していない)。なお、トランスの小さいTU-870にこの領域の再生能力を求めるのは全く酷だと思います。ケロでは200Hz以下をサブウーハー用デジタル アンプに受け持たせているので問題はありませんが、この結果だけを見て真空管アンプは駄目だとは決して思わないでください。そこんとこヨロシク。

以上の結果を見ると、定格出力はあまり関係無さそうです。EIAJ(日本電子機械工業会)の定める実用最大出力というのがあって、これは1kHzで歪み率(THDだと思う)が10%!に達する出力とされているようです。TU-870の実測データを見た事がありますが、2Wというカタログ値はほぼ正確にこの実用最大出力に一致していました。ただし、各メーカがカタログに記載している出力値がこのEIAJに必ず準拠しているかどうかは定かではありません。

このような超低音の再生能力において、重要なのは「駆動力」と言われるやつなのでしょうか? あるいはダンピング ファクタと言われるやつなのでしょうか? 出自が機械屋さんなので電気系はどうも苦手です。「駆動力」というのが理論的にどのような電気的特性値によって定義されるのかよく理解できませんが、そのような「駆動力」の高いアンプを使用すれば、馬鹿ブーの限界を改善できる可能性があります。「駆動力」あるいは「ドライブ力」というのは、多くの場合、例によって極めて感覚的に捉えられているようですが、このへんを特性値としてキチンと定量化して欲しいものです。

今回の結果を見る限り、Icon AMPは安くて小さい割りに極めて優秀だと言えます。デザインがクールで超コンパクト。お値段は超お手頃。素晴らしい製品だと思います。国産品も頑張らないと。。

なのでNuforce社の上等のプリメインアンプIA-7 (最新はV3)には凄く興味があります。評判を見る限り、超ニュートラルで癖は一切なし、スピード感ブリブリ(ドラマーの方がドラムの音が他のアンプに比べて圧倒的にリアルだと言っている)、非常に明瞭、しかし音はカリカリし過ぎないという、ソース波形を素直に正確に再生してくれる「音楽再生マシーン」的アンプであるように思えます。
nuforce.jpg
普段聴いている生音に近い音が聞けるという事で
Nuforceを好むミュージシャンも多いとか
しかも、ハイエンド機としては超コンパクト
デザインもGOOD
価格以外はLEANAUDIOにぴったり
定格出力は100W

ドラムスがリアルって事は、きっと「駆動力」「瞬発力」が素晴らしく高いのだろうなぁ。試してみたいなぁ。とは思うのですが、定価が22マンエン。アンプだけに二ジューマンエン以上。これはもうハチマル的経済観念による許容範囲を遙かに超えています。Iconでも十分に満足できているわけで、50Hz以下の駆動力が大幅に上がったとて、実際に音楽を日常的に聴く上で、如何ほどの効果を実感できるのやら? せめてジューマンエン以下なら考える余地もあるのですが。中古を探しても、ほとんど出回っていませんでした。気長に探してみますか。。。デスクトップとハイエンドの中間的プロダクトラインを出して欲しいなぁ。。。

「音質」というと、どうしても「中高音」のキャラ(ナンタラ感)に耳目が集まるように見受けられますが、徒にディティールのオンシツに拘らず「音楽」を全体的に捉えながら聴く場合、僕には低音領域がビシッとバシッとしている事(スピード感というやつ?)が、「音楽再生クオリティ」にとって極めて重要な因子であるように思えます。音波波形の基本形状を決定付ける低音の再生クオリティこそが、音楽再生のキモだと言っても過言ではないかもしれません。Alpairドライバを非常に高く評価しているのも、大信号がドンと入った時にスパッと動いてビシッと止まるという、運動性能の高さ故ではないかと考えています。恐らく、Alpairに出会っていなければ、馬鹿ブーには辿りつかなかったでしょう。

Nuforceは、Mark audioと並ぶLEANAUDIOお気に入りブランドになるかもしれません。どちらもクオリティの高さを視覚的にもうまく表現しており、クールで理知的な製品イメージをしっかりと訴求しています。重厚長大ジョーカンタップシ木目調オーヂオとは明らかに異なる、新しくてカコイー オーディオを予感させてくれると言えるでしょう。音楽に限らずアートとは、常に若者が憧れる時代の最先端を行くカコイーものであるはずです。そんなカコイー音楽に深く関わるオーヂオも、もっとクールてファッショナブルにならないとね。

今時はヘッドフォンという事ですかね?
確かに、セッティングなんかで何も苦労せず、スピーカよりも圧倒的に高いクオリティの再生音を、安価に、周囲を気にせず、手軽に聞けるわけですから、人気があるのも納得です。僕は極めて現実的で賢明な選択だと思いますよ。特に密閉型ヘッドフォンやカナル型イヤフォンで低音ビートの正確なノリを体験してしまうと、そんじょそこらのスピーカでは満足できませんやね。

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ヘッドフォン少女、いいですね

オッチャン達のように大層な装置で、コマケーオンシツやリンジョーカンにやたら拘って聴くよりも、余程素直に「音楽」を楽しめますよね。装置なんぞに苦労せずに、高いクオリティの再生音で大好きな音楽に集中できる事は、とても大切です。若者がヘッドフォン再生で気軽に音楽に親しむ事に、とかくアータラ言う向きもあるようですが、大層な装置をトッカエヒッカエして、オンシツやリンジョーカンにやたら拘って聴くのが「エラク」て「ジョートー」な音楽の聴き方では決してありませぬ。「エラソー」にしてるけど、あれはアーユー「趣味」だと言うだけです。装置の事など一切気にせず、必要十分な本当の意味での良質な再生クオリティで、自分の大好きな音楽を、自分なりのスタイルで、カッコよくガンガン楽しむのが何よりです。

でも、オウチで聴くには鬱陶しくないかい? 僕は最近とっても上等な密閉型モニタ ヘッドフォンを早朝に愛用していますが、CD 2枚が限度だな。音は申し分ないのだけど、あの装着感がね。。。ま。。だから苦労してLEANAUDIOを開発したというコトです。

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