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2011年12月18日 (日) | Edit |
シズル感(しずるかん)
-カルチャー&エンタテインメント-2002年8月21日 (出典コチラ)

もともとは広告業界のことばとして、広告クリエーターたちが使い始めた。テレビCMや広告写真に出てくる食品に生き生きとした実感があり、それを見るとすぐにでも食べたり飲んだりしたい気持ちにさせる状態であることを指している。本来の「シズル(sizzel)」という英語は肉がジュージューと焼けて肉汁がしたたり落ちているような状態を表し、それから発して見る人の食欲をそそるような状態の表現として使われている。このシズル感を表すために、広告写真では温かい料理からは湯気を出し、アイスクリームなどの冷たいものからは白い冷気を漂わせ、ビールジョッキの側面が水滴でぐっしょりと濡れるといった状態を、さまざまな工夫を凝らして再現している。


要は、ホンモノよりも「よりホンモノらしく」「より美味しそうに」見えるように演出されたのが「シズル感」だという事です。

エフェクターについて書く前に、今回はこの「シズル感」について書いてみます。

音楽製作現場でも、上記の映像製作現場と同様に、録音した音から媒体を製作する段階で様々な効果が加えられます。音声でも映像でも、デジタル化によって、それらの処理が極めて簡単に行えるようになりました。例えば音声の場合、ミクスダウンの際に使用される代表的なエフェクタとして、「リバーブ」と呼ばれる残響効果を加えるためのエフェクタがあります。アナログ時代は、特殊な部屋を使用したり、巨大な鉄板を振動させる装置(プレートと呼ばれる)を使用したそうですが、デジタル処理では多数のパラメータを調整しながら自由自在に残響効果を付加できます。これらによって、アナログ時代から、ソースにはある程度「シズル感」が既に演出されている事が多いかと思いますし、最近の録音やリマスタ盤にはヤリスギではないかと思われるものもあります。

多くのオーディオを趣味とするマニアと呼ばれる人達が、アノテコノテで音を響かせようとするのも、より「ホンモノの生演奏ポク」聞こえるように、「アタカモその場に居るヨウニ」聞こえるようにという「シズル感」を求めての結果ではないかと思われます。あるいは「シズル感」を自分なりに創出するプロセスそのものを楽しむという要素も確実に含まれているようにも思われます。

しかし、過剰な「シズル感」の演出は、本来の「情報伝達」のクオリティを確実に落とすという事にも留意が必要です。例えば、シズル感をバッチリ演出された焼き肉の写真には、そのお肉の実際の状態に関する情報が大幅に欠落しています。このような写真はホンモノ以上に「美味しソウ」なイメージを訴求する事が目的であり、別にそのお肉の「本質」に関する正確な「情報」を伝達する事が目的ではないからです。

風景写真にしろ、再生音楽にしろ、それらはホンモノの「その場」を再現するものでも、ホンモノの「生演奏」を再現するものでも決してありません。いずれも、ある者がある意図を持って、ホンモノノの一部の情報を、一部の断面で選択的に切り取ったものに過ぎず、多くの場合、配布される前に多くの手が加えられています。

そこのところを根本的に理解しておく事が重要だと思います。一般大衆のそのへんに関する理解が曖昧であるためにトラブルが多発するのか、最近の広告写真には「写真はイメージです」という写真発明以来あまりにも自明の事実が、しつこく記載されるようになりました。これは見るたびに暗澹たる気持ちにさせられます。メディアどぶ付け病。ヒトラーが出てきたらイチコロですよ。ホンマニ。。。そもそも明治時代に「photograph」(光の画像)が「写真」(真実を写しとるもの)と訳された事にも問題があるのかもしれません。

再生音楽とて、これと全く同じです。「写真」が被写体から独立して一個の作品として成り立つのと同様、再生音楽も生演奏とは独立した音楽表現手段/伝達媒体であり、それを「再現」するためのものでは根本的にないし、それはそもそも不可能だという事を血肉として理解しておく事が重要です。

ホンモノではないものを「ホンモノポク」しようとすればするほど、逆に「ホンモノ」からかけ離れてて不自然になってゆくように思えます。逆にもともとホンモノではないものを「ホンモノではない」と承知して、それはそういうものと受け入れた方が、そこに含まれているホンモノの「本質」がより良く見えてくるようにも思えます。

映画では、冷蔵庫のドアひとつを開け閉めするにも、ホンモノポイ効果音が挿入されます。しかし、実際の冷蔵庫があのような音を出すわけではありません。「リアルッポイ」のと「リアル」は端から異なるという事です。オーディオでよく言われる「リアルな」音というのは多くの場合「リアルぽく聞こえる」音であるように思えます。僕はこれを明確に嫌います。

そんな事をするよりも、僕には、トリアエズ素直に正確に再生した方がトリアエズ「自然」に「リアル」に聞こえるように思えます。肝心の「音楽」(アーチストさんのやらはった事)が「自然な」音で違和感なくより聴きやすくなるという事です。トリアエズを二度繰り返しましたが、あくまでも「トリアエズ」です。なぜならば、マイクで拾われた瞬間に既に異なり、さらに各種の手が施されているのですから、トリアエズ正確に再生する以外には「リアル」を求めようもないからです。

ということで、再生音楽にホンモノポイ「リアリティ」やアタカモその場にいるヨウナ「リンジョウカン」を過剰に求めても、かえって失うものの方が大きいようにハチマルには思えます(って、再三紹介した怒りの演奏家も言ってましたね)。

まあ、ナニゴトも、ホドホドにというコトでしょう。次回からは、Frieve Audioのデジタルエフェクタを使用して、ホドホドに音をイヂル方法についてご紹介します。

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テーマ:オーディオ
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